October 14, 1997
株式会社東芝は、病院内・病院間(遠隔医療)のネットワークシステム事業を強化するため、医用機器・医用画像システム事業を担当する医用機器事業部と病院事務に関わる情報システムを担当する情報通信・制御システム事業本部内の医用情報システム担当/医用パッケージ担当を、10月1日付けで統合して事業体制を再編し、「医用機器事業部」を「医用機器・システム事業部」と改称しました。
また、同日付けで医用機器・医用画像システムの設計開発を担当する東芝メディカルエンジニアリング株式会社(東芝100%出資)と健診システム・臨床検査システムの設計開発を担当する東芝医用システム株式会社(東芝メディカル株式会社100%出資)を合併し、新たに「東芝医用システムエンジニアリング株式会社」(社長:山岸義雄・資本金230百万円(東芝:65%出資/東芝メディカル35%))を発足させ、東芝医用グループ全体として、病院内・病院間のネットワークシステム事業推進体制を強化しました。
これらにより、東芝グループとして2000年には、国内の医用ネットワークシステム関連事業として、約200億円の売上げを見込んでいます。
東芝グループは、画像診断装置から病院内の情報システムまで病院内・間ネットワークを単独で構築できる国内唯一の企業として、単独事業部に関連事業を集約することにより、総合電機のメリットを最大限に活用し、医療機関のネットワーク化の推進をサポートしていきます。
これまで、医用機器事業部ではCT、MRIなどの画像診断装置や放射線部門の業務支援システムや複数の診断装置をネットワーク化してモニター上で読影・画像保管する医用画像管理システムを中心に事業を展開。一方、情報通信・制御システム事業本部内はオーダリング・システムや病院会計システムなどの病院の運営に関わる情報システムを担当していました。
今回再編された「医用機器システム事業部」では、画像診断装置から画像管理システム、病院情報システムまでを統合的にシステム化・ネットワーク化し、実運用性の高い病院システムを提供していくとともに、到来する高齢化社会を踏まえ遠隔医療システムを確立するための病院間のネットワークシステムの構築にも積極的に取り組みます。
また、「東芝医用システムエンジニアリング株式会社」は、健診システムや臨床検査システム、画像診断装置の開発などを行い、画像診断装置からシステムまで対応できるエンジニアリング会社として、これまで分散していた人的資源を有効に活用することによって、より効率的な開発体制が整い、東芝の医療機関向けシステム構築をサポートしていきます。
病院内の情報システム化は、「画像診断装置間のネットワーク化」と、「病院運営情報・診療情報のシステム化」の二つに、これまで大きく分類されてきました。
「画像診断装置間のネットワーク化」については、画像通信規格(DICOM)が整備され、異なるメーカ間の画像情報の共有化が可能になったこと、1994年3月のいわゆる「電子保存を可とする通知」をはじめ、行政も情報化を推進していることにより、医用画像情報システムを指向する医療機関が増えてきています。
一方、病院事務の簡素化、患者の待ち時間短縮など医療サービスの向上をはかるため、ネットワーク技術、情報処理技術などの情報技術の発達にあわせて、病院運営にかかわる情報システム化も急速に進み、薬管理・受付管理・入院患者管理・経理管理など各部門に様々なコンピューター・システムが導入されてきています。
これまでは、こうした病院内の情報システムは、それぞれ別個のシステムとして構築・運用されてきています。しかし、昨今の医療費抑制政策により医療機関は合理化・効率化がこれまで以上に強く求められる一方で、高齢化社会への進展を背景に病院間連携による遠隔医療の必要性も求められてきています。特に、遠隔医療の実現のためには、病院間のネットワーク化実現の前提として、診断と病院事務運営の情報システムとしての一体化が不可欠となります。
こうした、医療環境を背景として、病院内の情報を統括的に管理するための総合情報システムの必要性が求められており、東芝グループは、これまで2つの事業部で個別に事業を展開してきた両事業を統合することにより、情報システム技術を積極的に医療の現場に応用・導入し、病院内・病院間のネットワーク化に対応していきます。
社 長 | : | 山岸義雄(前・東芝メディカルエンジニアリング(株)社長) |
資本金 | : | 2億3千万円(出資比率:東芝65%/東芝メディカル35%) |
所在地 | : | 東京都北区赤羽2丁目16番4号 電話:03(3598)5615(代) |
事業所 | : | 5か所(栃木県大田原市、同西那須野町など) |
従業員 | : | 457人 |