脳神経外科・脳外科ってどんなところ?

1.どんなときに受診しますか

脳神経外科は、脳外科とも呼ばれ、脳・脊髄・神経を専門に診断/治療する診療科です。脳卒中などの脳血管障害、頭部外傷、脳腫瘍などの診察・手術を行います。
脳の病気というと恐ろしい印象のある病名がならび、とても大変な事態になった時に掛かる印象でしょうか。実際には、とても日常的な症状やできごと、気付きが診察のきっかけとなります。
例えば頭痛、吐き気、転んで頭をぶつけてしまった、なんだが喋りづらい気がする、家族が話していることが聞き取りづらい、などなど、ふとした日常のなかで起こりうることです。
目に見える出血がないと大事ではないと思ってしまうかもしれませんが、脳内の傷が原因であとから症状が出たり、時には命に関わることもありえます。
まずはきちんと検査をしましょう。
一人で不安を抱えたり悩んだりせず、まずしっかりと専門医に診察してもらうことが大切です。

2.どんな治療を行いますか

検査の結果によって、薬の治療や放射線治療、手術などを行います。

脳神経外科の手術は、主に直接頭蓋骨を開ける開頭術と血管内に細いチューブ(カテーテル)を通して各種の治療手技を行う脳血管内手術(カテーテル治療)に分けられます。
例えば脳動脈瘤の手術では、開頭術で動脈瘤に金属のクリップをかけるクリッピングの手術と、カテーテル治療で動脈瘤に特殊なコイルを詰める血管内手術があります。
脳腫瘍を摘出する場合は開頭術を行います。正常な脳や血管に傷をつけないように、肉眼ではなく特殊な手術顕微鏡を使用し慎重に進めて行きます。また、脳の機能を温存するため覚醒した状態で患者さんの症状を確認しながら手術を進める場合もあります(覚醒下手術;アウェイクサージェリー)。
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一方で、脳の血管が血栓・塞栓などで急に詰まってしまった場合、まずは点滴で血栓を溶解する治療を行いますが、血栓の溶解の仕方や詰まった場所によっては、カテーテル治療を行うことも増えてきています(機械的血栓回収療法)。また、細くなってしまった血管を広げるためのカテーテル治療(経皮的血管拡張術)もあります。

症状によっては脳神経内科*や他の診療科の先生とチームになって、治療にあたることもあります。

*脳神経内科とは
体を動かす、考える、覚えるなどなど、脳や神経による働きが上手く機能しないなどの障害が出た際に、手術を必要としない頭痛・脳炎・髄膜炎・てんかんなどの、診断治療を行います。前述した脳血管内治療についても脳神経内科が実施する施設もあります。
監修:齊藤 邦昭 先生
杏林大学医学部付属病院 脳神経外科
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