May 12, 2006
東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、そして、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。そして、「優れたシステム性能」、「患者さんにやさしい技術」、「お客様志向のパートナーシップ」を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に貢献させていただいております。
当社は、64列セグメント検出器を用いたマルチスライスCTを他社に先駆けて市場に導入し、すでに全世界で500台以上の稼動実績を誇ります。ジョンズ・ホプキンス大学病院(米国メリーランド州・ボルチモア)、ベス・イスラエル・ディアコネス・メディカル・センター(ハーバード大学医学部附属病院)(米国マサチューセッツ州・ボストン)、トロント・ゼネラル病院(カナダ・トロント)、ライデン大学病院(オランダ・ライデン)、フンボルト大学シャリティ病院(ドイツ・ベルリン)、安貞病院(中国・北京)、マウント・エリザベス病院(シンガポール)や京都大学医学部附属病院(日本)など世界のトップ施設で稼動しており、その臨床価値に高い評価をいただいております。
この度、世界最小0.5mmスライス厚の64列同時撮影マルチスライスCT「Aquilion™(アクイリオン)64列システム」に新機能を追加し、「Aquilion64 Standard Version」、「Aquilion64 Global Standard Version」、「Aquilion64 Super Model Version」として以下の3種類をラインアップいたしました。
(1)「Aquilion64 Standard Version」
世界各国で高い評価をいただいている「Aquilion64列システム」に、さらに進化させた被ばく低減機能である「QDScan*1」、「VolumeEC*2」を搭載し、高分解能・高速スキャンと低被ばく撮影を実現しています。
(2)「Aquilion64 Global Standard Version」
「Standard Version」の機能に加え、フルスキャン0.40秒の高速撮影技術、従来のAquilionで培われた「Coronary Imaging Technology*3」、さらには東芝独自の「フェーズナビ*4」機能を搭載し、心臓CT撮影から冠動脈描出までを簡便に行えます。また、現在世界7カ国9箇所の著名な大学や医療施設が参加して展開している「64列マルチスライスCTを使用した心臓CT検査に関する国際マルチセンタースタディ」“CORE64(コア64)”で使用している構成で市販リリースするもので、心臓CTの世界基準を臨床現場へ反映していただける装置構成となっております。
(3)「Aquilion64 Super Model Version」
「Global Standard Version」の機能に加え、1回転0.35秒の高速スキャン、高速画像再構成(最短28画像/秒)が追加されております。これらの技術により、心臓領域の撮影が5~7秒程度とさらに短縮されるだけでなく、「フェーズナビ*4」機能との融合により、検査ワークフローを約3割向上させ、より安定した高精細画像を容易に得られます。
新製品は4月から発売を開始し、今年度生産800台以上を見込んでいます。
「Aquilion64列システム」は、ライナアップ全てが、より患者さんに優しい、より医療従事者に優しい設計となっています。また、地球環境にも配慮して開発を進めました。
*1 | 「QDScan」 | 薄いスライスで撮影したデータから厚いスライスの画像を作成し、低線量でありながらより高画質を実現する技術 |
*2 | 「VolumeEC(Volume Exposure Control)」 | 位置決め画像から全スライスが同じ画像SDで画像表示できる2方向から最低mAを計算、ヘリカルスキャン中に電流制御を行います。これにより従来の1方向での最低mA計算を行うRealECよりさらに精度よく、画質を維持しながら被ばく低減が図れます。 |
*3 | 「Coronary imaging technology」 | 東芝の冠動脈描出技術の総称で、検出器技術、高速スキャン技術、高精度画像再構成技術、心電同期画像再構成技術、ハートナビ技術を示しています |
*4 | 「フェーズナビ」 | 撮影後のボリュームデータから動きの度合いを検出してモーションマップを作成し、最適心位相検索を自動的に行うことで,心臓検査後の画像作成及び解析を迅速かつ簡便に行える機能です |
*5 | 「量子ノイズ除去ソフト:QDS」 | 輪郭情報を保持しながら低線量撮影で増大するノイズを低減し、高画質を実現する技術 |
*6 | 「RealEC(Real Exposure Control)」 | 位置決め画像から全スライスが同じ画像SDで画像表示できる最低mAを計算、ヘリカルスキャン中に電流制御を行います。これにより最大40%の被ばく低減が図れます。 |
*7 | 「RealPrep.(リアルプレップ)」 | 造影検査の最適タイミングをAutoとManualでセッティングでき、造影剤のタイミングを逃しません。また、造影タイミングが正確にわかるので、造影剤の総量を減らすことも可能となります。 |
*8 | 「インジェクター同期」 | 造影剤の注入とCTスキャンを連動させ、スキャンが止まれば自動的に造影剤の注入が停止します。たたし、接続できるインジェクターに制限があります。 |
*9 | 「T-Modeフィルミング」 | 付帯情報をフィルム上にまとめて見やすく表示します。イメージャーの機種によっては、対応できない場合があります。 |
東芝メディカルシステムズ株式会社は、お客様のニーズにあった質の高い製品を提供することにより、国内CT市場で20年以上連続トップシェアを続けております。CT装置に関しても、東芝の最先端技術を結集させた「0.5mmスライス厚、64列同時撮影マルチスライスCT(Aquilion 64列システム)」からCT装置を初めて導入される医療施設などのための実用型CTまで、お客様のニーズにあわせて幅広く製品ラインアップで、全世界でCTのトップシェアを目指します
販売名 | 価格 | 販売目標(本年度) |
東芝スキャナ Aquilion TSX-101A | 19億9500万円~ | 200台(国内)
600台(海外) |
(製造販売承認番号:21000BZZ00377000)
Aquilion 64列システムの主な仕様
型式:TSX-101A | |
検出器 | 64列×896ch (57,344素子),32mm (0.5mm×64) |
フルスキャン時間 | 0.35*10、0.375*10、0.40*11、0.45*11、0.5、0.6*11、0.75、1、1.5、2、3秒
(*10) 「Aquilion 64 Super Model Version」では標準 (*11) 「Aquilion 64 Super Model Version」「Aquilion 64 Global Standard Version」では標準 |
収集スライス厚 | 0.5、1、2、3、4、6、8 mm
64列:0.5mm×64、32列:1mm×32 |
画像スライス厚 | 64列:0.5, 1, 2, 3, 5, 7, 10mm |
X線管 容量 | 7.5MHU(MegaCool) |
X線管 冷却効率 | 1,386KHU/min |
X線出力 | 120KV/500mA
Option:120KV/600mA |
撮影範囲 | 最大長さ180cm
最大直径50cm |
ガントリ開口径 | 72cm |
ガントリチルト角 | +/― 30度 |
画像再構成時間 | 最短0.063秒 (16画像/秒)
Option:最短0.036秒 (28画像/秒) *12 SCAN中も再構成並列処理可能 (*12) 「Aquilion 64 Super Model Version」では標準搭載 |
リアルタイム画像再構成時間 | 最短0.083秒(12画像/秒、1スライス512x512再構成時) |
磁気ディスク保存容量 | 生データ720GB(3,600回転分)、画像データ160,000枚 |
造影剤検知自動スキャン機能 | RealPrep.標準搭載 |
3次元処理 | 高精細ボリュームレンダリング(カラー)機能標準搭載 |
以上