Q:病院のセットはどうやって作りあげるのでしょうか?
「病院や警察署など実際に存在するものの場合は現地取材を行います。病院をいくつも取材させてもらい、それぞれの病院の違いなどを見ながら監督とセットのイメージを作り上げていきました。ラジエーションハウスは放射線科をテーマにしたドラマで、視聴者が普段見ることができない場所が多いので、装置が置いてある部屋はもちろん、コンソール室や技師の皆さんの執務スペースなど裏側を見せてもらいました。今回のセットもCTやMRIなど大型装置を使用しており、スタジオの広さの制約がある中でデザインするのは苦労しました。監督が撮りたいイメージに合わせて、まるでパズルのようにこれをこっちに、あれをあっちに…のような。図面を何枚も書きました。今まで様々な設定でセットを作ってきましたが、セットのデザインとしては最高難易度のレベルでしたね。」
 
 
sou
棈木さんが書いたスタジオセットの設計図
 

 
Q:ラジエーションハウスのセット、注目ポイントはどこでしょうか?
「たくさんの現地取材をもとにリアルな病院を再現することを目指していますが、“実際の病院ではあり得ない”デザインもセットの中には含まれています。視聴者にはなじみが少ない放射線科についていかに伝えるか、様々な工夫をしています。多くの病院では技師達のデスクは向き合った配置ですが、セットでは横一列に配置しています。それぞれのキャラクターを表現しやすかったり、全員を一つの画面で撮った時にチームとしての一体感を表現することができるからです。
また、あえて大きく作っている窓も注目してください。実際の病院では検査室に窓は必要ありませんが、セットでは装置が良く見えるように大きな窓を設置しています。特にCT検査室とMRI検査室の窓は向き合うようにしていますので、お互いに見渡すことができるようになっているのです(※前回よりも大きくしたそう!)。ここは放射線科なんだ、というぱっと見の分かりやすさや装置のカッコ良さが伝わるといいですね。」
 

sou 
横一列に並んだ唯織をはじめとする技師達のデスクに注目
sou 
棈木さんが「どうしてもやりたかった」というCTとMRIがお互いに見渡せる大きな窓

 
Q:キヤノンメディカルの装置、どんな印象ですか?
「今まで担当した医療シーンではハリボテを使うことが多かったので、スタジオにキヤノンメディカルの装置が入った時は“おおっ…”とどよめきが上がったほどインパクトが大きかったです。セットが急に本物の病院になった!という存在感がすごかったですね。キヤノンメディカルの装置を初めてみたのは前回のラジエーションハウスの時でしたが、流線的で近未来のようなカッコ良さを感じます。今回もたくさんの装置の提供に協力いただいていますが、これらなしではドラマが成り立ちません。ラジエーションハウスでは装置が第二の主役ですね。放送では是非装置にも注目してください。」
 

 
sou
キヤノンメディカルからはCT、MRI、マンモグラフィー、超音波をはじめ、PACSなども提供している(写真はMRI)
 

放射線科という一般的になじみのない分野がテーマになっている今回のドラマ“ラジエーションハウスII”ですが、こうした裏方の仕事がエンターテイメントになるのは嬉しいと語る棈木さん。アートデザイナーの仕事も同じように重なるからかもしれません。今回はそんなドラマの美術演出にスポットライトを当てました。放送では棈木さんのセットへのこだわり、キヤノンメディカルの装置にも是非ご注目くださいね!

キヤノンメディカル ラジエーションハウス2応援ページ

読むとラジエーションハウス2~放射線科の診断レポート~がもっと楽しくなる

ラジエーションハウス2 で登場する医療診断機器

※このコンテンツは、医療従事者の方のみご覧いただくことができます。