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March 26, 2008

64列同時撮影マルチスライスCT Aquilion™ 64の新アプリケーションソフト発売

Aquilion™ 64

東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、64列同時撮影マルチスライスCT Aquilion™ 64の新アプリケーションソフトの発表を行い、この新機能を搭載した64列マルチスライスCTシステム Aquilion™ 64を4月1日より販売いたします。

当社は、64列セグメント検出器を用いたマルチスライスCTを他社に先駆けて市場に導入し、HeartNAVI™、PhaseNAVIなど心臓のCT検査の操作を支援するソフトウェア、被ばく低減に寄与する技術および高画質を提供する技術開発を行い装置に搭載し、医療機関より高い評価を頂き、すでに全世界へ1700台以上(2008年3月現在)を出荷しております。また、第80回米国心臓協会学術集会(AHA(American Heart Association) Scientific Sessions 2007)においては、「当社64列マルチスライスCTを使用したグローバル・マルチセンター・スタディー(CorE64*1)」の評価として、心臓冠動脈狭窄診断における64列マルチスライスCTの高い有用性が報告されております。

開発の背景

これまで様々な心臓CT検査のスキャン法が開発されてきましたが、被ばく低減を実現しながら高画質が得られる技術の開発に関し、臨床の現場からのニーズは大きいものがありました。
これらに応えるべく、さらなる低被ばくで行える心臓CT検査、スキャン時間の短縮化や造影剤量低減を実現しても、臨床的有用性については高画質を維持できるスキャンシステム、その他に冠動脈狭窄の情報やその性状評価の期待やメタボリックシンドロームの診断に寄与する画像処理臨床アプリケーションの開発を続け、今回、商品化し販売活動を開始いたします。

主要機能

◇スキャン機能

  1. 心電同期フラッシュスキャンシステム
    従来、心臓CT検査においては診断で必要な画質は維持しながら、被ばく低減化を行う試みとして、さまざまな被ばく低減スキャンを用いていました。しかしながら、被ばく量は飛躍的に低減するが連続した心位相の撮影が困難、画質の低下、撮影時間の増加、高心拍、不整脈等の受診者への検査が難しいといった問題がありました。「心電同期フラッシュスキャンシステム」は、ヘリカル撮影しながら任意の心位相においてのみX線を照射し心臓を撮影する当社独自の機能です。そして、連続した心拍で撮影可能であり、高心拍・不安定な心拍の受診者にも対応できることが期待されます。この機能により、より多くの受診者に対して、短時間、低被ばくでの心臓CT検査が可能となります。被ばく線量は従来の冠動脈CT検査の最大で1/4程度*2が可能、造影剤量も抑えられ、受診者の負担も低減されます。
  2. バリアブルピッチヘリカルスキャンシステム
    診断に必要な画質を維持したまま、寝台の移動速度を変化させる技術です。例えば、冠動脈撮影の後、天板を止めることなく移動速度を変化させ、連続移動により大動脈の撮影を一連の検査として行えるスキャン法です。通常、天板移動速度は、心臓撮影時は遅く、腹部領域撮影時は早くなります。そのため、これまでは異なる2つの検査として行われており、造影剤量の増加および術者の手間がかかっておりました。当社は、世界で初めて、得られたデータの連続性を良好に保ったまま検査中での速度変化設定が行えるという技術を実現しました。これにより、不要な被ばくを抑えながら、一度の造影においてタイミングを逃すことなく高速に広範囲の撮影ができるようになり、低被ばく、適正な造影剤量、短時間の検査を同時に実現されることにより、急性期における複数の疾患に関する鑑別診断への応用など、受診者への負担低減が期待されます。
  3. 呼吸同期スキャンシステム・呼吸同期再構成システム
    呼気/吸気等の呼吸位相を認識し天板を全検出器幅分移動させるごとに停止させ、任意の呼吸位相のみの撮影を行う方法と、ヘリカルで撮影しながら呼吸位相の情報を同時に収集し任意の呼吸位相のデータから画像再構成を行う方法があり、症例や受診者の状態に応じて選択が可能です。呼吸停止が困難な症例を持つ受診者や小児においても、画像ぶれの少ない画像が得られます。

◇画像処理臨床アプリケーション

  1. カルシウムスコアリング
    冠動脈石灰化領域をカルシウムスコアリングアルゴリズムで算出して、経過的評価を行うことにより、石灰化領域のスコアの変動を観察することができます。
  2. プラークビュー™ソフト
    冠動脈プラークの性状を画像上で観察することができます。プラークのCT値の違いを色の違いで表現することができます。プラークの観察により突発的に起こりうる虚血性心疾患のリスクの把握が期待できます。また、ワークステーションに画像転送することなく、CT装置のコンソールで作業可能なため、検査効率の向上も図れます。
  3. 体脂肪面積計測ソフトウェア
    腹部単純撮影画像1スライスを用いて、皮下及び内臓脂肪の状態を計測できるため、低被ばく、短時間で検査を実施できます。また、一般の腹部単純撮影データからの抜粋による検査も可能で、不要な被ばくなしで検査することも可能です。CTによる腹腔内脂肪量測定は、メタボリックシンドローム診断基準検討委員会*3からも推奨されています。

なお、本アプリケーションソフトウェアは、4月4日(金)~6日(日)にパシフィコ横浜にて開催されるITEM2008(2008国際医用画像総合展(第67回日本医学放射線学会総会・第64回日本放射線技術学会総会学術大会・日本医学物理学会と同時開催))にて展示いたします。


*1:CorE64:心臓冠動脈の狭窄度診断に関して、64列マルチスライスCT装置Aquilion™ 64による検査と、従来のX線循環器診断システムによるカテーテル検査との比較研究を、世界7か国9サイトの先進医療機関が参加して実施する国際的な多施設臨床研究。第80回米国心臓病学会議において、64列マルチスライスCT装置の冠動脈画像における診断は従来の心臓カテーテル検査と同様、冠動脈疾患が疑われる患者において、冠動脈有意狭窄の存在の評価、並びに血行再建術(PCIやバイパス手術)の必要性を評価するために有用であると示唆される結果が示された。64列CTによる大規模な多施設臨床研究の報告は世界初。

*2:連続照射によるごく一般的な冠動脈CT検査に比べて1/4程度の被ばく低減(当社比)

*3:メタボリックシンドローム診断基準検討委員会:日本人のエビデンスに基いたメタボリックシンドロームの診断基準設定のために日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓病学会、日本血栓止血学会、日本内科学会が合同で2004年に発足させた委員会。


東芝メディカルシステムズ株式会社は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に役立つよう、一層の活動を進めてまいります。

販売名、一般的名称、製造販売認証番号

販売名一般的名称
全身用X線CT診断装置 東芝スキャナAquilion TSX-101A

製造販売認証番号: 第21000BZZ00377000号

※Aquilion、HeartNAVI、プラークビュー、Made for Lifeは東芝メディカルシステムズ株式会社の商標です。

本資料に関するお問合せ先

東芝メディカルシステムズ株式会社  本社広報室 TEL:0287(26)6775
東京本社広報室 TEL:03(3818)2040

新製品に関するお問合せ先

東芝メディカルシステムズ株式会社  CT事業部 TEL:03(3818)2090

以上