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February 9, 2006

天井走行式Cアームの広い動作範囲を、床置き式で実現したX線循環器診断システムを発売 ~従来の床置き式システムでは不可能だったCアームポジションが可能に~

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、そして、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する、国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。
そして、「優れたシステム性能」、「患者さん中心の技術」、「お客様志向のパートナーシップ」を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に貢献させていただいております。

近年、様々な医療器材の発達により、X線透視下で行うカテーテルインターベンション※1は増加の一途をたどっています。また、1台のX線循環器診断システムでありながら心血管の専科装置の役割だけではなく、上肢や下肢にいたる全身対応の多様性が求められております。
当社はそれらのご要望にお応えするべく、従来の床置き式システムには不可能だったCアームポジションを可能とする5軸回転機構を搭載した新型システム「Infinix Celeve ™(インフィニックスセレブ™)-i INFX-8000V」を開発し、2006年1月より販売を開始しました。シングルプレーンシステムおよび2方向同時観察が可能なバイプレーンシステムをラインナップいたします。

INFX-8000Vは、天井走行式システムと比べ設置が比較的容易な床置き式システムでありながら、5軸回転機構を搭載したCアームにより冠動脈疾患及び頭部から下肢までの撮影を可能とし、専科装置の高い機能を保ちながら全身の撮影が可能となります。バイプレーンシステムとして患者さんの頭部付近に完全なフリースペースを生み出すことができる世界初の装置です。また、X線検出器には高画質を可能とする平面検出器(FPD)を搭載。さらに東芝独自の優れたマルチタスク処理により検査時間の短縮を図ることができ、患者さんへの負担を軽減するだけではなく術者・病院経営にとっても高効率な診療を実現することができます。虚血性心疾患の診断治療だけでなく、現在注目を浴びている末梢血管へのインターベンションにも有効にご利用いただけます。

特 長

(1) 従来の床置き式システムには不可能だったCアームポジションが可能

  • 従来までのCアームの主回転、スライド回転、支柱回転の3軸回転機構に加え、床回転、検出器・X線絞り回転の2軸を追加した5軸回転機構を搭載。これにより(図1)のような標準ポジションだけでなく、(図2)のように長手ストローク200cmを実現しました。下肢検査ポジションを容易に得ることができます。
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  • また、上肢からのカテーテル挿入にあわせ、(図3)のように横手にも180cmのストロークを有します。
    img_060209_img03.jpg
  • さらに、バイプレーン装置としては世界で初めて、(図4)のように患者さんの頭部付近に完全なフリースペースを生み出すことが可能です。頭部付近に完全なクリアランスが出来るため、麻酔器などの配置が容易となり、介助者の立ち位置の制限が緩和されるなどの利点が生まれます。(図5)
    img_060209_img04.jpg img_060209_img05.jpg

(2) 東芝独自の優れたマルチタスク処理が高効率な診療を支援

  • 画像処理、計測処理、画像配信、参照画像切り替えなどの様々な処理がX線透視・撮影中に並行して処理可能です。この優れたマルチタスク処理によって検査時間の短縮を図ることができ、患者さんへの負担を軽減するだけではなく、術者にとっても検査・治療を効率的に進めることが出来ます。
  • 豊富なカスタマイズ機能により、ご利用になられる方々に合わせた操作性の向上が図れます。撮影設定プログラムを最大100種類まで登録可能なので、一台の装置でありながら多彩な設定で多目的にご利用いただけます。

(3) 地球環境への配慮

  • 環境調和型製品(環境に配慮した製品)の開発に取り組んでいます。環境負荷が少ない部材の選定や廃棄物削減の徹底など、設計段階から地球温暖化の防止、資源の有効活用、規制物質の削減を目指し、環境負荷の軽減を図っています。

おかげさまで、当社は国内X線装置市場において昨年度(2004年度)約28%のトップシェアを達成いたしました。Infinix Celeve™シリーズにおいても、お客様のニーズに合わせた幅広い機種をラインアップしており、今回の新製品発売によるラインアップの強化によって、トップシェアを堅持し更なるシェア拡大を目指してまいります。

※1)インターベンション:X線透視下でバルーンカテーテルやステント(広げた血管を元に戻さない金属の網状の管)等を利用して、血管に生じた狭窄部の拡張、動脈瘤の塞栓等を外科手術を行わずに治療する方法。

販売名価格(税込)販売目標(年間)
X線循環器診断システム
Infinix Celeve™-i INFX-8000V
3億円~
(オプション構成により異なる)
50台(国内外)

(製造販売認証番号:218ACBZX00001000)

Infinix Celeve™-i INFX-8000Vの主な仕様

アーム正面図床置き式Cアーム
回転範囲:RAO120°/LAO120°
CRA50° /CAU45°
Cアーム支柱回転:±90°
床回転:±135°
長手移動:2000mm
横手移動:1800mm
側面側(オプション)天井走行式Ωアーム
回転範囲:RAO0° /LAO120°
CRA45°/CAU45°
長手移動:バイプレーンアイソセンタより
長手移動:バイプレーンアイソセンタより
頭側2500mm足側
900mm
横手移動:全幅490mm
機能シングルプレーン透視、撮影
バイプレーン透視、撮影(オプション)
X線管陽極熱容量 3,000kHU
カテーテル寝台耐荷重 220kg
Infinix Celeveは東芝メディカルシステムズ株式会社の商標です