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October 23, 2020

「新型コロナウイルス迅速遺伝子検出キット」新たに開発中の簡易検出キットが2019-nCoV遺伝子検査法として掲載されました

キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市 社長:瀧口 登志夫 以下、キヤノンメディカル)は、独自の蛍光LAMP法(注1)による「新型コロナウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KIT 以下 基本試薬」(注2)を用い、株式会社島津製作所(本社:京都府京都市 社長:上田輝久、以下、島津)の協力を得て、検体採取から約30分で結果が得られる簡易抽出・検出用試薬キット新型コロナウイルスRNA検出試薬 「LAMPdirect Genelyzer KIT(以下 本試薬)」を開発しています。本試薬を用いた検査が、厚生労働省及び国立感染症研究所による「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査法について(注3)2020年10月23日版において、陰性一致率100%、陽性一致率90%以上として結果が公表されました。

本試薬は、島津の保有するPCR検査用「Ampdirect 2019-nCoV検出キット」の検体処理液を、蛍光LAMPに適用し、専用試薬「LAMPdirect」として供給を受けることにより実現しました。採取した検体をLAMPdirect溶液に添加後、90℃で5分加熱処理するだけで不活化し、核酸を抽出できます。その核酸を基本試薬に添加し、等温増幅蛍光測定装置Genelyzer Fシリーズにて検査をスタートすれば20分で完了、陽性検体であれば10分程で結果が確認できます。従来の代表的な抽出法(公定法による前処理)に比べて抽出時間は半分以下、手順も11ステップから3ステップと大幅に省力化しました。
また、基本試薬は、従来、検査現場でプライマー、逆転写酵素など数種の試薬類を混合する必要がありましたが、今般、試薬類を事前に混合した「プレミックス試薬」を開発、検査現場では1試薬の分注作業だけで準備が整う試薬を実現しました。現場の省力だけでなく、手技ミスやコンタミネーションなどの検査リスクを低減します。
本試薬の性能は、国立大学法人 長崎大学 安田二朗教授らの協力を得て性能評価を実施、基本試薬とほぼ同等であることが確認されたため9月末に厚労省に報告書を提出し、この度結果が公表されました。
本試薬は、厚生労働科学研究費補助金「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」の一環として「検査を、もっと容易に安全に」との検査現場の声に応えるべく、島津とキヤノンメディカル2つの技術を組み合わせて開発しました。
本システムが、空港・埠頭やスポーツ・イベント会場など、現場で迅速な結果が求められるシーンで活用され新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策に貢献することを期待しています。

以上

注1 LAMP法:栄研化学株式会社が開発した核酸増幅法 (Loop-Mediated Isothermal Amplification) 
注2 本システムは、検体から新型コロナウイルス遺伝子を検出するまでに要する時間が、検体の前処理操作(ウイルス遺伝子の抽出)を含めても40分以内と、短時間でウイルスの遺伝子が検出可能です。また、本システムで用いる装置は、軽量かつコンパクトであるとともに操作性も優れており、医療現場や離島等での使用に適しています。
注3 https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-current.pdf


Ampdirect は島津製作所の商標です。
Genelyzer はキヤノンメディカルシステムズ(株)の商標です。