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November 26, 2007

CT装置生産累計台数 20,000台を突破 ~ マルチスライスCTが全世界で高く評価され、生産台数を加速 ~

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、1978年に日本初の全身用CT装置を発売して以来、先端技術の開発と高品質な製品の提供により日本国内はもとより、世界各地の医療施設に導入いただいてきましたが2007年10月31日をもって、CT装置の生産累計、20,000台を達成いたしました。

CT装置は人体に多数の方向からX線を照射し、透過してきたX線のデータを基にして人体の断層を画像化する装置で身体にメスをいれることなく人体深部の診断が容易に行えます。そして、ヘリカルCTの開発により広範囲の撮影が可能になり、さらにマルチスライスCTの登場によって、高精度な画像診断が一回の息止めの時間内に行えるようになり医療機関での導入が進みました。また、64列マルチスライスCTの開発により、循環器領域でも広く用いられるようになり、現在、マルチスライスCTは全世界的に普及しています。

東芝のCT生産のあゆみ

CT装置は1972年に英国のハンスフィールド博士により開発されました。1974年に東芝は、CT装置を製品化したEMI社(英)と販売契約を結び、日本での販売を開始、1975年には東京女子医大に日本で初めてCT装置を納入しました。

1978年国産初の頭部用CT装置を開発・発売
1982年※1,000台生産達成
1986年米国でヘリカルCT特許取得
1989年撮影条件をプログラムに組み込み、操作性を向上
1990年世界初 ヘリカルCTオプションを設定 ※5,000台生産達成
1993年高性能固体検出器を搭載したヘリカルCT装置を開発・発売
1994年1回転1秒のヘリカルCT装置発売
1998年9月 ※10,000台生産達成
1999年世界最小スライス幅0.5mmの4列マルチスライスCT発売
2002年16列マルチスライスCT発売開始
2004年3月25日 ※15,000台生産達成
2004年世界初の0.5mmスライス64列検出器マルチスライスCTを発売開始
2007年10月31日 CT装置 累計生産台数 ※20,000台達成

当社は累計生産台数2万台を達成する過程で様々なCT技術を開発してきました。

1990年には、世界で初めてヘリカルCT*1機能を搭載した装置を販売しました。この装置は、1983年に米国、欧州、日本で特許を申請し、その後権利を取得した当社独自のヘリカルに関する基本特許に基づいており、当社の豊富な先端技術の蓄積により実現したものです。ヘリカルCTの導入により、臓器全体を短時間で精密に検査することが可能となり、被験者の負担が軽減されました。さらに1993年にはCT透視*2技術を、1998年にはマルチスライスヘリカルCT技術を開発しました。2002年には世界最小0.5mmスライス厚で16枚同時収集可能なマルチスライスCT装置を開発し、2004年には心臓を10秒以内で撮影できる64列マルチスライスCT装置を開発し、循環器領域のルーチン検査での使用を可能にするなど、常に世界のCT技術をリードしています。そしてヘリカルCT装置開発の功績が認められ、1993年には「機械振興協会通産大臣賞」を、1998年には「市村賞」、2003年にはマルチスライス検出器の開発に対して「蛍光体賞」を受賞しました。


*1:ヘリカルCT:X線管を高速で連続回転させながら患者を撮影し、らせん状に撮影データを連続収集する方式。従来のCTと比べて短時間に広範囲の撮影ができる。
*2:CT透視:CTのリアルタイム画像再構成技術を応用し、医師がCTスキャンの横に置いたモニター画面を見ながら針を刺したり、組織の一部を取るなどの処置ができる。

このように、当社は長年にわたりCT装置の技術開発を行ってきました。特に、スキャン時間の高速化、画像の精細度の向上、より薄いスキャン幅の実現など医療現場からの要求を満たした製品を送り出してきました。また、患者さんにやさしい低被曝ばくCTの開発を進め、量子ノイズ低減ソフトウエア*3、X線モジュレーション技術*4、スキャンプランシミュレータ*5など、被ばく低減技術をCT装置に実装しています。この結果、当社は国内市場で50%以上のトップシェアを占めており,東京大学、京都大学、慶応大学、大阪大学、九州大学などへCT装置を納入しております。世界市場でも米国Johns Hopkins(ジョンズ ホプキンス)大学、Harvard Medical School (Brigham & Women's Hospital および BID) (ハーバード メディカル スクール(ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル および ベス イスラエル デアコネス))、ドイツベルリン Humboldt(フンボルト)大学 Charite(シャリティ)、オランダライデン大学、ドイツ国立がんセンター(DKFZ)などへ納入し、世界最先端の施設と共同研究を行っております。


*3:量子ノイズ低減ソフトウエア:画像のエッジを残したまま、ノイズを低減し、低線量撮影時の画質改善に役立つ。
*4:X線モジュレーション技術:設定した画質レベル(SD)に対し、体型に応じて管電流を可変できる。
*5:スキャンプランシミュレータ:体型とスキャン条件を入力すると、画質レベル(SD)、管電流、被ばく線量、およびシミュレーション画像を瞬時に表示が可能。

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に役立つよう、一層の活動を進めてまいります。

※Made for Lifeは東芝メディカルシステムズ株式会社の商標です。

本資料に関するお問合せ先

東芝メディカルシステムズ株式会社  本社広報室 TEL:0287(26)6775
東京本社広報室 TEL:03(3818)2040

新製品に関するお問合せ先

東芝メディカルシステムズ株式会社  CT事業部 TEL:03(3818)2090

以上