November 27, 2007
東芝メディカルシステムズ株式会社(社長:桂田 昌生 本社:栃木県大田原市)は、11月25日から米国シカゴで開催されているRSNA2007(北米放射線学会)にて、1回転で最大16cmの範囲を0.5mmスライス厚で撮影可能なX線CT装置「Aquilion ONE™(アクイリオン ワン)」を展示・発表いたしました。脳や心臓を1回転で捉え、また、四次元データの収集が可能となります。これまでのCTでは困難であった、形態と機能診断に必要なデータを広範囲に短時間で収集することを可能にする新しい概念のCTです。
1. 本装置の特徴
(1) 一回転で心臓や脳の上端から下端まで撮影可能で、ひとつの3Dボリュームデータを同じ位相で撮影することができます。心臓のような動く臓器の場合でも、スライス間にズレが生じる可能性はありません。
(2) 3Dボリュームデータは、タイムラグのあるスライスをつなぎ合わせたものとは異なり、広範囲をタイムラグなしで撮影したボリュームデータです。これを時系列に並べた動的解析により、臓器全体の機能診断が可能となります。
(3) 検査による被ばくを低減、心臓検査では約1/4に低減可能です。
(4) 撮影時間が短縮できるため、造影剤の低減が可能です。
2. 期待される臨床適用
(1) 臓器を広範囲にダイナミック撮影することにより、三次元の情報に時間の情報を加えた四次元情報を提供できるようになり、形態診断に加え機能診断を行うことが可能となります。内臓の動的解析情報の他、整形外科の分野でも関節の動き等の動態情報が得られます。
(2) 脳梗塞や心筋梗塞という人命に関わる重大疾患の検査の際、従来の画像診断機器では、複数の診断機器による検査が必要なケースがあり、トータルで数時間を要する場合もありました。「Aquilion ONE™」は、ひとつの装置で診断に必要な形態と機能の検査情報を収集可能とし、検査時間の短縮を実現、一刻を争う救急救命に貢献いたします。
(3) 従来の64列CTでは、心臓を1回転で撮影することができないため、ヘリカルCT(らせん状CT)により5秒から10秒掛けて撮影していました。「Aquiion ONE™」は、最短では1回転で撮影することが可能です。この場合には、従来の64列CTの約1/4の被ばく量で撮影することが可能となり、患者さんへの負担を低減します。
(4) 1回転撮影のスピードは0.35秒で最大16cmの範囲を0.5mmスライス厚でカバー可能です。東芝独自の「造影剤の濃度が最適になったタイミングで撮影する機能」との組み合わせで、より少ない造影剤での検査が可能となり、患者さんへの負担を低減します
「Aquilion ONE™」は、本年10月に世界で最初に藤田保健衛生大学において臨床が開始され、現在、米国Johns Hopkins(ジョンズ ホプキンス)大学、Harvard Medical School(Brigham & Women's Hospital)(ハーバード メディカル スクール(ブリガム アンド ウィメンズ ホスピタル))、ドイツベルリンHumboldt(フンボルト)大学 Charite(シャリティ)、カナダUHN(University Health Network(ユニバーシティ ヘルス ネットワーク))などの施設においても、臨床での評価を実施していただいております。これらの施設での評価を行った後、2008年夏以降の発売を計画しています。
東芝メディカルシステムズ株式会社は、疾病の早期発見のためのスクリーニング、診断から治療、治療後のフォローアップまで、医療施設におけるワークフロー全般に関するあらゆるニーズへのトータルソリューションを提供する国内市場における画像診断システムのトップメーカーです。当社の経営スローガンである「Made for Life™」(患者さんのために、あなたのために、そしてともに歩むために)を通じ、かけがえのない命とお客様の成長・成功に役立つよう、一層の活動を進めてまいります。
東芝スキャナAquilion ONE TSX-301A 製造販売認証番号:219ACBZX00029000
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