― 今後のキヤノン、AIとの付き合い方

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人の目は偉大で、総合的に理解・判断しているのですが、A I に臨床画像といろいろな装置情報を入れて人の手動調整したパラメータを求めようとすると、どうしても精度が出ないパラメータなどが存在します。A I を用いたノイズ低減などを代表とする画像処理が実現されつつありますが、ぼんやりぼやけてしまうのです。普通の可視光向けの画像処理などでも同じような問題は言われていて、A I はぼんやりと求めるのは得意だけど、いわゆるチャンピオンデータと呼ばれるものにはまだたどり着けていないとの認識です。A Iを使ってぼんやりと目標に近い場所までたどり着いて、最後の微調整だけ放射線技師さんやサービスマンなど、人がやるということなら可能と思われます。最後はやはり人の目なのだ、とすごく思います。
人は直感で判断できます。AIも時間やデータが増えれば、人と同じように判断することが可能になる日がくると思います。でもそこを突き詰めるよりは、まずはA I で人をサポートして、人の労力を減らしたいです。

― 機械はどこまで人をアシストできるのか

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やりたいことの1つは、撮影する前に、今撮っていいかどうか判定して伝えることです。今この角度であれば脊椎が被っているからダメ、こうしてみては?など、事前に伝える機能です。撮影までの前段階を適切にアシストしたいです。そして検査が初めての技師さんでも、ベテランの技師さんと同じにスムーズで正確に検査を進めることができるシステムを作りたいです。

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例えば、先生がガイドワイヤを進めていくシーンで、自然な流れで先生が見やすい角度にアングルを変えることを積極的に放射線技師さんがやっている病院の方が、必然的に先生の腕も上がっていくのではないかと思います。結果的にこういったサポートで治療時間が少なくなれば、患者さんにとってもすごく楽に検査を受けられる。そういった機能があればと思います。
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内視鏡など手技自体はセミナーのようなものがあり、症例によって内視鏡の操作や角度などを学ぶ機会はあります。一方で放射線技師さんに対し、先生がこう言うときにはCアームをどう操作するか、というセミナーなどは、あまりない気がしています。


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先生たちの場は結構手技の論争が多いです。Angioなどで「適切なフレーミングをする」ということを学ぶ機会がありますが、E R C P はあまり聞きませんね。そこはやはり機械側で判断して、適切なフレーミングができれば画質も安定すると思うので面白いですね。


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例えば最初に患者さんがベッドに上がって「セット」を押すと、あとの細かい操作は装置のほうがカメラで患者さんの位置を認識したり、透視像のワイヤの位置を認識してフレーミングを動かしてくれるというのであれば、それはすごくありがたい機能じゃないでしょうか。なおかつ危なそうな時にはアラームが鳴って止めてくれる、そういったものがあれば、少ないスタッフでも安心して検査を行うことができますよね。


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A I の構成で安心、安全というものも是非やってほしいと思います。

― すべては「品質」とともに

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一貫しているのは品質ですよね。品質が良ければ、壊れない、検査が中断しない、つまりユーザーとしてのダウンタイムが無くなります。さらに、品質が良ければ、サービス、製造、開発も、さらなる品質改善に注力できます。確実に、皆がウィンウィンになる。理想ですね。


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サービスパーツも少なくなれば、棚卸しも減るでしょう。今は製造部と言いながらも修理対応とか、サービスパーツ対応とか、時間を割いているところが大きく、設備的な場所も必要です。そういう意味では確かに、「品質」は製造にもすごくメリットがあります。


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今リモートメンテナンスで問題を解析できるところまではきています。それをより精度の高いもので、より分かりやすく。そして、部品の交換を予測するアラートもシステム的には可能ですから、故障が全くないところまでできるといいなと思っています。


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データがたまれば、自動化や統計解析を代表とするいろいろなことが検討できるので、各ユニットの担当者にはデータをためるように作ってほしいですね。制御屋さんはそれをもとに制御しているのでそれなりに情報があります。


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ジェネレーターでは、撮影回数、透視時間などを記録しています。


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データがそろったら、解析する技術は今かなり進んでいます。メカは距離などをセンシングして、データを送っていただければ、情報から何かを予測するということは可能です。また、スペシャリストが着目している値をデジタル化すると、より正確にスペシャリストと同じ判断を行うことが可能となります。


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それを距離で出すことができれば、そろそろ定期点検しましょうなどのアラートを出すことは比較的いけるかもしれませんね。

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消耗品の交換とか。悪くないですね。
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― それぞれの「理想のX線TV装置」

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やはり私は低被ばく高画質です。その上で、ユーザーそれぞれに合わせたカスタマイズを事細かくする。今後もキヤノンという会社に期待していただき、その要望に応えられるような体制作りとか。そういうことを突き詰めていきたいです。


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やはり壊れない装置が理想です。サービスマンが活躍するのは、据え付けの時と点検の時だけ、これが理想です。それは先ほどまであがっていたA Iとか、今から発展するであろう技術とかを使えば可能だと思うので。いずれ「キヤノンは、なんせ壊れないからね」という評判が全世界に広まればいいと思います。


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メカ的な話をすると、やはりアタッチメント化でしょうか。その場その場に、ニーズに合った大きさを実現できるような組み合わせができる装置、それがメーカー視点での理想かな、と思います。


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X線TV装置にかかわるのは、検査を行う放射線技師さん、先生、看護師さん、検査を受ける患者さんです。このすべての方々がやはり安心、安全に検査を受けられることが理想です。品質的にも壊れない、安全に進められる。そして検査する先生も、きれいな画質で手技がやりやすい。なおかつ低被ばくで自分たちも安全に検査ができる。そして患者さんも高画質だから短時間で検査が終わり、なおかつ安全に検査が受けられる、それが理想だと思います。


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それぞれの病院ごとにカスタマイズのようなものが、もっともっとできるようになっていけば、使っていただく選択肢が増えていいのかなと思います。開発するほうは非常にハードルが高いのですが、その分、使っていただく方には選択肢が増え、その病院に合った特性のものを組み合わせることができる。これが今後できればいいと思います。


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私はX 線の照射を極力減らしたいです。X線の照射で得ている情報を出来る限りX 線以外の技術で代用し、限りなく患者さんへの被ばく、術者への被ばくを減らしたいです。


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先生が自分の診断に自信を持てるような情報を提供する、うちの装置を使えば先生が自信を持って診断できる、というものをシステムとして提供するところが必要なのかな。そのためには、それぞれのユニットが使いやすく、かつ上手く連携して先生が必要とする情報をちゃんと提供・管理できる、というシステムを提供するところが究極なのかな、と思います。


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一つの機種で何でもできる装置のほうが、作り手としては楽かなと思います。単純にバリエーションが少なければ、部品も共通のものになります。すると設備的なものが少なくて良くなり、誰でも作りやすい、少ない人数でも多分対応しやすいということがあると思います。


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キーワードとしては人に優しいX 線装置。人というのは播摩谷さんがおっしゃったように、患者さんや、使う人、あとはわれわれ自身。われわれとしてはX線装置を売って利益をあげて、そして病院はその装置を使って検査をして利益をあげる。患者さんはわれわれの装置で検査を受けて、健康になって、帰ってもらう。そのサイクルをずっとこの先、回していく、維持していくという装置を作っていきたいと考えています。

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