マンモグラフィによる乳がん検診


マンモグラフィ検査の上手な受け方

リラックスして技師さんに協力を

マンモグラフィは、X線を用いて、左右の乳房を上下方向と斜め方向から撮影する検査方法です。乳房は立体的なので、そのまま撮影したのでは、乳腺や脂肪、血管などが重なって写り、しこりがあっても映し出されません。そのため、乳房をできるだけ薄くして撮影することが必要になります。乳房の厚みを薄くすれば、放射線の被ばく量を少なくすることにもつながります。また、体をこわばらせたり、体が引けたりすると、乳房が十分に圧迫できずに検査の精度が低くなってしまいます。信頼できるいい画像を残せるよう、リラックスして技師さんとの共同作業にのぞみましょう。

こんな検査です

マンモグラフィは、手で触れることのできない小さなしこりや、早期がんのサインである石灰化を映し出すことができ、早期がん発見に対する有用性が認められています。乳房を固定している時間はそれぞれ数十秒。トータルの検査時間は実質10分前後です。X線を使用するため、妊娠中の方は申し出てください。

こんな手順で行います

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上下からはさむ撮影(CC法)と、斜め横からはさむ撮影(MLO法)の2種類の撮影をセットで行うのが基本です。

マンモはこうすれば、痛みは軽減されます!

「マンモグラフィは痛いから……」と尻込みしている人、いませんか?痛みを軽減する受け方を知っておきましょう。

1)生理前はさける

生理前はホルモンの関係で乳房が張るので、圧迫すると痛むことがあります。乳房の張りが少ない生理開始5~7日目に受診するとよいでしょう。

2)体の力を抜く

緊張して体を固くしていると、痛みが増すことも。技師さんとの相性もあるので、女性技師のほうがリラックスできるなど、自分の傾向を把握して対策を。

3)違和感があれば伝える

体調など受診者側の要因以外に、技師さんのポジショニングやタイミングが痛みに影響することも。我慢できないほど痛い場合は、遠慮せずに伝えましょう。

痛みの軽減を追及したマンモ

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欧米人に比べ脂肪が少なく乳房が固い人が多い日本人女性でも、圧迫時に痛みを感じにくい工夫を随所に採用。開発には女性スタッフが積極的に参加しました。

マンモグラフィはX線検査なので放射能被曝がありますが、乳房だけの部分的なもので、肺や脊髄などへの影響はほとんどなく、白血病などの発生の危険もありません。1回の撮影で乳房が受ける放射線の量(0.05ミリシーベルト)は一般の人が1年間に受ける自然放射線量(2.4ミリシーベルト)の50分の1程度。マンモグラフィ撮影による危険性はほとんどありません。しかし妊娠中の方、妊娠の可能性のある方は胎児への被曝を考えて撮影の前には申し出るようにして下さい。

視触診と超音波検査も乳がんを調べるのに大切な検査です。視触診と超音波検査併用の場合、視触診と比べて約1.3倍。視触診とマンモグラフィ検査併用の場合は、約2~3倍の乳がんの発見が可能です。

しかし、マンモグラフィには若年の方、授乳中の方、手術後の方、乳腺の発達した方には腫瘍やしこりが乳腺の白さに隠れてしまい写りにくい場合があります。そのため質の良い撮影や診断が行われても、約10~15%の乳がんがマンモグラフィ検査のみでは見落とされる可能性があります。マンモグラフィは40歳以降の人に特に効果的です。
そのためには自己検診や定期検診を行いましょう。

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