日本人女性の乳がん発症率は、今や9人に1人。特に30~60代の女性にとっては最もかかりやすいがんであり、がん死亡原因のトップでもあります。
もともと先進国の中では乳がん罹患率が低かった日本に、ここ30年で乳がんが増加してきたのは、食生活やライフスタイルの変化が影響していると考えられています。乳がんに関係すると考えられる要因はわかってきたものの、予防については現在のところ有効な手段が見つかっていません。
その一方で、乳がんは早期発見されれば約90%は治る病気だといわれています。つまり、食生活のバランスに気をつけたり、定期的に運動を行うなど健康的なライフスタイルを心がけることも大切ですが、乳がんの予防にとってはそれ以上に、定期的な検診を受けることが大切なのです。
その昔、アメリカに若くして乳がんでなくなった女性がいました。彼女の2人の子供と母親はたいへん嘆き悲しみ、「二度と同じ悲しみを繰り返さないで」という思いから、女性が乳がんを日常的に意識できるよう祈りを込めてピンクリボンを作り広めることで、多くの人々への乳がん早期発見啓発のメッセージを発信したそうです。それ以来、ピンクリボンは広く世界で乳がん撲滅のシンボルマークとされています。
ピンクリボン活動は、このような悲劇が繰り返されないように、乳がんを早期発見し死亡率を減らそう」との願いを込めて乳がん検診受診を人々へ訴えかけるための運動です。
日本でもさまざまな企業・団体がピンクリボン活動に参加、イベントなどを通じて早期発見の大切さをアピールしています。