パラスポーツ・ゴルフのさらなる普及を目指して…挑戦を続ける小山田プロにインタビュー!

キヤノンメディカルシステムズはパラアスリートのプロゴルファー小山田プロのスポンサーです。当社は高い障壁や困難に直面しても、あきらめずに常に高いゴールを目指す小山田プロに共感し、2015年よりスポンサー契約を結び応援を続けています。今回のインタビューでは、普段のトレーニングから大会実績まで、小山田プロのあきらめない姿勢の秘密に迫ります。

シーズン前の準備期間の工夫

プロゴルファーとしての食事への配慮はもちろんのこと、病気(心筋梗塞・脳梗塞)の既往歴*があり食事制限もしている小山田プロ。医師と相談しながら塩分・コレステロールの調整をしつつ、アスリートとして必要なたんぱく質もしっかり摂取します。
トレーニングは天候に合わせ、室内外でそれぞれ効果的に実施。天候の悪い日は自宅でトレーニング器具を活用しながら、小山田プロにとって要である左腕を中心に鍛えます。天候が良い場合は地元・大田原市の陸上競技場で6キロを目安にウォーク&ラン。また練習場では、毎回110球ほど打ち込み、100ヤード以内のショットを特にしっかりと練習。豪快に飛ばすドライバーとは違い地味ではありますが、スコアを安定させるために非常に大切な練習とのこと。
また、大会参加にあたってはゴルフ場の研究も熱心に行います。各ゴルフ場のガイドブックを利用し、練習ラウンドではそれに書き込みながら1ホールごとに攻め方を考えます。海外と日本では芝の特徴も異なるため、こうした地道な研究も重要なポイントです。

*=小山田プロは定期的なMRI検査も受診しており、以前のインタビューではキヤノンメディカルシステムズのMRIの静かな検査にもコメントをいただいています。ぜひ、下部リンクより第3回インタビュー動画をチェックしてみてください!

イギリス遠征での経験――反省の残る場面での軌道修正のチカラ

5月にはイギリス ウォーバーンゴルフクラブにて行われたR&A(英国ゴルフ協会)主催の障がい者ゴルフの大会「The G4D Open」に参戦。日本からは4名の選手が出場し、小山田プロは23位という結果でした。
初日はプレッシャーもあり反省の残る結果だったものの、二日目には改善策を見出し、最終的には納得のいくプレーができたとのこと。短い期間での軌道修正ができた秘訣は、やはり普段からのトレーニングの積み重ねやゴルフ場の研究にあるようです。
困難な状況でこそ普段の地道な積み重ねが力になってくれる。アスリートに限らず、大切な姿勢だと感じさせられます。
イギリス遠征にて

国内遠征、そして障がい者ゴルフ普及への思い

優勝した第1回中部障害者オープン選手権にて
6月には3つの大会に出場した小山田プロ。
「第24回日本片マヒ障害オープンゴルフ選手権」で準優勝、また「第1回中部障害者オープン選手権」(2003年から各地で行われており、通算だと今年は21回目)では優勝を果たしました。後者の大会では21回のうち6回目の優勝です。世界ランキング対象試合も兼ねていたこれらの大会では、小山田プロを含む対象選手たちは緊張感を持って試合に臨みました。
日本障害者ゴルフ協会の理事も務める小山田プロにとって、国内の大会では障がい者ゴルフの普及も重要な活動です。海外と比べてまだまだ周知されていない部分も多く、日本ではゴルフ場の受け入れが課題のひとつになっています。「規定の時間で回れないのではないか」「車椅子で芝を傷つけてしまうのではないか」などがゴルフ場側から聞かれる声です。トップ選手ともなればコースを回る時間も一般の健常者プレイヤーよりも早い場合もあり、また車椅子も専用のゴルフカートを使用し芝を傷つけることはありません。そういった理解を丁寧に得ながら、普及活動に努めています。
優勝した第1回中部障害者オープン選手権にて

最後に

思ったように打てない、そういった不調の時には必ずどこかに課題がある、と話す小山田プロ。「筋力の問題か、フォームの問題か、道具の問題か…常に自分の課題と向き合い、解決策を探しながらゴルフに挑んでいます。 私は右手がありませんが、『健常者と同じことができるようになりたい』という想いでゴルフに取り組んでいます。決してあきらめないこと。常に自分を進化させて、その時々の課題を向き合いながら成長していきたいと思います。」

アスリートとして、障がい者ゴルフの発展に携わる第一人者として活躍する小山田プロ。私たちキヤノンメディカルシステムズは小山田プロの夢の実現ために、小山田プロをサポートする医療従事者のために、不可能を「可能」にする医療を提供し続けます。
プロフィール

小山田 雅人(こやまだ まさと)氏

1967年生まれ栃木県出身。2歳の時に事故で右前腕を失いながらも、小学生の時から野球に打ち込み、ピッチャーとして活躍。中学生時に「自分との戦い」ができるゴルフに出会い、没頭する。世界障害がい者ゴルフ選手権をはじめとする数々の大会で優勝するなど、国内外で活躍。2014年にPGAのティーチングプロ資格を取得。