March 5, 2012
当社は2012 年2 月25 日(土)、福岡県福岡市福岡銀行大ホールにて、「Global Standard CT Seminar in Kyushu」を開催しましたので、ご報告いたします。
本セミナーは、東芝から全国のお客様へ日頃の感謝をお伝えするとともに、技術情報の交換を目的としており、昨年10 月東京で開催されたものに続いて2 回目です。
冒頭、社長の綱川 智より、CT 累計生産台数27,000 台達成への感謝の意と、国内CT シェアトップメーカーの責務として、被ばく低減へのさらなる努力を続けることが宣言されました。続いて、東芝のすべてのCT に標準搭載されてゆく低線量撮影技術「AIDR 3D」の開発について、CT 開発部 谷口 彰より、国内の先生方と共に進めてきた開発の歴史と、最新技術が紹介されました。
続いて、九州大学大学院医学研究科 臨床放射線科学教室 教授 本田 浩先生を座長に、滋賀医科大学病院 放射線部 牛尾哲敏先生、藤田保健衛生大学 医学部放射線医学教室 教授 片田和広先生より、AIDR 3D が搭載されたAquilion ONE™ の臨床的有用性をご説明いただきました。概要は以下のとおり。
特別講演
座長:本田浩先生(九州大学大学院医学研究科 臨床放射線科学教室 教授)
講演1 | 「AIDR 3D でCT 画像はここまで良くなる」 |
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演者 | 牛尾哲敏先生(滋賀医科大学病院 放射線部) |
主旨 | 豊富な臨床画像やファントム実験のデータを用いて、
AIDR 3D の使用経験をご講演いただいた。 |
「胸部領域では、ストリークアーチファクトの低減効果が大きく、ハイコントラスト領域でより線量低減が可能である。156cm、82kg の大柄な患者様を撮影した際、従来の再構成ではノイズに埋もれて見えなかった淡いGGO がAIDR 3D の適用により診断可能となった。 小児や心臓領域では、AIDR 3D をハーフ再構成や小焦点撮影と組み合わせることで、分解能の向上やさらなる被ばく低減が可能となる。
AIDR 3D はノイズとストリークアーチファクト低減に有用であり、4 種の強度選択が可能。スキャン連動やスキャン後処理も可能である。
AIDR 3D は動態やPerfusion 検査の低線量化を実現し、期待が持てる技術である。」
講演2 | 「320 列ADCT -なぜ面検出器CT なのか?」 |
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演者 | 片田和広先生(藤田保健衛生大学 医学部放射線医学教室 教授) |
主旨 | 面検出器の必要性、次世代CT に期待されることなどご講演いただいた。 |
「ヘリカルスキャンにおける問題点は、1 つの臓器を1 度に撮れない、上と下で時相が異なるデジカメのようなもの。
Aquilion ONE は海外でも評価が高く、誕生後5 年経った現在でも他社が達成できていない、様々な高度な技術が搭載されている。更にAquilion ONE は今もまだ改良を続けており、誕生当時と比べ、もはや別物と言えるほど進化している。
動きを止めることのできない胎児や小児など、鎮静せずに診断ができることが重要である。脳の穿通枝の描出や皮髄のコントラストについては3 テスラのMRI 相当であり、これらの画像がわずか0.75s で得られる。心臓領域では息止め時間の低減と不整脈への対応が格段に向上しているが、一方で回転速度のさらなる向上が期待される。
動態撮影においては、サブトラクション精度の向上により、Whole Brain Perfusion では動脈瘤の拍動の描出が可能に、また使用造影剤量わずか20ml で肺動静脈を分離した画像も描出できた。その他、肺腫瘍の動態撮影による癒着評価や、初の耳管の開閉の描出、嚥下動態と声帯の開閉の描出など、従来のCT では撮影不可能かつ臨床的意義の高い画像の描出をAquilion ONE が可能とした。
逐次近似再構成を応用してより正確なノイズ低減を図っているのがAIDR 3D であり、劇的な被ばく低減により、動態機能検査を可能とする逐次近似再構成法は面検出器CT のための技術である。更なる画質改善に期待を込めて、『CT 革命はまだ夜明け前である』としたい。」
【東芝メディカルシステムズについて】
東芝メディカルシステムズ株式会社は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。
当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に役立つよう、一層の活動を進めてまいります。
東芝メディカルシステムズ(株)ホームページ:http://www.toshiba-medical.co.jp/
【地球環境への取り組み】
東芝グループの一員である当社は、「地球内企業」としてより良い地球環境の実現のため、開発、調達、製造、販売、サービス、廃棄段階まで一貫して環境への影響に配慮した医療機器・システムの提供を通じて地球温暖化防止をはじめとし、資源有効活用、化学物質管理を通した地球との共生や豊かな価値の創造のために取り組みます。
東芝メディカルシステムズ(株)環境活動:http://www.toshiba-medical.co.jp/tmd/company/env/
(株)東芝環境活動:http://www.toshiba.co.jp/env/jp/index_j.htm
※Made for Life、Aquilion ONE は東芝メディカルシステムズの商標です。