やはり私は低被ばく高画質です。その上で、ユーザーそれぞれに合わせたカスタマイズを事細かくする。今後もキヤノンという会社に期待していただき、その要望に応えられるような体制作りとか。そういうことを突き詰めていきたいです。
やはり壊れない装置が理想です。サービスマンが活躍するのは、据え付けの時と点検の時だけ、これが理想です。それは先ほどまであがっていたA Iとか、今から発展するであろう技術とかを使えば可能だと思うので。いずれ「キヤノンは、なんせ壊れないからね」という評判が全世界に広まればいいと思います。
メカ的な話をすると、やはりアタッチメント化でしょうか。その場その場に、ニーズに合った大きさを実現できるような組み合わせができる装置、それがメーカー視点での理想かな、と思います。
X線TV装置にかかわるのは、検査を行う放射線技師さん、先生、看護師さん、検査を受ける患者さんです。このすべての方々がやはり安心、安全に検査を受けられることが理想です。品質的にも壊れない、安全に進められる。そして検査する先生も、きれいな画質で手技がやりやすい。なおかつ低被ばくで自分たちも安全に検査ができる。そして患者さんも高画質だから短時間で検査が終わり、なおかつ安全に検査が受けられる、それが理想だと思います。
それぞれの病院ごとにカスタマイズのようなものが、もっともっとできるようになっていけば、使っていただく選択肢が増えていいのかなと思います。開発するほうは非常にハードルが高いのですが、その分、使っていただく方には選択肢が増え、その病院に合った特性のものを組み合わせることができる。これが今後できればいいと思います。
私はX 線の照射を極力減らしたいです。X線の照射で得ている情報を出来る限りX 線以外の技術で代用し、限りなく患者さんへの被ばく、術者への被ばくを減らしたいです。
先生が自分の診断に自信を持てるような情報を提供する、うちの装置を使えば先生が自信を持って診断できる、というものをシステムとして提供するところが必要なのかな。そのためには、それぞれのユニットが使いやすく、かつ上手く連携して先生が必要とする情報をちゃんと提供・管理できる、というシステムを提供するところが究極なのかな、と思います。
一つの機種で何でもできる装置のほうが、作り手としては楽かなと思います。単純にバリエーションが少なければ、部品も共通のものになります。すると設備的なものが少なくて良くなり、誰でも作りやすい、少ない人数でも多分対応しやすいということがあると思います。
キーワードとしては人に優しいX 線装置。人というのは播摩谷さんがおっしゃったように、患者さんや、使う人、あとはわれわれ自身。われわれとしてはX線装置を売って利益をあげて、そして病院はその装置を使って検査をして利益をあげる。患者さんはわれわれの装置で検査を受けて、健康になって、帰ってもらう。そのサイクルをずっとこの先、回していく、維持していくという装置を作っていきたいと考えています。