キヤノンメディカルシステムズ サステナビリティ ビジョン・ミッション

私たちキヤノンメディカルシステムズは、医療に役立つ世界最高水準の医療機器を研究・開発し、医療の質の向上と発展を支え続けるリーディングカンパニーでありたいと考えています。特に画像診断システム分野においては高いシェアを誇り、世界中の多くのお客様とパートナーシップを築いており、経営スローガン「Made for Life」の実現を通じて、皆様の生活を豊かにする新たな価値を生み出していきます。
「Made for Life」は、パートナー、患者さん、そしてお客様に向けた、長年にわたる私たちのコミットメントです。信頼、尊敬、透明性に基づいた関係を築きながら、研究機関や医療機関のパートナーと連携して市場をリードするソリューションを生み出していきます。

また、患者さんやお客様を中心に考え、パートナーと連携してグローバルなニーズに応えるインテリジェントプロジェクトやソリューションを新たに開発し、医療ソリューションの臨床的価値と効率性を高め、「Made for Life」を実現していきます。
さらに、患者さんに高品質で効率的な医療を提供するために、必要な情報を収集、統合・処理し、提供していくため、ESG(環境、社会、ガバナンス)をミッション・ビジョンに組み込み、経営戦略にサステナビリティの要素を取り入れ、キヤノンメディカルシステムズのDNAや製品・サービスを社会全体に浸透させ、人々のクオリティ・オブ・ライフの向上に貢献します。

社長メッセージ

キヤノンメディカルシステムズでは、「Made for Life」という理念のもと、製品・ソリューション・サービスを通じて医療従事者および患者さんが直面する課題の解決に取り組み、すべての人が健康で豊かな生活を送れるよう貢献することを目指しています。
この取り組みは、社会課題の解決と企業価値の向上を同時に追求する「共通価値の創造(CSV)」という経営手法に基づいています。
具体的には、最新技術の提供と診断精度の向上により、医療従事者の診断・読影業務の効率化に貢献する一方で、製品設計段階から環境負荷の低減を重視した「エコデザイン製品」の開発、医療機関での使用時における省エネルギー化、製品使用後の「リサイクルシステム」の構築にも取り組んでいます。

また、医療現場が直面する課題、たとえば医療人材の不足、高齢化、医療費の増加、地域間の医療格差などに対応するため、さまざまな製品・サービスの開発を進めています。加えて、循環型社会への対応、データ測定と共有、水資源管理、生物多様性、社会的持続可能性、そしてサステナビリティに関する教育や研修の必要性といった、グローバルなビジネストレンドや課題も認識しています。
2024年には、スコープ 3排出量への対応や、事業における効果的なエンゲージメントへの投資を継続するとともに、サプライチェーンにおけるサステナビリティ実現の障壁となり得る地政学的リスクにも対応しました。
加えて、スコープ1およびスコープ 2のCO₂排出量を42%削減する計画も着実に進行しています。さらに、2022年比で2030年までにスコープ 3のCO₂排出量を25%削減するという目標を設定し、達成に向けた諸活動を展開しました。
私たちはまた、地域社会、従業員、お客様との関係を深める企業活動を通じて、社会との共生を重視し、企業の社会的責任(CSR)を果たしてまいります。
持続可能な成長を実現するためには、強固なガバナンス体制が不可欠です。キヤノンメディカルシステムズは、グローバルグループ全体で統一されたガバナンス体制を確立し、経営の透明性を高めるとともに、すべてのステークホルダーとの信頼関係の強化に努めています。
さらに、内部統制とコンプライアンスの強化を通じて、リスクの早期発見と迅速かつ適切な対応を可能にし、社会的責任を果たしながら持続的な成長を目指しています。私たちはグローバルな視点に立ったガバナンスの強化により、企業の信頼性向上にも努めています。
今後も私たちは、環境への配慮、社会的責任、持続可能な成長を推進し、キヤノン株式会社と連携しながら、信頼される企業であり続けます。
私たちの取り組みが、世界中の人々にとって、より豊かで健康的な暮らしの実現と健全な社会の発展に貢献すると確信しています。日頃よりご支援いただいているすべてのステークホルダーの皆さまに、心より感謝申し上げますとともに、今後も皆さまと共に歩んでいけることを楽しみにしております。

キヤノンメディカルシステムズ株式会社
代表取締役社長
瀧口 登志夫

サステナビリティ・ダイバーシティ推進室代表メッセージ

サステナビリティに対する社会的な関心が年々高まっている中、当社のステークホルダーの皆さまからの当社に対する要求事項も高まっており、今は事業を進める上でサステナビリティへの取り組みは必須となっています。
当社では2024年1月にサステナビリティ・ダイバーシティ推進室を設置し、持続可能性に関するマネジメントを推進しながら、多様性を実現させる包括的な取り組みを促進し、これらをキヤノンメディカルシステムズ全体の仕組みとして組み込む活動を行っています。
このレポートでは、サステナビリティに関する私たちの取り組みをグローバル基準でステークホルダーの皆様にご理解いただけるよう、環境・社会・ガバナンスつまりESGの柱に沿って報告しています。引き続き、ステークホルダーの皆様と協業しながら、より持続可能で未来につながる活動を展開していきたいと思います。

キヤノンメディカルシステムズ株式会社
サステナビリティ・ダイバーシティ推進室
室長
木下 修

サステナビリティポリシー

キヤノンメディカルシステムズの目標は、刻々と変化する社会課題やニーズにフレキシブルに対応することで医療課題を解決し、新たな医療価値を世界中の医療従事者に提供することです。この目標の根底にあるのは、より迅速で正確な診断、より良い治療結果、患者さんの負担軽減を提供する技術を生み出すという、当社の経営スローガン「Made for Life」です。この経営スローガンは、持続可能性ポリシーに沿って、すべての人にとって健康的でより良い世界を創造することを目指しています。技術革新、パートナーシップの構築、持続可能な事業活動を通じて、当社はSDGs(持続可能な開発目標)の目標3、目標8、目標13に貢献しています。

この目標達成に向けた、2021年から2025年までの主要な持続可能性目標は次のとおりです。
医用画像診断のサポートにより、現在の医療治療の進歩を達成する。
医療分野で地域社会に影響を与える世界的な取り組みをサポートする。
二酸化炭素排出量を削減することで、地球温暖化の抑制に取り組む。

サスティビナリティポリシー 行動基準

マテリアリティ(重要課題)の特定

マテリアリティ(重要課題)は、キヤノンメディカルシステムズの持続可能性に対するESGアプローチの基盤となるものです。当社は、顧客、従業員、政府当局を含むステークホルダーとの広範な協議を通じて、2021年にマテリアリティを特定しました。またその際には、「ステークホルダーからの期待」と「当社の活動との関連度合い」の2軸で評価し、優先順位付けを行いました。

特定したマテリアリティ(2021年-2025年)

特定した5つのマテリアリティのそれぞれにおいて以下の目標を達成し、社会的価値の創造を目指しています。


1 新たな価値の創造と医療課題の解決
1.1 医療分野における革新的なグローバル企業として市場で認知される。
1.2 医療画像機器の支援により、医療の進歩に貢献する。

2 社会との共生・地域社会への貢献
2.1 地域社会を豊かにするグローバル企業として統一イメージを提示する。
2.2 地域社会への支援を継続する。
2.3 医療分野において、地域社会に影響を与えるグローバルな取り組みを支援する。

3 多様な人材の活躍と成長
3.1 多様な生き方・働き方を尊重し、一人ひとりの意欲と能力に応じて活躍できる機会を提供する。

4 強靭で健全な組織の構築
4.1 労働安全衛生(OSH)の継続的な改善。
4.2 人的資本と健やかな組織分野を構築する。
4.3 倫理および平等に関する問題の報告メカニズム整備と定着を推進する。

5 地球環境の保護と保全
5.1 気候変動の防止に貢献する。
5.1.1 環境負荷の高い生産拠点において、キヤノン株式会社の基準に準じたCO₂削減活動を実施する。
5.1.2 2022年に定量的なCO₂削減目標を検討し、2023年からの活動を展開する。
5.2 環境負荷の高い生産拠点において、キヤノン株式会社の基準に準じた廃棄物のリサイクルや化学物質の排出量削減活動をさらに展開する。
5.3 水の使用効率を向上させる。
5.4 世界的に自然と生物多様性の保護と回復に取り組む。

報告のアプローチと範囲

キヤノンメディカルシステムズは、2024年1月1日、サステナビリティ・ダイバーシティ推進室を発足しました。この新組織では、サステナビリティに対する2つのアプローチを統合しています。
事業に資するサステナビリティ:
国際的なステークホルダーからESGに関する世界的な動向や要件を収集し、それを実際のガイドラインや行動計画に落とし込み、適切に開示し、対外的にアピールすることでビジネスに貢献します。
コンプライアンスの徹底とダイバーシティの推進:
さまざまなESG関連の法律、規制、基準への完全な適合を推進し、キヤノンメディカルシステムズ内でのコンプライアンスを徹底します。
また、性別、国籍、障がいなどの個人の属性に関係なく、すべての従業員が活躍できる環境を構築し、ダイバーシティ&インクルージョンの推進をさらに強化します。
サステナビリティ・ダイバーシティ推進室は、環境部門、人事部門、マーケティング部門からのプロジェクトチームメンバーがリーダーシップをとり、これらの取り組みを進めています。

2025年には、サステナビリティに関するグローバル会議を開催し、海外現地法人を含むすべてのグループ会社の代表者が出席しました。2024年の各種データは、グローバルレポーティングイニシアチブ(GRI)の基準に基づく調査を通じて収集され、オランダのサステナビリティコンサルタントによる協力、コンテンツ作成、アドバイスのもと、本社のデータと組み合わせて本レポートを作成しました。このレポートは2025年第2四半期にグローバルに公開されました。

キヤノンメディカルシステムズグループ サステナビリティ推進体制

サステナビリティ・ダイバーシティ推進室が関連部門と連携しながらグループ全体のサステナビリティ活動を統括・推進しています。
サステナビリティに関する重要な事項については、代表取締役社長が委員長を務めるサステナビリティ委員会に報告・協議され、必要に応じて取締役会で承認されます。

報告書の範囲

本レポートは、2024年にキヤノンメディカルシステムズおよび世界各国のグループ会社(日本、シンガポール、中国、香港、韓国、インド、トルコ、オランダ、ベルギー、ドイツ、スイス、オーストリア、フランス、スペイン、スウェーデン、ポルトガル、イタリア、イギリス、アメリカ、カナダ、ブラジル、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド)で実施したサステナビリティ活動をまとめたものです。

GRI インデックス 最新データ(環境) 最新データ(社会)

「キヤノン」:キヤノン株式会社およびその連結子会社すべてを含むグループ全体を指します。
「キヤノン株式会社」:キヤノン株式会社単体を指します。
「キヤノンメディカルシステムズ」:キヤノンメディカルシステムズ株式会社およびその連結子会社すべてを含むグループ全体を指します。
「キヤノンメディカルシステムズ株式会社」:キヤノンメディカルシステムズ株式会社単体を指します。