December 19, 1997
株式会社東芝と東芝メディカル株式会社は、Cアームの動作速度を当社従来機種比(*1)2倍の秒速20度とするとともに、モニター画面から目を離さずにCアームや寝台を片手でブラインド操作できるワンハンドグリップを採用した、インターベンション(*2)対応の心臓血管専用X線診断システム「Infinix CS」を商品化し、12月18日から営業活動を開始しました。
Cアームの高速化とブラインド操作の実現により、モニター画面を見たままで、カテーテルの挿入と患者の位置決めを同時に迅速かつ的確に行うことができ、インターベンション(*1)の時間短縮がはかられます。
「Infinix」シリーズは、従来の循環器用X線診断システムの「ANGIOREX」に代わる新リーズで、今回発売するのは心臓血管専用タイプです。
新製品は、あらたに(1)画像処理とX線制御の操作盤の一体化による操作性の向上、(2)Cアーム外径の約10cmの小型化と高周波インバータ回路を採用した据付面積従来比約半分のX線発生装置による省スペース設計、(3)X線発生装置のインバータ回路の二重化による撮影時の信頼性の向上、などを実現しています。
また、患者へのX線照射線量を低減できるTa(タンタル)(*3)を素材とした当社独自の線量調整フィルターの採用や、複数の磁気ディスクに撮影画像を同時に記録することで1つのディスクが故障しても書き込んだデータを修復できるRAID技術なども、引き続き採用しています。
なお、新製品の販売は、東芝メディカルが担当します。
*1 :従来機種「Super Cシングル ブレーンシステム」との比較。
*2 :X線透視下でバルーンカテーテルやステント(広げた血管をもとに戻さない金属の網状の管)等を利用して、血管に生じた狭窄部の拡張、動脈瘤の塞栓などを外科手術を行わずに治療する最先端の治療方法。
*3 :原子番号73の元素。従来から使用しているアルミニウム(Al)に比べ、、低エネルギーX線の吸収量が多く、患者に吸収されるX線照射線量を低減することができる。
システム名 | システム構成 |
循環器X線診断
システム「Infinix CS™」 | 床置きCアーム型X線保持装置/カテーテル寝台/高周波インバータX線発生装置/100万画素CCDカメラ/デジタル画像処理装置 |
循環器画像診断において、カテーテルを使用した血管造影検査は血管の病変を動画で直接観察できるため、従来から確定診断として位置づけられていました。
近年、循環器画像診断の医療現場では、確定診断である血管造影検査だけでなく、カテーテルを使用した血管内の病変の繊細な治療行為であるインターベンションが広く普及してきており、操作性の良い医療機器が求められています。
新製品はこのようなニーズに対応して商品化したもので、スピーディーな機械の動きや画像表示の応答性の向上による操作性の改善を行ったほか、当社が世界に先駆けたCCDテレビ技術をさらに進めることにより、診断のための充分な高画質透視画像を提供できるようにしています。さらに、操作性の向上により少ないスタッフでスループットの向上が図れるなど、コスト低減も合わせて実現しています。
システム名 | Infinix CS |
床置きCアーム
CAS-10A/CX | アーム内径:800mm
アイソセンター高:1050mm 主回転 範囲:LAO120度~RAO120度 速度:20度/秒 スライド 範囲:CRA50度~CAU45度 速度:20度/秒 |
カテーテル寝台
CAT-350B/CX | 耐荷重:160kg
天板上下動:790mm~1200mm 長手ストローク:1100mm |
X線高電圧装置
KXO-100G | 高電圧発生装置:インバータ方式
公称最大電力:100kw 短時間定格: 1250mA 80kV 1000mA 100kV 800mA 125kV 長時間定格:4mA 125kV |