人権尊重

キヤノンメディカルシステムズグループは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を基準とし、従業員やビジネスパートナーなどを含む、事業活動に関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重します。

人権に関する方針

キヤノングループの人権方針は、企業理念である「共生」に基づいています。この理念は、すべての人々が調和して生活し、協力して豊かな社会に貢献できるという信念を支えています。人権の尊重と保護は、キヤノンのすべてのポリシーと手順に深く根ざしています。 私たちは、児童労働の禁止、強制労働と不当な移動制限の禁止、過重労働の禁止、平等な権利の尊重など、国際的に認められた人権を尊重します。

行動基準

キヤノングループは、役員と従業員が日常業務で従うべき基準を確立するために、2017年にキヤノングループ行動規範を作成しました。キヤノンメディカルシステムズも独自の行動基準を策定しています。これらのルールブックは、私たちの日常業務の基盤を支え、生命、安全、コンプライアンスを最優先に考えています。
キヤノンメディカルシステムズグループでは、人権イニシアチブは、独自の人権担当部門によって管理および推進されています。

通報制度

キヤノンメディカルシステムズは、特定の人権問題が発生した場合に従業員が報告できる社内通報ホットライン(リスクホットライン)を設置しています。また、イントラネットや研修を通じて、通報窓口の認知度を高めています。さらに、当社の関係者が調達等の取引と関連して法令、キヤノンメディカルシステムズ行動基準、キヤノンメディカルシステムズの調達方針、取引契約、企業倫理等に違反(コンプライアンス違反)した場合、またはその疑いがある場合、その旨をお知らせいただくことで、自らそのような状態を正そうという目的でウェブサイト(クリーンパートナーライン)を開発しています。 内部告発者のプライバシーと匿名性は社内外を問わず保護され、報告内容は調査のうえ事実が確定され次第、必要に応じて問題を是正し再発防止に向けた適切な措置が講じられます。 懸念事項への対応の取り組みの結果は、毎年評価され、リスク・コンプライアンス委員会を通じてCEOと取締役会に報告されます。

継続的なコンプライアンスの担保

当社グループは、「キヤノングループ人権方針」で表明した内容の遵守状況について、継続的にモニタリングするとともに、人権デューデリジェンスについては、継続的に特定・評価手法を改善し、定期的にグループ全体で改善していきます。また、社会的な要請やステークホルダーとの対話、キヤノンの事業状況に応じて、人権への取り組み内容は適宜見直しを行っていきます。

強制労働及び児童労働について

国内外のサプライチェーンにおいて「強制労働」および「児童労働」のリスクについて問題のないことを確認し、現代奴隷法に基づき、ステートメントを公表しています。

調達方針 及び奴隷労働・人身取引に関する声明

ダイバーシティ&インクルージョン

キヤノングループは、「共生」の理念のもと、多様な個性や価値観を持つ従業員一人ひとりが、機会を制限されることなく、その能力を最大限発揮できることが重要だと考えています。この考えのもと、文化、習慣、言語、民族などの多様性を尊重し、性別、年齢、障がいの有無などにかかわらず、公正な人材採用・活用を積極的に推進しています。

働く女性の支援

キヤノンメディカルシステムズカナダは、カナダインターベンショナル放射線学会 (CAIR) の「Women in IR」プログラムに協賛しています。
現在、カナダのインターベンショナル放射線科医では、女性は10 人のうち、1 人しかいません。そこでCAIR のメンバーは、キヤノンの支援を受けながら、意識啓発、教育、プロモーションを通じてこの状況を変える取り組みを行っています。
2023 年の「Women in IR」プログラムには、ウェビナーと懇親会が行われ、キヤノンからはX線/血管撮影装置ビジネスユニットマネージャー、タラ・アトリーが出席しました。
 
5 月の CAIR 年次総会後の懇親会では、女性会員と会員になる可能性のある出席者が集まり、放射線に携わる専門的な仕事ついて学び、意見交換を行うなど貴重な機会を得ることができました。
6 月に開催された「Women in IR」ウェビナーでは、カナダ人女性医師による自身の体験を交えた講演に加え、5人の講演者が、学生やインターンを含む41人の出席者に向けて励ましの言葉を贈りつつ、現実的な課題についても話しをされました。また、この専門分野で女性が活躍するところを見たいと熱望しているタラも、プログラムやキヤノンのスポンサーシップについて語る機会を得てCAIRの活動を支援しました。

タラ・アトリー(写真 左)

「Canon Medical Systems Women's Network」の推進

キヤノンメディカルシステムズグループは、性別を問わず能力に応じて平等な機会を提供し、公正な処遇を確保しています。日本では、女性活躍推進法に基づき、関連する法的ツールを活用した行動計画を継続的に策定しており、2023年には、女性同士のロールモデルの共有やネットワーク構築を通じて、包括的かつ多様性のある組織文化の実現を目指し、「Canon Medical Systems Women's Network」を立ち上げました。そして2024年には、このネットワークはグローバルチームへと発展しました。

障がい者の雇用

当社グループは、多様性を促進し、あらゆる背景を持つ人々が受け入れられる環境づくりに積極的に取り組んでいます。その一環として、屋内水耕栽培野菜農場と提携し、障がいのある人々に雇用の機会を提供しています。
2023年、この農場では農場長2名と、知的または精神障がいのある6名を雇用しました。農場長は、従業員をサポートするための環境づくりに努め、従業員が行える業務の幅を広げることを目指しています。
農場で収穫された作物は、キヤノンメディカルシステムズ本社近くにある「子ども食堂」に寄付され、子どもたちやその保護者、地域住民に無料または安価な食事を提供しています。
従業員全員が一緒に働くことを楽しみ、収穫にやりがいを感じ、「子ども食堂」に貢献できることを喜んでいます。

労働安全衛生

キヤノンは、「安全なくして経営なし」の考え方のもと、安全衛生を企業経営の基盤として位置づけています。また、「良い仕事をするためには、健康な身体と健全な心が大切」という行動指針の「健康第一主義」に基づき、積極的な健康経営を推進しています。
キヤノンメディカルシステムズは、中央安全衛生委員会を設置し、安全衛生に関する活動方針・計画を策定し、労働災害の防止、個々人の健康の保持・増進、交通安全、防火防災、快適な職場づくりに役立つ取り組みを推進しています。さらに、キヤノンメディカルシステムズおよび日本のグループ会社は、各拠点にて毎月1回、安全衛生委員会を開催し、労使一体となって、誰もが安心して働ける職場環境の整備・維持に努めています。海外では、生産拠点を中心に、各地域・グループ会社の状況を踏まえた基準・マネジメントシステムを整備し、日々の安全衛生活動を推進しています。

キヤノンメディカルシステムズグループの労働安全衛生管理

当社グループは、国際規格であるISO45001の認証を取得し、労働安全衛生マネジメントシステムの要求事項に基づいた安全衛生活動を行っています。

ISO 45001認証を取得している企業の数 5 社
・キヤノンメディカルシステムズ株式会社
・キヤノンメディカルシステムズ アジア
・キヤノンメディカルシステムズ ANZ
・キヤノンメディカルシステムズ UK
・オレアメディカル

事故・災害防止

万一、労働災害が発生した場合には、原因究明を行い、教育や設備の両面から再発防止策を講じます。また、事故情報は速やかに他事業所、グループ会社に共有が図られ、類似の事故・災害の再発防止に努めます。

メンタルヘルス

キヤノンメディカルシステムズでは、4つのケア(セルフケア、管理者によるケア、産業保健スタッフによるケア、外部機関によるケア)と心の健康を組み合わせたプログラムを展開しています。メンタルヘルス不調の予防を目的として実施するセルフケア研修のほか、日頃のストレス度を認識するためのストレスチェックを実施(2023年受診率は96.3%と高い水準を維持)しています。また、ストレスレベルが高い従業員には、産業医をはじめとする保健スタッフとの面談、健康相談など個別サポートを実施しています。さらに、部門ごとに集計された健康状態を示すレポートを配布しています。これにより、部門内従業員の健康状態が診断され、管理者を中心にケアできる体制を整備しています。その他、欠勤者・休職者が復帰に向け通勤訓練を行う、復職支援プログラムなどサポート体制を整備しています。
海外赴任者に対しても、国内同様にストレスチェックとフォローアップを実施し、現地の人事担当者と連携してメンタルヘルス対策に取り組んでいます。

ステークホルダーと共に

OECDの「責任ある企業行動のためのOECDデューデリジェンスガイダンス」では、企業がステークホルダーと関わり、自社の活動が及ぼす実際または潜在的な悪影響を特定することの重要性が強調されています。
キヤノンメディカルシステムズグループは、「Made for Life」という経営スローガンを掲げ、医療の発展に貢献することを目指しています。当社グループの活動は、さまざまなステークホルダーとの関係を基盤としており、考えを伝え、声に耳を傾け、対話を通じて相互理解を深めることが不可欠です。
この実現に向け、世界中のグループ会社の関連部門が窓口となり、ステークホルダーとの緊密なコミュニケーションに努めています。ステークホルダーからのご意見やご要望はグループ各社のWebサイトに設置された「お問い合わせ」に寄せられ、関連部門にて課題を特定し、地域ごとのニーズに応じて適切な対応が行われます。
また、重要なグローバル経営課題については、グループ全体で共有し、効果的な解決に向けて尽力していきます。

社会文化支援活動

コミュニティ活動

トルコ・シリア地震で発生した被害に対する支援について

キヤノングループは、被災地および被災者の方々への支援を目的として、日本赤十字社やトルコ赤新月社などの団体へ、10万ユーロ(約1,400万円)の寄付を実施することを決定しました。加えて、被災された方々の医療支援のために、Canon Medical Systems Europe B.V.より、医療機器の無償提供を行いました。
被災地の一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

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ピンクリボン活動の推進

日本における乳がん罹患者数は増加の一途をたどっており、現在では9人に1人が乳がんに罹患しています*1。また、死亡者数は依然として減少しておらず、30~60代の女性にとって乳がんはがん死亡原因のトップ*1となっています。しかしながら、乳がんの10年生存率は90%と高く*2、早期に発見され、適切な治療が行われれば、多くの患者さんが長期的に生存できる可能性があります。
当社では、乳がんで亡くなる人を一人でも減らすため、早期発見・早期治療の重要性を伝えるピンクリボン活動を継続的に展開しています。関連イベントでは、マンモグラフィ装置やデモカーを展示し、参加者への乳がん検診啓発に取り組んでいます。また、2013年にスタートしたピンクリボンアドバイザーの方に向けて、キヤノンメディカルシステムズ本社で工場見学や研修会を実施するなど、さまざまな活動をサポートしています。

*1:国立がん研究センター「がんの統計2024」より
*2:全がん協加盟施設の生存率協同調査「全がん協部位別臨床病期別10年相対生存率(2005-2008年診断症例)」より

小児鎮静剤低減プロジェクト

MRI検査で診断に役立つ画像を得るためには、患者さんが検査中に動かないことが非常に重要です。しかし子どもたちにとっては、慣れない検査や病院という環境に対する不安や恐怖があるため、じっとしていることは容易ではありません。その結果、検査の際に鎮静剤を投与して、眠った状態で行うこともあります。鎮静剤には副作用のリスクがあるため、鎮静剤を使用せずに検査を実施できることが理想です。
そこで、キヤノンメディカルシステムズは、一人でも多くの子どもが鎮静剤なしでMRI検査を受けられるようにするため、子ども向けMRI検査説明動画を制作し、YouTubeで公開しました。この動画は、子どもたちがMRI検査の内容や装置について理解を深めるためのもので、この結果、鎮静剤の使用率が低下したという成果も報告されています。さらに、キヤノン下丸子本社では、子ども向け医療機器体験プログラムを開催しています。このプログラムでは、子どもたちが実際に医療機器を体験することで、医療機器に対する理解を深め、検査に対する不安を和らげることを目指しています。

動物医療へのMade for Lifeの展開

2023 年、キヤノンメディカルシステムズアジアは、シンガポールのマンダイパークにある鳥類病院にリサイクル品の超音波診断装置を寄付し、当社の経営スローガンである「Made for Life」と動物医療を組み合わせた取り組みを展開しました。
「マンダイパークから、小型鳥類の専門医療に役立てるため、当社の超音波診断装置を 1 台寄贈してもらえないかと打診がありました。幸運にも、徹底した品質チェックを経て、リサイクル品の中から寄贈の要件を満たすシステムを見つけることができました。環境や野生生物を保護することは私たちの義務であり、この寄贈により意義ある貢献をすることができたことを誇りに思います。製品の寿命を延ばすことで、「Made for Life」に忠実であり続け、この取り組みによって当社の理念が人間の命を超えて広がるものであることを示しました。協力してこれを実現できたことをうれしく思います。」と、マネージングディレクターの谷 博史氏(写真左)と、パートナーシップ開発担当シニアディレクターのイザベル チェン氏(写真右)は述べました。

介助犬トレーニング機関とのパートナーシップ

キヤノンメディカルシステムズANZは、Assistance Dogs Australia (ADA)の取り組みを支援しています。
ADAは、障がいのある子どもや大人が身体的、精神的負担を軽減し、自立するための助けとなる介助犬(ラブラドールやゴールデンレトリバー)を提供するなど、極めて重要な役割を果たす非営利団体です。
介助犬は、犬の性格、学習スタイル、そして将来のパートナーの特定のニーズに合わせて、それぞれ12~18か月の厳しい訓練プログラムを受けます。その後、国立訓練学校で、落としたものを拾うことから、不安発作時の精神的サポートまで、パートナーに奉仕できるよう、細心の注意を払って訓練されます。
訓練を受けた介助犬を、オーストラリア全土のクライアントに無料で提供するこのサービスは、障がいのある人達に自信を与え、負担を軽減し、社会的な孤立の解消に寄与しています。
2015 年以降、当社はサービス契約をいただいているお客様と協力し、介助犬のトレーニングを支援しています。当社のサービス理念である「お客様のニーズに合わせたサービス」は、ADAが介助犬のトレーニングをお客様一人ひとりの要件に応じてカスタマイズする姿勢を反映していることから、今後も継続支援を展開していきます。

入院中の子どもたちの支援

キヤノンメディカルシステムズフランスは、6年間にわたりNOC! Nous on crée!協会を支援してきました。NOC! Nous on crée!協会は、がんなどの重篤な病気の治療のため、長期間入院を余儀なくされている子どもたちにアートワークショップを提供する非営利団体です。
アートワークショップは、治療を待つことで生じる退屈な時間や病気の不安を和らげる目的で考案され、アートの技法や芸術的・歴史的な参考資料なども提供されます。
子どもたちは、アートワークショップに参加することで、学習意欲が沸き、感性を豊かにします。その結果、忍耐力と根気強さが求められる完成度の高い作品が生まれます。この経験は入院中の子どもたちに達成感と充実感を与え、日常生活の質を向上させます。
この活動は学校の休暇中に数週間に亘って行われ、今では入院中の子どもたち、その家族、医療スタッフが待ち望んでいる特別なイベントとなっています。

児童への慈善団体支援

キヤノンメディカルシステムズUSAのActivities Committee of Canon (ACT) は、過去 37 年間にわたり、米国オレンジ郡社会福祉局 (OCSS) との提携を通じて、地元の児童慈善団体を支援してきました。この活動は、 1986 年に631 ドルを集めて 10 名の子どもたちを支援したベークセールから始まりました。それ以来、オークションでの従業員の寄付額は407,500 ドル以上にまで増加し、ホリデー用の衣服、靴、食料、おもちゃの提供を通じて、オレンジ郡の 2,788 名の子どもたちを支援しています。
毎年、ACTはオレンジ郡社会福祉局と協力して、地域社会で最も支援を必要とする家族を選出しています。OCSSが候補者を推薦し、ACT 委員会がオークションの収益を受け取る家族を決定するというこの活動は当社の全従業員にとって楽しいイベントとなっています。近年ではACTはテクノロジーを活用したものとなっており、当社の IT 部門の協力により、毎年恒例のハロウィーンオークションは完全にオンラインで開催され、入札はリアルタイムで更新されます。オークションが終了し、収益が計算されると、ACTの買い物客は衣類、コート、靴、食料品店のギフトカードの購入を開始します。さらに、クリスマスにすべての子どもがおもちゃを受け取れるよう、おもちゃの寄付キャンペーンを企画しています。すべてのプレゼントはラッピングされ、家族またはソーシャルワーカーに直接届けられます。
OCSSからのメッセージ
「児童・家族サービス局を代表して、キヤノンが当社の顧客に寄贈した豪華なクリスマスプレゼントに心から感謝の意を表します。キヤノンの優しさと寛大さのおかげで、多くの家族にとって特別なクリスマスとなりました。子どもと家族に喜びと温かさを広めてくださり、ありがとうございます。」

Olea Cares programの推進

キヤノンメディカルシステムズグループの一員であるOlea Medical は社会的責任を担う企業として、持続可能な開発と世界中の人々の幸福に尽力するさまざまな組織と提携し、Olea Caresプログラムを通じて地域社会に貢献する取り組みを継続的に展開しています。
その一例として、2023 年には新興国における出血による死亡率の削減を目指す FairEmbo プロジェクトなどの組織を支援しました。また、Athelia Entreprendre と協力し、Olea社の敷地近くにある 2つの蜂の巣箱を後援しました。当社が後援したもう 1つの組織は、がんから回復した人々にフランスの山でのアウトドアアドベンチャーを提供する団体 Bivouac et Moi です。
Olea Cares プログラムの詳細については、以下の Web サイトをご覧ください。

Olea Cares プログラムの詳細はこちら(英文)

また、Olea社内では温室効果ガスの排出削減に貢献する社会的イノベーションである Olea Flex を導入しました。これは、各自が実際に出勤する日を決定できる新しい働き方であり、ワークライフバランスの実現をもたらします。2023 年には、環境問題の予防と意識向上にも取り組みました。さらに、一部の従業員は、気候フレスコ画の作成を含むトレーニングを受けました。

教育、学術支援、共同研究

臨床研究の支援

2023 年、キヤノンメディカルシステムズ ANZは、いくつかの主要な臨床機関や臨床医と連携し、患者さんのためのクリニカルパスを改善するための取り組みを推進しました。当社のパートナーシップ プログラム (CMPP) 活動はすべて、より優れた診断と治療によって臨床結果を改善し、患者さんの生活を向上させることを目指すプロジェクトであり、当社の「Made for Life」経営スローガンに基づいています。

フィオナ・スタンレー病院およびレインスタディとの提携による肝臓研究への貢献

オーストラリアのフィオナ・スタンレー病院との提携による2023年の主な成果は、24のモジュールにわたる理論と実践的なスキャンを組み合わせた教育およびトレーニングビデオシリーズの開発です。この教育ツールは、超音波検査技師や放射線科医にトレーニングの機会を提供し、肝臓に対する効果的な非侵襲的モダリティとしての超音波診断装置の使用についての認識を高めるのに役立ちます。
キヤノンメディカルシステムズ ANZは2016年に、共同研究契約を締結し、最新の超音波診断装置でフィオナ・スタンレー病院の放射線科を継続的にサポートしてきました。
当社は2023年、西オーストラリア大学にあるレインスタディとフィオナ・スタンレー病院との提携も開始しました。レインスタディは、適切な介入によって健康を改善できる段階で、脂肪肝の合併症のリスクがある成人の特徴や修正可能な要因を特定する可能性のある知識を提供します。
1989 年に設立されたレインスタディは、妊娠期、小児期、青年期、成人期を対象とした世界最大級のコホート研究の 1 つです。この多世代グループは、30 年以上にわたる頻繁な評価から得られた膨大な健康データ、身体評価、生物学的データ、遺伝学的データを備えたユニークな集団として知られています。このため、この集団は脂肪肝の肝臓および心臓代謝の重要性を調べるのに理想的な集団です。レインスタディほどの長期にわたる追跡調査と、参加者の詳細な縦断的特徴付けを備えたコミュニティベースのコホートは他にありません。

心臓手術への貢献

キヤノンメディカルシステムズ ANZは、ニュージーランド北島中部のワイカト病院と長年提携してきました。2023年には、ワイカト病院の医療スタッフと提携し、弁周囲漏出修復や僧帽弁クリッピングなどの複雑な構造的心臓手術を改善するためのAIベースの画像技術を開発しました。この技術により、超音波診断装置とその他のモダリティとのマッピングの精度が向上するとともに、検査時間が短縮され、放射線量と造影剤の使用量も削減されます。さらに、キヤノンのダイナミックデバイススタビライゼーションは、AIを活用した新しいタイプのステント強化技術で、あらゆる経皮的冠動脈インターベンション(PCI)手術中におけるステントの視覚化を改善し、患者さんの治療結果を向上させます。

医療へのアクセス改善

キヤノンメディカルシステムズANZとRemote Medical Innovations(RMI)、クイーンズランド州のロイヤルブリスベン・アンド・ウィメンズ病院(RBWH)のコラボレーションは2023年も継続されました。コラボレーションの目的は、RMIが開発したロボットシステムを使用して、遠隔地や農村部に住む人々に高品質の超音波検査を提供することで、RBWHの超音波検査技師が、病院の一室に座り、コンピューターゲームで使用するようなハンドヘルドコントローラーを操作して、1,000Km以上離れたクイーンズランド州の奥地にいる患者の心臓を遠隔でスキャンします。キヤノンの遠隔操作タブレットを使用してシステムコマンドを制御するこのシステムは、既存のプロセスの欠点を克服することを目的としており、モバイルを活用することでコスト効率が良く、安全で、迅速なソリューションを提供するように設計されています。さらに、このロボットシステムには最小限の力で操作できる触覚コントローラーが組み込まれているため、超音波検査技師は物理的な影響を最小限に抑えながら、既存の「室内」での超音波検査を実施することができます。この技術は幅広い用途に対応していますが、遠隔操作を通じてオーストラリアの地方や遠隔地に専門サービスを提供することを目的にコラボレーションを継続しています。

芸術・文化・スポーツへの支援

キヤノンメディカルフランス ラグビークラブ・ド・シュレーヌのスポンサーに

キヤノンメディカルフランスは、各個人のスキルに基づいた集団的な取り組みをコアバリューに持つ、ラグビーというスポーツに共感し、ラグビークラブ・ド・シュレーヌ(RCS)と協賛し、ラグビーサンテ部門を創設しました。
ラグビーサンテは、長期的な健康問題を抱える人であれば、年齢、体格に関係なく誰でもメンバーとして加入することができ、当社の支援を受けた専門のコーチと医療スタッフによって指導が受けられます。また、ルール上、タックルが禁止されたラグビーで、安全に練習を行うことができ、運動を通して病気の予防と改善の効果が期待されます。
ラグビーサンテは、オフィスや社内説明会で紹介され、RCSとのスポンサーシップについても紹介されました。また、フランス語圏の放射線科医にとって最も重要な会議であるJournées Francophones de la RadiologieでもRCS選手とのコラボレーションや、当社の超音波診断装置によるスキャナーのデモンストレーションを実演しました。

スポーツ医学への貢献

キヤノンメディカルシステムズは、最先端の画像技術で正確な診断と治療をサポートし、筋骨格系(MSK)のけがなどの予防と管理を支援するため、プロスポーツクラブと提携しています。重要なスポーツ医学の知識を共有し、アマチュアからプロまで、誰もがスポーツを最大限に楽しむことができる社会を目指しています。

詳細はこちら(英文)

研究開発におけるイノベーション

キヤノンメディカルシステムズは、創業100年以上の歴史を持ち、医療業界のお客様との協業を通じて、潜在的なニーズに応える多くの技術や製品を開発・展開してきました。世界的な高齢化が進む中、医療現場に欠かせない画像診断機器の分野で世界トップクラスのシェアを誇り、世界190以上の国と地域に製品を供給しています。経営スローガン「Made for Life」のもと、予防から予後まで幅広い領域で新たな価値を創造し、医療の発展と人々の健康の維持・向上に貢献していきます。

次世代のCT

フォトンカウンティングCT
病気の早期発見と迅速な治療への関心が年々高まっており、検査時間が短く多くの病院で普及しているCT装置が注目を集めています。特にフォトンカウンティングCTは、さまざまな面でCTの性能向上が期待されており、大きな期待が寄せられています。

フォトンカウンティングCT技術の詳細はこちら

健康寿命への貢献

立ったまま検査できるCT装置
CT装置は、X線を使って体の断面画像を撮影し、体内の数ミリの病変を可視化する装置です。これまでは、患者さんを仰向けにした状態で検査するのが一般的でしたが、膝関節症やヘルニアなど、立ったときに痛みを感じる疾患の診断は困難でした。そこで、立ったままや座ったまま検査できる新しいCT装置が注目されています。

立ったまま撮影できるCTスキャナーの詳細はこちら

肺がん検診を通じてより多くの命を救う対応

キヤノンメディカルシステムズグループは、2023年も低線量CTを用いた肺がん検査に先進的な画像技術を提供し続けました。肺がんの生存率向上には早期発見が不可欠です。当社は、肺がん検査をより身近で受け入れやすいものにすることに尽力し、放射線被ばくの不安を軽減するとともに、高度な画像技術を医療が行き届いていない地域に導入することで、検査への参加を増やし、リスクのある人々の早期発見と治療効果の向上を目指していきます。

持続可能性を支えるキヤノンメディカルシステムズのAI

持続可能性への取り組み
キヤノンメディカルシステムズは、経営スローガン「Made for Life」のもと、高品質な画像を提供し、シームレスなワークフローを実現するために設計された高度な画像処理技術の提供に取り組んでいます。「Altivity」をソリューションブランドとしたAIソリューションは、診断精度の向上、ワークフローの最適化、リソースの節約により、持続可能性をサポートします。
2024年も、私たちはより持続可能な未来の構築に向けた取り組みを続け、責任あるAIの活用により、患者さんのケアを向上させるだけでなく、医療従事者にとって支援的な職場環境を育成し、環境の持続可能性に積極的に貢献しています。

Altivityについてもっと知る(英文)

*本記事で言及するAIは設計段階でのAI技術の活用を指し、自己学習機能を有するものではありません。