March 22, 2001
株式会社東芝と日本光電工業株式会社は、心臓カテーテル検査を迅速に進め、診断効率を大幅に高めた「画像・生体情報統合型心臓カテーテル検査システム」を国内で初めて共同で開発しました。なお、本システムは、東芝メディカル株式会社と日本光電工業が、3月25日からそれぞれ営業活動を開始します。また、同日から国立京都国際会館で開催される日本循環器学会付属展示会に共同展示します。 新しい検査システムは、X線システムとポリグラフ(生体波形記録システム)間のインターフェースを共同開発したことにより、従来X線による心臓の撮影画像データと、カテーテルを用いた心臓内腔の圧力や心電図等の生体波形測定データが全く独立して表示、記録されていたものを、一つのモニタ上で画像と各種波形や解析データを統・株)マ察できるようにしました。これにより、検査の迅速化、診断効率の向上、データの一元管理、ネットワークによるデータの検索と観察が可能になります。 3社は、1981年から開発・製造・販売・サービスの分野で包括的業務提携関係にあります。今回の共同開発もこの一環として実現したものです。 画像診断機器分野と生体計測機器分野で、それぞれ国内トップメーカーである両社が、高齢化と共に年々増加傾向をたどっている循環器疾患の医療ニーズに対応するため、オープンで拡張性の高い循環器部門ネットワークソリューションを今後も共同で提供していきます。
システム名 | 循環器用画像・生体情報統合型心臓カテーテル検査システム |
システム構成 | TOSPACS((株)東芝製動画ネットワークシステム)
短期間画像保管用サーバ装置(大容量RAIDディスク) 長期間画像保存用DVD装置(4.7GB×670枚) 動画像レビュー用ワークステーション Cardio Master(日本光電工業(株)製) 臨床用ポリグラフシステム RMC-3000シリーズ *X線循環器撮影システムは含まず。 |
標準価格 | 2億円から(システム構成による) |
心臓病、特に冠動脈疾患は高齢化の進展とともに年々増加し、悪性新生物に次いで第二位の死因となっています。この冠動脈疾患とは、心臓に栄養を供給する冠動脈の狭窄や閉塞により、心筋に充分な血液が届かなくなることにより、心筋梗塞のような重篤な症状を引き起こすものです。このような心臓病の診断では、心臓の内腔、冠動脈の形態の変化・異常を観察することが必須であり、カテーテルと呼ばれる管を心臓内に進め、X線に対して不透過な薬剤を注入することにより、X線の影を高速で連続撮影する方法(心臓X線撮影法)が用いられてきました。これと並行して、心臓の動きを機能として評価するために、カテーテルを用いて心臓内腔の圧力や心内心電図等が測定されてきました。このように心臓カテーテル検査は、心臓の形態と機能を同時に定量評価でき、最も信頼のおける検査法として国内で広く普及しています。しかし、このように情報量の多い検査であるため、データを記録したり、観察する際には多大な労力を伴っており、多くのスタッフを必要としていました。心臓カテーテル検査は緊急性の高い業務であり、循環器担当医師からは、この膨大なデータをいつでも、どこでも、速やかに統一的な形で観察したいとの強い要望がありました。このような医療ニーズに対応するため、東芝の持つ循環器用動画ネットワークシステムと、日本光電工業製の最新ポリグラフシステムをインテグレートすることにより、心臓カテーテル検査情報を統合管理するためのソリューションを提供することとなったものです。
以上