“至高の3T” を目指して

Vantage Galan 3T / Supreme Edition開発者・お客様インタビュー

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Supreme Editionの特長はMRI装置にとって非常に重要な機能である磁場の均一性です。設計段階においては1ミクロンオーダーでコイルの様々な条件を同時に満たす形で最適化をしています。その製作誤差に対してなるべくロバストな設計となるよう考慮しました。製造の面では、スキルの高い巻線の作業に加え1ミクロンオーダーで制御する非常に高精度な巻線機を使用しています。設計と製造の面が融合されて高い磁場均一性を実現しました。
設計と製造が非常に密接に開発することができました。今回オールキヤノンで初めての3Tシステムの開発ということで全体が最適化された良いシステムができあがったと思っています。
新しく構築した傾斜磁場系および傾斜磁場サポートシステムのCSGC (Cross-pattern Supported Gradient Coil)を用いることで、振動に関しては約79%程度減らすことができます。このため患者様の不快感を低減しています。また、画質的な面では実効Gmaxが従来比107%、実効Slew Rateが従来比110%程度にすることができています。これによって画質的な向上も見込まれます。
今回、磁石の中身を開発しているエンジニアとコラボレーションして開発することができました。傾斜磁場系、磁石系、磁場発生系としてかなり良いものができていると思っています。
RTM (Real-time Manager) というモジュールを構成してすべての情報が集約されリアルタイムにシーケンス情報を制御することができるようになりました。メリットは大きく2つあります。一つ目は画質向上です。例えば呼吸が不安定な場合でも安定した画質を保つことができます。二つ目は再構成速度の向上です。2Dの撮像では最大42%再構成速度が向上しました。
開発では拡張のしやすさにこだわりました。リアルタイム制御機能を加え、様々なアプリケーションをスムーズに開発できるような環境を整えました。お客様のご要望やご意見を反映しながらリアルタイム制御に重きを置いた最新のプラットフォームを準備しました。皆様に満足してお使いいただけるMRIシステムができたのではないかととても喜ばしく思っております。
マグネットの工場を視察し、スタッフの方々の匠を感じました。実際に画像で見てみますと歪みが少ない非常にきれいな画像が出ていると思います。PIQE(Precise IQ Engine)*を使うことによって今まではできなかった膵臓領域や上腹部の臓器の高分解能画像が得られています。約1センチぐらいの膵頭部がんも今まで撮っていた拡散強調画像ではわからなかったものが高信号に描出されているのを捉えることができ、驚きました。また、今までよりも時間を短縮させることができるので、呼吸停止が難しい患者様に対してPIQEを適用するという使い方をしています。
Supeme Editionを使用して、本当に楽しい装置に出会えたと思っています。快適性、操作性もさることながら一新されたハードウェアとソフトウェア、そしてPIQE、これらにはキヤノンのプライドを感じております。恐らくこのSupreme Editionが今後世界の標準、基準となると私は思っております。

*本システムは画像再構成処理の設計段階でAI 技術を用いており、 本システム自体に自己学習機能は有しておりません。