January 11, 2011
東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:綱川智 栃木県大田原市)は、世界の先進的臨床機関が参加して非造影MRA技術の臨床的有用性を検証する多施設合同臨床評価研究をサポートします。
米国、フランス、中国、日本の4カ国の施設が参加、非造影MRAと従来の画像診断モダリティの臨床的有用性に関する比較検討評価を行う研究活動です。活動は2011年初頭から開始され、約1年間かけて逐次成果を発信する計画です。
非造影MRAは造影剤を使わずに血管を描出できるため、患者さんにやさしい検査・診断法として関心が高まっています。特に、腎臓に疾患のある患者さんにMR用造影剤が副作用を引き起こす可能性があるとされる問題(NSF(注1))が米国で報じられて以降、注目を集めています。 東芝の非造影MRA技術はすでに全世界1000台以上の装置(注2)で実施可能な定評ある技術で、平成21年度には全国発明表彰 発明賞(注3)を受賞するなど、世界に先駆けて研究開発と実用化が進んでいます。日本放射線医学会大会や日本磁気共鳴医学会(JSMRM)、さらには北米放射線学会や国際磁気共鳴学会(ISMRM)など最先端の学術の場においても、国内東芝MRI使用施設の先生方からの研究発表が多数蓄積されており、臨床の現場においては日常検査の一環として定着が急速に進んでいます。
しかしながら、単一人種、限られた地域におけるこれまでの研究開発や臨床評価では、適応の限界やさまざまなバイアス要因を考慮する必要があります。国境を越えた地球規模での医療貢献を広く成し遂げるためには、より国際的で多施設・多人種かつ大規模集団での臨床評価をデザインし、統計的にもより高い信頼性を確保する必要があります。本取り組みは、このような視点にもとづいて新たに計画された非造影MRAの国際的多施設合同臨床評価研究です。
本臨床評価研究は、米国デューク大学医療センター客員准教授Timothy Albert,MDが主席研究者として主導し、日本を代表して東京大学大学院医学系研究科放射線診断学の先生方がメンバーとして参加、そのほかフランス、中国からも多数のMDが参画します。
今回は、非造影MRAの臨床応用アプリケーションの中から、1.5テスラ装置に搭載されたTime-SLIP(注4)法とDSAやCT、超音波など従来の画像診断法との症例比較検討を重ねることで、非造影MRAの有用性と効果を検証する予定です。
東芝からは、米国の研究開発セクションTMRU(注5)、臨床アプリケーションの国際企画推進セクションCARC(注6)が全面支援するなど、全世界規模の注力を行います。日本発信の優れた非造影MRA技術を、広く世界規模へと普及発展させ、世界の人々の健康といのちを守り、世界のお客様の成長に役立つよう、一層の活動を進めてまいります。
【東芝メディカルシステムズについて】
東芝メディカルシステムズ株式会社は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。 当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に役立つよう、一層の活動を進めてまいります。
東芝メディカルシステムズ(株)ホームページ:http://www.toshiba-medical.co.jp/
【地球環境への取り組み】
東芝グループの一員である 当社は、「地球内企業」としてより良い地球環境の実現のため、開発、調達、製造、販売、サービス、廃棄段階まで一貫して環境への影響に配慮した医療機器・システムの提供を通じて地球温暖化防止をはじめとし、資源有効活用、化学物質管理を通した地球との共生や豊かな価値の創造のために取り組みます。
東芝メディカルシステムズ(株)環境活動:http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/company/csr/
(株)東芝環境活動:http://www.toshiba.co.jp/env/jp/index_j.htm
※Made for Life、EXCELART、EXCELART Vantage は東芝メディカルシステムズ(株)の商標です。