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March 24, 2004

日本向けに循環器部門のソリューションの提供を目指す順天堂大学と循環器情報システムの共同研究開始 ― 循環器情報の一元管理によりワークフローを改善できます ―

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、医療施設の診断から治療にわたるあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する、国内市場における画像診断機器のトップメーカーです。

今回は、循環器部門のソリューションを実現するために、カテーテル検査の創生期から循環器分野でも定評のある順天堂大学医学部(東京都文京区本郷2-1-1) 循環器内科学教室(代田浩之教授)と、日本市場向け循環器情報システムの共同開発を進めることの合意に至り本年1月9日に共同研究契約を締結致しました。

循環器情報システムは、循環器部門の日常業務から、研究活動にいたるまでの循環器内科医のワークフローを支援するシステムです。日本の医療現場にマッチしたシステムを構築するためには、日本での循環器内科の日常業務から、研究活動までに至るワークフローを分析する必要があります。そのために日本で最先端の治療と研究を実施している順天堂大学の循環器内科と共同研究を行うことにより、実際の臨床現場で使いやすいシステムを開発していくことができます。

順天堂大学との共同研究では、循環器部門の検査・治療から、レポート作成、患者説明、更にはカンファレンスに至るまでの日常のルーチン業務だけでなく研究業務の支援もできますので、循環器内科医やスタッフの仕事をスムーズにできるようにして少しでも時間的な余裕を生み、さらなる医療の質の向上、患者への医療サービス向上が期待できます。

この共同研究成果の経過は、2004年3月27日から開催されます第68回 日本循環器学会総会・学術集会で発表する予定です。

●循環器部門の現状

成人病型の循環器疾患の増加により、狭心症や心筋梗塞に代表される虚血性心疾患の治療方法としてPCI*1などの適応症例が増加して、循環器内科医の業務は非常に多忙化しています。また、画像診断機器技術、IT技術の発展に伴い循環器診断分野でのさらなるソリューションが医療側から要請されています。
さらに、当社も積極的に参画している医療情報システムに関連した委員会等でも循環器部門を改善していく姿勢が見られます。IHE委員会(Integrated Healthcare Enterprise)*2は、ワークリストマネージメント(検査予約情報)やプロシージャーステップス(検査結果通知)などの標準化を検討しています。またDICOM WG1委員会(Cardiology)*3でも、 SR(Structured Reporting)*4として循環器レポートの標準化を検討しています。

●用語解説

*1・・・ PCI
循環器X線診断システムを用いて冠動脈の治療を行うこと。X線透視下でカテーテルを冠動脈の狭窄部まで進め、カテーテル先端につけられたバルーン(風船)をふくらませて狭窄部を拡張する手技。これにより外科手術しなくても狭窄した血管を内科的に治療することができるもの。

*2・・・ IHE委員会(Integrated Healthcare Enterprise)
病院内のマルチベンダー環境の条件下で、放射線科を始めとして、循環器科、病理学科、眼科、更に経営・会計システムのような病院組織全体における医療情報を統合化することで診断や治療は勿論、会計精算などを含む医療業務の流れを支援し、統合化による病院業務の効率化等、利益を拡大するための標準化活動を推進するフォーラム。

*3・・・ DICOM WG1委員会(Cardiology)
Digital Imaging and Communications in Medicine「医療におけるデジタル画像と通信」の略で、医用情報の共通化に対応すべく作られた規格であり、その中のワーキング・グループ1ではX線アンギオグラフィの画像に関するDICOM規格を作成・検討する規格化委員会である。

*4・・・ SR (Structured Reporting)
部位(位置)、所見、解釈、病名/処置といったフレーム構造を持ったレポート

以上