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September 4, 2017

牛白血病ウイルス遺伝子検出技術開発に向けた共同研究開始について

東芝メディカルシステムズ株式会社(本社:栃木県大田原市 社長:瀧口 登志夫 以下、東芝メディカル)と栃木県県央家畜保健衛生所(栃木県宇都宮市 所長:芝田 周平)は、牛白血病ウイルス遺伝子を迅速に検出できる技術開発のため、本年8月22日、共同研究契約を締結し、実証試験を開始します。
本研究内容については本年9月7日から11日、宮城県仙台市「夢メッセみやぎ」で開催される第11回全国和牛能力共進会宮城大会にて概要をパネル紹介する予定です。

牛白血病ウイルス(bovine leukemia virus。以下、BLV)により引き起こされる地方病性牛白血病(注1)(以下、本病)は、近年、我が国での発生が急増しており、2016年には発生届出が義務化された1998年と比較して約32倍まで増加しています(注2)。 本病は、現在有効な治療法およびワクチンは無く、と畜場において全身性の腫瘍が確認されると全廃棄処分となるため、農家にとって大きな経済損失になっています。 感染拡大の防止には、感染牛を早期に発見し分離飼育することが重要ですが、現行の検査法は検査時間が約2~6時間と長く煩雑で、感染牛の見極めに時間を要しています。簡便、迅速でかつ高感度に検出できる遺伝子検査法の開発が期待されています。

こうしたなかで、牛疾病等の遺伝子検査法実用化実績のある東芝メディカルと、本病対策の推進を図る生乳生産量が本州第1位の栃木県が連携し、BLV遺伝子を迅速に検出できる検査法の実用化に向けた共同研究契約を締結し、開発を進めることとなりました。

共同研究契約について
(1)研究題目
蛍光LAMP法を活用した家畜感染症検査法の開発
(2)研究目的
迅速かつ簡便な牛白血病遺伝子検査法の早期実用化を図る
(3)研究期間
2017年8月から2018年3月まで

(注1)牛白血病は、その病型から地方病性白血病と散発性牛白血病に大別されます。地方病性白血病の原因は牛白血病ウイルス感染により引き起こされますが、発病率は数%と言われています。散発性牛白血病の発生原因は不明です。
(注2)農林水産省「監視伝染病発生状況の累年比較」データより