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May 17, 2018

平成30年度全国発明表彰「文部科学大臣賞」を受賞

キヤノンメディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市 社長:瀧口たきぐち登志夫としお)は公益社団法人発明協会が主催する平成30年度全国発明表彰において、「2つの基本波の差周波と第2高調波を利用する超音波診断装置の発明(特許第4557573号)」で「文部科学大臣賞」および「発明実施功績賞」を受賞しました。


超音波診断装置は超音波を体表に当てて、組織からの反射を受信し、リアルタイムに映像化する装置です。体の負担が少なく、腹部、循環器、表在、血管、産婦人科、整形外科など、幅広い臨床領域で使用されており、技術の進歩とともにさらなる臨床応用が期待されています。

本発明は、従来は映像化できなかった深部の組織を高解像度で映像化する技術で、超音波診断装置の基本性能を飛躍的に向上させることができました。本発明により病変の早期発見が可能となると共に、胃や腸などの消化管や筋肉・腱の高解像度の映像化により、新たな診断を確立しました。キヤノン製超音波診断装置のラインアップには「D-THI(Differential Tissue Harmonic Imaging)」として本技術を搭載しています。さらに、本技術は多くの他社の超音波装置にも搭載され、日常診療に不可欠な基本性能となっており、より確実な診断をサポートしています。

当社はこれからも尊い命に貢献するため最新の医療システムを提供していきます。

1. 受賞および受賞者

文部科学大臣賞キヤノンメディカルシステムズ(株)超音波事業部 川岸かわぎし哲也てつや
キヤノンメディカルシステムズ(株)超音波事業部 今村いまむら智久ともひさ
元東芝メディカルシステムズ(株)超音波事業部 神山かみやま直久なおひさ
発明実施功績賞キヤノンメディカルシステムズ(株)代表取締役社長 瀧口 登志夫


2. 受賞技術について

背景:従来、消化管や筋肉・腱は、触診等で検査されることが多く、より客観的な診断が期待されていました。超音波診断装置では、体内組織を映像化するために、超音波が体内を伝搬する際に組織から発生する第2高調波を検出して映像化する技術が一般的でした。しかし、第2高調波は高周波であり、周波数帯域が狭かったため、体表から離れた深部組織を映像化できず、得られた映像も解像度が低いという問題がありました。

発明技術:周波数が異なる複数の基本波を同時に送信し、基本波が体内を伝播する際に組織から発生する差周波を、第2高調波と効果的に干渉させます(図1)。これにより、映像化する超音波の周波数帯域が低周波数側に広がったため、深部組織の映像化が可能になり、映像の解像度が向上しました(図2)。また、差周波と第2高調波の周波数分布が打ち消し合わないよう、送信する基本波の周波数と位相を制御して感度を高めました。


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図1 本発明の原理


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図2 従来技術と本発明の超音波画像


3. 全国発明表彰について
全国発明表彰は、大正8年の第1回帝国発明表彰にはじまり、優れた発明を完成した者、実施化に尽力した者、発明の指導・奨励・育成に貢献した者を顕彰することにより発明の奨励・育成を図り、我が国科学技術の向上と産業の振興に寄与することを目的としています。





 以上

【キヤノンメディカルシステムズについて】
当社は、2016年12月より、キヤノングループの一員となり、2018年1月4日に社名を「キヤノンメディカルシステムズ株式会社」に変更しました。疾病の早期診断、早期治療のためCT、MRI、超音波診断装置、X線診断装置などの画像診断装置や検査機器、ヘルスケアITソリューションを開発、製造し、世界140カ国以上に提供しています。当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)のもと、病院経営に貢献し、患者さんに優しい医療システム・サービスをお届けし、これからも変わらず医療に貢献してまいります。
キヤノンメディカルシステムズ株式会社 ホームページ:https://jp.medical.canon/ 

【地球環境への取り組み】
当社は、より良い地球環境の実現のため、開発、調達、製造、販売、サービス、廃棄段階まで一貫して環境への影響に配慮した医療機器・システムを提供しています。地球温暖化防止をはじめとし、医療放射線被ばくの低減、資源有効活用、化学物質の管理など推進し、地球との共生や豊かな価値の創造のために環境保全に取り組みます。
キヤノンメディカルシステムズ株式会社 環境活動:https://jp.medical.canon/about/environment 

Made for Life はキヤノンメディカルシステムズ株式会社の商標です。