March 24, 2022
キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市、代表取締役社長:瀧口 登志夫)は、CT検査をサポートする先進の自動化技術と、ディープラーニングを用いて設計された画像再構成技術を搭載した、新世代80列マルチスライスCT Aquilion Serve(アクイリオン サーブ)の国内販売を2022年4月1日より開始します。
医療現場には、さまざまな疾患を持った患者さんがいらっしゃいます。こうした患者さんに対応するための検査環境が常に一定ではない中、検査結果には一貫した信頼性と正確性が求められます。Aquilion Serveは、CTの検査ごとに異なるワークフローの一部を自動化し、デザインを一新したユーザーインターフェースにより、シンプルな操作で再現性の高い安定したCT検査を行うことが可能です。患者さんに安心できる検査を提供し、先生へ迅速に高品質な画像をお届けすることで、より良い医療の提供に貢献します。
製品の特長
1)CT検査をサポートする先進の自動化技術
CT装置の高性能化が進む一方で、CT検査に求められる検査内容も多様化しており、安定した検査を提供するためには目的に応じた適切なオペレーションが必要になります。Aquilion Serveは、CT検査の一連の流れである「ポジショニング」~「スキャン計画」~「画像表示」の中で自動化技術を採用し、多様なCT検査をサポートします。ガントリに内蔵したキヤノン製の2台のカメラ映像を基に、患者さんの体位を検出することで撮影開始位置を自動で算出し簡便に素早くポジショニングが行えます。ポジショニング時の患者さんとの接触時間が短縮され、感染症対策にも寄与するものと考えます。さらに、新たなUXデザインを取り入れ、シンプルで直感的な操作性を実現するコンソールシステムとしました。大幅に線量を抑えて撮影した画像から最適な撮影範囲を自動で設定する機能や、画像表示の自動レイアウト機能により、スムーズで短時間かつ安定したCT検査を提供します。
2)ディープラーニングを用いて設計された画像再構成技術
Advanced intelligent Clear-IQ Engine - integrated(AiCE-i)(注1)は、AI技術であるディープラーニングを用いて設計されたノイズ成分とシグナル成分を識別する処理で、分解能を維持したままノイズを選択的に除去する再構成技術です。MBIR (Forward projected model-based Iterative Reconstruction SoluTion:FIRST)の高品質なデータをディープコンボリューションニューラルネットワーク(DCNN)の学習に用い(注1)、装置が持つ分解能をより引き出しながら、高いノイズ低減効果を実現しました。AiCE-iを搭載することで、CT検査における被ばく線量の低減と高品質画像の提供に貢献します。
3)多様な検査に対応できる高いコストパフォーマンス
新たに開発した陽極熱容量5MHUのX線管球は、高い耐G性能により0.35秒/回転(注2)のスキャンが可能です。短時間撮影が求められる救急の現場や、高い時間分解能が求められる心臓CT検査(注2)においても有効で、この1台でさまざまな検査に対応します。日常的に行う撮影から緊急時の撮影まで、オールラウンドに検査が行えるため、高いコストパフォーマンスを発揮します。
なお、本製品は、2022年4月15日~4月17日に開催される、2022国際医用画像総合展(ITEM2022)において、キヤノンメディカルシステムズ(株)のブースにて展示します。
一般的名称 | 販売名 | 製造販売認証番号 |
全身用X線CT診断装置 | CTスキャナ Aquilion Serve TSX-307A | 304ACBZX00001000 |