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March 26, 2020

キヤノンメディカルと長崎大学が共同開発した新型コロナウイルス迅速遺伝子検出システムが行政検査として実施可能になりました

キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社︓栃木県大田原市 社長︓瀧口 登志夫 以下、キヤノンメディカル)は、国立大学法人 長崎大学(以下、長崎大)とともに、遺伝子増幅法である蛍光LAMP法(注1)を用いた「新型コロナウイルスRNA検出試薬 Genelyzer KIT」(注2)を開発し、これを用いた迅速遺伝子検出システム(以下、本システム)が、この度、厚生労働省及び国立感染症研究所による「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査法について(注3)2020年3月26日版において、本システムが陰性一致率100%、陽性一致率90%以上として結果が公表されました。このため、厚生労働省の通知(注4)により、本システムを行政検査に使用することが可能となりました。
本システムは、15ウイルスコピー/反応以上の陽性検体は10分程度で100%検出する性能を有し、前処理の時間を入れて検査結果を得るまで最短40分と、従来の遺伝子検査法に比べて迅速な検査を実現します。この特長を活かし、今後、当日検査などが求められる臨床現場や空港などの防疫・水際対策などでの実用化研究(事業名︓厚生労働科学研究費補助金「新興・再興感染症のリスク評価と危機管理機能の実装のための研究」)を進めてまいります。
なお、本システムは、2月に国立感染症研究所からの開発協力要請を受け、長崎大とともに日本医療研究開発機構(AMED)の感染症実用化研究事業に参画して取り組み、厚生労働省ほか関係者の協力による産学官連携の成果で短期間での実用化ができました。
本システムが医療現場等で広く活用されることにより、国内の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大防止に役立つとともに、日本発の迅速検査システムとして世界の感染症対策にも貢献できることを期待しています。

以上

(注1) 栄研化学株式会社が開発した核酸増幅法であるLAMP (Loop-Mediated Isothermal Amplification )法
(注2) 本システムは、患者検体から新型コロナウイルス遺伝子を検出するまでに要する時間が、検体の前処理操作(ウイルス遺伝子の抽出)を含めても40分以内と、短時間でウイルスの遺伝子が検出可能です。また、本システムで用いる装置は、軽量かつコンパクトであるとともに操作性も優れており、医療現場や離島等での使用に適しています。
(注3) https://www.niid.go.jp/niid/images/lab-manual/2019-nCoV-17-20200326.pdf
(注4) 厚生生労働省健康局結核感染症課による令和2 年3 月18 日付事務連絡(新型コロナウイルスに関する行政検査の遺伝子検査方法について)

【キヤノンメディカルシステムズについて】

当社は、疾病の早期診断、早期治療のためCT、MRI、超音波診断装置、X線診断装置などの画像診断装置や体外診断装置、ヘルスケアITソリューションを開発、製造し、世界150以上の国や地域に提供しています。
当社の経営スローガンである「Made for Life」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)のもと、病院経営に貢献し、患者さんに優しい医療システム・サービスをお届けし、これからも変わらず医療に貢献してまいります。

キヤノンメディカルシステムズ株式会社 ホームページ:https://jp.medical.canon/