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October 16, 2002

被検者へのアクセス性を向上させた外科用X線装置 「Clearscope1000」の発売 -本体架台先端部を絞ることにより寝台に接近したポジショニングが可能-

株式会社東芝は、外科手術の際に用いられる手術支援用のX線透視及び撮影装置の新製品として、本体架台部の先端を絞りこみ、角をなくすことにより被検者へのアクセス性を向上させ、高い操作性を可能にした外科用X線装置「Clearscope1000」(クリアスコープ1000)を商品化します。同装置は高画質・低被曝を普及機並の価格で実現しました。国内販売は東芝メディカル株式会社が行い、本日から販売を開始します。

外科用X線装置は、X線管球やI.I.(*1)を支えるC型の支持装置(Cアーム)を持ち、手術中に使用するため自在な動きや操作性が求められています。さらに手術室内での使用のため被曝を抑えた装置が望まれています。

新製品は、本体架台部の先端を絞りこみ、サイド部分を斜めにした形状とすることにより角をなくし、より寝台に接近したポジショニングを可能としました。これにより被検者へのアクセスの自由度を高め、撮影範囲が広がり、スムーズなポジショニングを行うことができます。また、デジタルショットモード機能や高変調度のCCDカメラの採用による画質の向上を図りながら、手術室での使用を考慮し低線量モード機能等による低被曝を実現しています。

新製品の国内販売価格は1千3百万円(*2)からで、 初年度1年間の販売目標は順次販売開始予定の国外市場を含め、200台です。

*1 I.I.・・・ (X線蛍光増倍管)微弱なX線照射により得られる透過像を明るい光学像として出力する大型の真空管装置。通常は得られた光学像をCCDカメラで撮影し信号を出力する。X線像をリアルタイムで観測でき、透視・撮影両用のX線撮影装置として一般に使用されている。

*2 価格は、組み合わせユニットの・バリエーションにより変わります。

開発の背景と狙い

外科用X線装置は、外科手術の際に用いられる手術支援のための装置です。手術中に使用するため自在な動きや操作性が求められています。さらに手術室内での使用のため被曝を抑えた装置が望まれています。
新製品は、このようなニーズに対応し高級機に使用されている技術を採用することと、先進の技術で、高い操作性・高画質・低被曝を実現しながら価格を抑えた、機能バランスとコストパフォーマンスに優れた装置となっています。

先進の機能的線デザイン、フレキシブルな組合せバリエーション、低価格を実現した本新製品を投入することにより、外科用X装置市場におけるさらなるシェアアップを図ります。

新製品の主な特長

1.被検者へのアクセス性が向上
本体架台部の先端を絞り、サイド部分を斜めにした形状とすることにより、狭い空間での移動や、寝台に接近したポジショニングをスムーズに行うことができます。さらに柔和なデザインの採用により、被検者への威圧感を軽減します。

2.Cアーム操作が容易
Cアームの可動部分から伸びていたケーブルをなくすことで、ケーブルが操作を妨げることがなくなります。また、ケーブルのテンションによるCアームのアンバランスをなくし、より安定した動作を実現します。

3.臨床ニーズに対応した豊富な組み合わせバリエーション
搭載するI.I.として6インチと9インチを用意しましたので、さまざまな臨床ニーズへの対応が可能となりました。さらに6インチ搭載システムでは、観察用TVモニターを本体に塔載したシステムも選択できます。

4.8フレーム記録可能なイメージメモリユニット
8フレーム記録可能なイメージメモリユニットを備えているため、希望する画像を8枚記録することができます。

5.ラストイメージホールド(LIH)機能
モニタに表示されている最新の透視像を次の透視・撮影が行われるまでモニタに表示しておくことができるため、確認のための透視が不要となり、被曝線量を低減することができます。

6.低線量モード機能
パルス透視モードでは、透視画質を劣化させずに最大約95%の被曝低減が図れます。また、連続透視においては被曝を約30%低減できるロードーズモードを備えています。

7.デジタルショットモード機能
短時間に高線量のX線を曝射することにより、ノイズの少ない高画質の静止画像が得られます。また、高変調度のCCDカメラと高コントラスト、高解像度のI.I.の採用によりシャープな画像が得られます。

8.高出力高電圧発生装置を搭載
インバータ方式の高電圧発生装置は、管電圧出力110kVと高く、ハイパルス透視モード機能と相まって、厚い被写体でも鮮明な透視画像が得られます。

9.多彩なオプション

  • ビデオプリンタ
    ビデオプリンタを組合せることで、記録したい画像をハードコピーすることができます。
  • レーザガイド
    X線束センターを曝射する前に確認することができるので、位置確認のための透視が不要となり、被曝を低減することができます。
  • キャラクタ表示
    病院名、日付、患者名、性別、患者IDを表示できるため、メモリ画像の判別が容易であると共に、ビデオプリンタ(オプション)にハードコピーした画像の識別が容易に行えます。
  • 光磁気ディスク記録装置
    光磁気ディスク記録装置(MO)を組み合せることで、記録したい画像を記録保存することができます。

新製品の概略仕様

Cアーム及び架台部
(SXT-1000A)
Cアーム上下動(電動)ストローク40cm
Cアーム前後動(手動)ストローク20cm
Cアームスライド(手動)ストローク 115°(90°/25°)
Cアーム回転(手動)ストローク±205°
Cアーム首振り(手動)ストローク±12.5°
X線管
(D-063S)
陽極熱容量40kHU
実効焦点サイズ0.6×0.6mm
X線高電圧装置
(SXT-1000A)
高電圧発生方式高周波インバータ方式
短時間定格40~110kV/1~100mAs
(筑灼碩汐・、焚鋪拿透視時; 40~110kV/max.16mA)
長時間定格40~110kV/0.2~3mA
(パルス透視時; 40~110kV/max.12mA)

以上