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February 10, 1998

デジタルラジオグラフィ付きX線テレビ寝台システム 「DI stationシリーズ」5製品の発売について ― 優れた操作性と多目的な検査に対応 ―

株式会社東芝と東芝メディカル株式会社は、操作性に優れ、多目的な検査ができるデジタルラジオグラフィ(DR)(*)付X線テレビ寝台システム「DI stationシリーズ」を開発し、2月9日(月)から営業活動を開始しました。

(*) DR:デジタル画像処理装置-X線画像をデジタル画像として処理・保存・保管する装置

「DI stationシリーズ」は、X線テレビ寝台装置にデジタル画像処理装置を組み合わせたシステムです。画像処理装置のオペーレーティングシステムとして「Windows NT」を採用することで、アイコン表示とマウスによる優れた操作性を実現するとともに、医療画像処理専用ボードと高速BUS(デジタル信号伝送路)を付加することにより、透視・撮影中の画像処理やフィルミング、ファイリングなどの並行処理を実現し、画像記録・表示の高速化をはかりました。
また、X線テレビ寝台には大容量・微小焦点X線管や、高効率I.I.(*)などを採用し、高画質な画像を提供することで、上部・下部消化管バリウム二重造影検査から肝臓、胆嚢、膵臓などの消化器系検査をはじめ、整形外科、呼吸器科、泌尿器科、婦人科系検査、さらに頭部・腹部・下肢血管造影検査などの多目的な検査ニーズに対応することができます。
 なお、同シリーズは4月7日から10日まで、神戸で行われる1998年国際医用画像総合展('98 JMCP)に出展されます。

(*) I.I.:イメージインテンシファイア:X線を光→電子→光に変換する装置で、変換効率が高いほど高画質の画像となる。

開発の背景

 近年、X線TV寝台システムは、従来の消化管検査主体型から、より多目的な用途に使用されるようになっています。また、画像の即時表示、診断しやすい画像を提供するための多彩な画像処理、さらには病院ネットワークシステムへの画像出力などのためにデジタル画像処理装置を付加する割合が増えています。国内のX線TV寝台システムは、年間2,500台規模で推移しています。病院向けの中・高級システムがおよそ半分を占め、その半数にデジタル画像処理装置が装備されており、その割合は近年増加傾向にあります。一方で、画像処理装置を使用している病院からは、操作性の簡略化や処理スピードの高速化への要求が強く、買い替え時の機種選定の大きなポイントとなっています。
 新シリーズは、画像処理装置のオペーレーティングシステムに「Windows NT」を利用することで簡易な操作性を実現するとともに、医療画像処理専用ボードを加えることで、高速な画像処理を可能にしました。
 新シリーズは、単に従来のX線TV寝台システムに画像処理装置を付加するのではなく、フィルムを使用しないフルデジタルシステムを基本思想に、高画質画像を実現するためにシステム開発したものです。

新シリーズの特長

1.高速画像処理を実現
医療画像処理専用ボードと高速BUSにより、透視・撮影の検査中でもポストプロセス、フィルミング、ファイリングなどの完全並行処理を実現するとともに、画像記録・表示の高速化により検査作業の効率化がはかられます。

2.オペレーティングシステムに日本語WindowsNTを採用
Windows環境によるアイコン表示とマウス操作による直感的操作により、従来のDR装置に比べ、簡易な操作環境を提供します。

3.新型デジタルCCD TVカメラの採用
高精細な透視画像と撮影像を提供する新開発100万画素CCDカメラを搭載しています。高精細X線画像に適したCCDの採用などにより、鮮鋭度が高いだけではなく、S/Nの良い画像が得られます。

4.モニタ上での選択画像を一括処理
モニタに表示した複数の選択画像に対し、一括して画像処理が行えるので、画像処理に費やす時間を短縮できます。プリント時には、プレビュー機能によりプリント画像と一致した分割表示が可能で、フィルムを効率よく使用できます。

5.検査毎にパラメータ設定が可能
撮影部位毎に検査名を付け、最適な画像処理パラメータをプリセットできます。さらに最適なX線条件やシステム感度もプリセットできるので、検査名の選択だけで最適パラメータが自動的に設定され、効率のよい検査が可能です。

6.操作卓に専用キーパットを装着
遠隔操作卓と近接操作卓それぞれに専用キーパットを組み込んでいるので、検査中の被検者の画像をモニタ上に呼び出せます。簡単な画像処理もで、治療方針の判断や治療効果の確認をその場で行えます。

7.DICOM3.0出力による病院ネットワークシステムへの対応(オプション)
医用画像の通信規格の標準となりつつあるDICOM3.0のストレージサービスクラスをサポートします。

8.大容量X線管の採用
600kHUのX線管の採用により、小さい焦点でのDR撮影が可能となり、鮮鋭度の高い画像が得られます。

9.高効率I.I「J―アドバンストI.I.」の採用
入力窓と入力基盤を一体化し、さらに蛍光体の改良によりX線の吸収効率が改善され、シャープで粒状性の良い画像が得られます。

新シリーズの共通仕様

X 線 管0.3/0.6mm 600kHUヒートエクスチェンジャ付
X線高電圧装置80kW インバータ式
画像処理装置入力画像1024×1024 最高30fps、 A/D変換 12bit
画像処理オートウインド処理、階調処理、空間フィルタ処理
回転処理、表示シャッタ、アノテーション、拡大処理
サブトラクション、シネ表示、プリントイメージ処理
カタログ表示(最大64分割)、 他
画像記録ハードディスク容量:2.5GB
光磁気ディスク容量:2.6GB

以上