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April 4, 2005

世界初ガントリー移動スキャン方式PET-CT装置(Aquiduo™)の販売開始  ~高画質・高分解能・高速スキャンと低被ばく撮影を両立し、患者さんに更にやさしい検査を実現~

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田昌生 本社:栃木県大田原市)は、医療施設の診断から治療にわたるあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する、国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。

近年、X線CT装置はもとよりポジトロンCT装置においても技術革新が急激に進み、高解像度の画像が提供されています。しかしながら、CTとPETの画像が高解像度になればなるほど画像間の位置合わせ(フュージョン)が難しくなります。当社は、寝台天板を固定して患者さんの動き、位置ずれを最小限に抑えるために、固定寝台・ガントリー移動スキャン方式を採用したPET-CT装置(「Aquiduo™」(アクイデュオ))の営業活動を開始いたします。「Aquiduo™」は、スキャンを行う際にPET-CT装置のガントリーを移動させるという世界初の機構を装備しています。
これにより、PET装置によって撮影された画像とCT装置によって撮影された画像の物理的なズレを排除し、正確な位置情報の収集が可能になり、癌などの腫瘍の診断において、臨床的に大きな価値が見込まれます。 また、患者さんを乗せる寝台を静止した状態で検査を実施することができるとともに、ガントリーの開口部がCT部:直径72cm、PET部:直径70cmというPET-CT装置としては世界トップクラスの大口径ドームの採用により、患者さんの心理的不安を軽減し、安心して検査を受けていただけます。

「Aquiduo™」は、PET部分に4㎜×4㎜のLSOクリスタルを採用した最新の検出器*1を搭載し、信号処理についても高速化を図ることにより、高画質・高分解能・高速スキャンで機能画像を得ることができ、検査精度の向上と検査時間の短縮を実現できます。
また、CT部には0.5秒スキャン、0.5㎜スライスが可能な16列マルチスライスCTを搭載することにより、高精細な形態画像を得ることができます。さらに低線量撮影用画像フィルタである量子フィルタ、撮影中の管電流を細かく調整することにより、臨床上必要な画質の維持と低被ばくを可能にしました。
なお、「Aquiduo™」は、4月8日から横浜市のパシフィコ横浜で開催される「2005国際医用画像総合展」において展示を予定しております。

東芝メディカルシステムズ株式会社は、お客様のニーズにあった質の高い製品を提供することにより、国内CT市場で20年以上連続トップシェアを続けております。今回、ご好評戴いておりますCT装置のAquilion™16列システムとPET装置を融合させた「Aquiduo™」を市場に投入することにより、PET-CT市場においても東芝製装置をお客様に提供させていただけることとなりました。今後もより一層お客様のニーズにあった質の高い製品を提供し、あらゆるニーズへお応えするトータルソリューションにより、「一度東芝をお選びになったお客様は次も東芝をお選びいただけるよう、何時もお客様と共にいる企業」を目指してまいります。

*1 LSO検出器: Lutetium Oxyorthosilicateの略で、BGO(Bismuth germanate)検出器に比べ、実質的な感度の向上が認められている検出器。

特徴

■高分解能LSO PET

  • PET装置は、ホールボディPET検査には必須の3D収集において高画質な画像が得られるLSOPETの最新装置を採用しました。
  • 高解像度のPET収集に対応した4㎜×4㎜のLSOクリスタルを採用した、高分解能検出器を搭載しています。
  • 検出器から出力される信号を高速サンプリングする信号処理回路の搭載により、同時計数ウィンドウ*2を4.5ナノ秒まで短縮し、画質を劣化させる偶発同時計数の混入をさらに低減しました。

■マルチスライスCT

  • CT装置は、既にご評価を戴いておりますAquilion™16列システムをベースに開発いたしました。
    16スライス同時撮影を実現したAquilion™は、患者さんにより優しい設計となっています。
  • 0.5/1/2㎜スライスを使った全身検査が行えます。
  • 広範囲なアイソトロピック*3、等方性のあるデータを入手することができます。
  • 低線量撮影用画像フィルタである量子フィルタを搭載しています。低線量での撮影でも、画質を維持することが可能です。
  • 撮影中の管電流を細かく調整することにより、最大50%の被ばく低減が図れます。

■ガントリー移動ベース機構
PET撮影及びCT撮影は、ガントリー移動方式を採用しました。

  • 従来のPET撮影・CT撮影は、寝台天板が移動(患者さんが移動)しますが、「Aquiduo™」では寝台天板が静止した状態のまま、PET装置及びCT装置が自走する方式を採用しました。
  • 当社のガントリー移動方式は、IVR-CTシステム等で実績のある技術ですが、本機構の採用により、寝台天板のダレによるPET撮影時とCT撮影時の位置ズレの影響を物理的に排除でき、正確な位置情報を得られることから、臨床的に大きな価値が見込まれます。

■操作性・ワークフロー

  • PET撮影・CT撮影共に、全ての検査に関わる操作は、1つの操作卓でオペレーション可能です。
  • PET撮影・CT撮影を行うための様々なワークフローに対応でき、検査効率の大幅な改善が期待できます。
*2 同時計数ウィンドウ:ポジトロン核種から放出される陽電子が消滅する際、2つのガンマ線を180度反対方向に放出します。PET装置では、この2つのガンマ線を同時に計測することで、体内の機能情報を画像化します。この値を小さくすることで、より精度の高いデータ収集が行なえ、ノイズの少ない明瞭な画像が得られます。
*3 アイソトロピック:「等方性」という意味で、3D画像を作成する時に、使用するデータが、X軸、Y軸、Z軸の各方向ともほぼ同じサイズの立方体として得られること(どの方向にも等質な高い分解能を有するという意味でこの言葉を用いる)。
藤田保健衛生大学 片田教授はマルチスライスシステムが持つべき最も重要な特性として提唱されています。

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販売名価格販売目標(年間)
東芝スキャナ Aquiduo PCA-7000B17億2200万円~30台(国内)

(医療用具承認番号:21700BZZ00161000)

Aquiduo™の主な仕様

販売名:東芝スキャナ Aquiduo PCA-7000B
PETの検出器LSO検出器
クリスタルサイズ4mm×4mm
同時計数ウインドウ4.5n秒
スライス厚(PET)2mm
マルチスライス(CT)16スライス
スキャン時間(CT)0.5秒
スライス厚(CT)(PET-CT使用時)0.5mm、1mm、2mm
低線量用画像フィルタ(CT)量子フィルタ
PET-CT方式ガントリ移動型(寝台および天板は固定)
ドーム径CT部:直径72cm、
PET部:直径70cm
天板幅約47cm

Aquiduo、Aquilionは東芝メディカルシステムズ株式会社の商標です。

以上