MRI Q&A

MRIに関する素朴な疑問にお答えします。

Q1: MRIとCTってどう違うの?

A: 画像を得る手段が違います。

どちらも体の断層画像を撮影する装置ですが、最も大きな違いは画像を得る手段です。CTでは“ X線”を使って画像を得るのに対し、MRIは大きな磁石による“ 強い磁場”とFMラジオに使われているような“電波”を使って画像を得ます。そのため、MRIは放射線による被ばくがなく、小児や健常な方も安心して検査を受けることができます。 
しかし、強い磁場を使っているため、CTには見られないMRIならではの制限や注意事項があります。 



Q2: MRIの画像とCTの画像では見えるものが違うの?

A: MRIは、診断を行なうために適した断面を縦、横、斜めなど自由に撮像できるのが特長です。

最近はCTでも身体を横に輪切りにした画像だけでなく、縦切りなども描出できるようになりましたが、それでも自由度はMRIの方が優れています。 
また、MRIはX線を使うCTと違って骨や空気による画像への悪影響が全く無いため、例えば頭蓋骨に囲まれた脳や脊髄などの診断に適しています。 
さらに薬 (造影剤) を使わずに主な血管の画像が簡単に得られるなどの特長があります。 



Q3: MRIの特長は?

A: 無侵襲または低侵襲で安全な検査です。放射線による被ばくはありません。

目的に応じて優れた画像コントラストが得られます。 
骨や空気による悪影響がないため、脳や脊髄などを鮮明に診断できます。 
縦、横、斜め方向の断面が得られるため理解がしやすく、また3次元の画像も得意です。 
造影剤を使わずに、あるいは最小限の造影剤量で大きな血管に関する情報が容易に得られます。(MRアンギオグラフィ) 



Q4: MRI検査ではどんな疾患が発見できるのですか?

A: 頭部や脊髄・脊椎、関節等動きの少ない部位が得意

最近は胸腹部、心臓、消化器分野など全身部位で広く有用性を発揮しています。


MRIが有効な疾患とは?(一例)
脳神経外科・神経内科 脳の腫瘍、脳血管性疾患、変性疾患、脳奇形、外傷、 脳血管のスクリーニング検査(脳ドック等)
整形外科 頚椎症、胸椎・腰椎のヘルニア、脊髄腫瘍、脊髄奇形、 骨軟部腫瘍、関節の靭帯損傷、半月板損傷など
消化器内科・外科 肝・胆・膵の腫瘍性病変、 胆道・膵管のスクリーニング検査(MRCP)など
小児科 小児全身の異常
婦人科 子宮、卵巣の異常
泌尿器科 腎臓、膀胱、尿管の異常
耳鼻咽喉科 内耳、小脳橋角部、咽頭・口頭の異常
眼科 眼窩や眼球内部の腫瘍など



Q5:MRAとMRIはどう違うの?

A:MRAとはMR Angiography(MRアンギオグラフィ)のことです。

MRAとはMRI装置を使用した血管撮像 (MR Angiography) のことです。 
X線による血管造影検査と違い、 MRAはX線の被ばくなく、造影剤も使わずに検査することが可能です。(検査の種類によっては少量の造影剤を使用する場合もあります。)
MRA検査は、数多くのMRI検査メニューの一種です。



Q6: 検査時間はどれ位ですか?

A: 20分~1時間程度で終了します。

一般的にMRI検査はCT検査よりも時間がかかります。
検査部位、内容によりますが、検査時間は20分~1時間程度です。
頭部MRI検査時間は20~30分程度です。心臓MRI検査は1時間程度かかります。


Q7: どうして検査時に大きな音がするの?

A:MRI検査時の音は、スピーカーと同じ原理で発生します。

MRI撮像時に大きな磁石の中にある傾斜磁場コイルに電流を流すと力が生じ、傾斜磁場コイルが振動します。 その振動エネルギーが磁石本体などに伝播することによって音が生じます。
詳しくは「静かな検査を実現するTechnology PianissimoTM」をご覧ください。 



Q8: 脳ドックについて教えて下さい。

A:脳ドックの目的は、脳疾患の早期発見・予防です。

脳ドックは主にMRIによる画像診断や血液検査などを行い、脳疾患の早期発見・予防を目的とした健康診断です。保険は適用されません。実施施設により検査項目に多少の違いがあります。
自覚症状の出にくい脳血管の動脈硬化や脳動脈瘤など、脳疾患を早期発見することで、最善の治療方法や予防策をたてることができます。
クモ膜下出血の原因となる脳動脈瘤や血管異常の発見、無症状の脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患の早期発見に有用とされています。