乳がんとはどんな病気?


乳がんにかかるリスクは誰にでもあります

乳房にしこりができる病気「乳がん」

乳がんの基礎知識

現在、女性がかかるがんの1位を占めているのが乳がんです。発症率は11人に1人のデータもあり、乳がんが増えた原因として、ライフスタイルの変化(結婚や出産の高年齢化、出生率の低下)や食生活の欧米化(高たんぱく質、高エネルギー、高脂肪)などがあげられています。

また、男性の方も、乳がんにかかる場合があります。

「乳がん患者さんの約150人に1人が男性と,男性乳がんは比較的まれです。男性乳がんの患者さんの約15~20%に乳がんの家族歴があります。」
出典:日本乳癌学会 / 患者さんのための乳癌診療ガイドライン
乳がんは若い年齢で発症するのが特徴で、30歳代から増えはじめ、40歳以上になると急激に増えていきます。しかし、乳がんに無関心な人が多いのも現状です。

乳房にしこりができると乳がんかと不安になると思います。乳がん以外でも乳房にしこりができる場合があります。
以下のようなものがあります。

乳腺症

女性ホルモンがバランスを崩し、エストロゲンというホルモンが過剰になりおこる病気です。主に30代~40代の人に多く見られ、乳腺に硬い部分ができたり、のう胞(分泌物がたまった袋)ができたりする。乳房の張りや痛み、乳首から分泌物がでることもある。月経前に症状が強くなりますが、月経がはじまると軽減します。

乳腺線維腺腫

線維と線管が増えすぎて、硬いシコリになる病気です。10代~30代に多く見られ、小豆大のしこりのものから、卵大ほどのしこりできます。しこりは比較的かたく、コロコロと動き押しても痛みはありません。

乳がんができやすい部位

乳がんが一番できやすいのは乳房の外側上部で45~50%、次に内側上部で25%前後と、乳腺の多い上方にできやすいことがわかっています。セルフチェックの時は、こうしたことも頭に置いて触るようにしましょう。
乳房のなかにある乳腺は、母乳をつくる小葉と母乳を乳頭まで運ぶ乳管にわかれています。これらの乳腺組織に発生する悪性の腫瘍が、乳がんです。初期のうち自覚症状はほとんどありませんが、知らないでそのまま放置しているとがん細胞が乳腺の外に広がり、リンパ管や血液を通って、やがて全身に広がっていきます。
乳がんにかかりやすい女性の特徴をリスクファクターといいます。40歳以上の人、初産年齢が30歳以上の人(未産を含む)、標準体重を2割以上超えている肥満の人(特に閉経後の肥満)、家族や近親者に乳がんになった人がいる人等のリスクファクターがあります。
乳がんの初期はほとんど痛みがなく、そのため多くはしこりで気づく場合がほとんどでした。しこり以外でも乳頭からの異常分泌(血性・乳白色の分泌物)や乳頭の陥没・変形・ただれがある、手を上げると乳房にへこみや引きつれができる、などがあります。

乳がんにかかるリスクは誰にでもあります

乳がんに関係すると考えられている項目をリスクファクターといいます。ただし、どれかにあてはまれば必ず乳がんにかかるわけではなく、反対に、1つもあてはまらない人でも乳がんにかかる可能性はあります。

最近ではマンモグラフィ検診(乳房X線撮影)をうければ触診では発見できなかった超早期の乳がんを発見できるようになりました。また、乳がんは自分で見つける事ができる数少ないがんであると言われています。乳がんは、早期発見・診断・治療をすれば「治るがん」です。ので、定期的な自己検診、マンモグラフィ検診を心がけましょう。

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