― 医療機器としての安全性

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医療機器独自の規格は多く、それも厳しい内容が多いです。その試験は開発の中で全部クリアにしなくてはならず、開発期間の大部分の時間を取ってしまうことがあります。


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たとえば筐体の検査。天板、触るところなど表面の消毒液に対する評価があります。新規開発の装置では延々と消毒液でこする、という試験をしました。患者さんが触れる部分や天板を、液で拭いて、乾拭きして、水拭きして、拭いて、液をつけて拭いて、そのセットを繰り返して評価します。


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かなり厳格ですよね。例えば「拭く」という試験も、試験の結果問題ないことをどのように証明するのか。当社はこれをより厳格な条件でテストしますよね。

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基準を満たすチェックもあります。想定の荷重のほか、想定の荷重の4 倍を乗せても壊れない、というものです。これはI E C の国際規格です。
I E C の中にはアライメントの評価もあり、要求では3 パーセント、4 パーセントですが、それよりも厳しい基準を用いて開発する場合もあります。
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X 線を照射する照射中心が検出器とどれだけ適合するか。要は受ける側の検出器と、照射する側のX線がずれていたらX線が抜けてしまうので、検出器とセンターがどれだけ合っているかという試験ですね。


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これは日本だけではなく、各国独自の法規もありますが、それらに準拠するようなかたちでやっています。われわれはグローバルに出荷しますので。


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IECという国際規格がありますが、これに各国独自の規格がプラスされたりします。それが国によってバラつきがあり、アメリカはとくに厳しい追加規格、追加要求などがあります。

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国際規格という意味合いでは、品質を担保するためには、正しい手順で、管理された道具( 工具・測定器) を使用し、技量を認定された作業者が作業し、記録を残さなければならないとされています。製品品質担保のため、国家技能検定ほか、公的に認められた資格保有者が組立作業をしています。製造部としての品質を担保するための技量向上のための資格取得です。ほかにも、製品を製造するために必要な各種技能の認定制度があり、全員が取得しています。以前は、それを基に社内大会も行っていましたね。
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海老沼さんも出ましたし、後任の指導もされていましたよね。教える立場でもありましたし。


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製造部では、個人の技量管理を行っており、開発の方が作っている検査標準に従って我々もきちんと検査していれば、品質が担保されるという仕組みです。


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工場から得る安心感はありますよね。お客様に本社へ工場見学に来ていただいた際、ネジ一つ落ちていないとか、すごくきれいな現場のラインを見ていただくと、皆さん感動してくださいます。

― サービスマンから見た安全性

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私たちサービスマンにはお客さまに据え付け作業をしたときの「据え付け品質チェックシート」があります。装置ごとに必ずあり、分厚いものは3 0 ページ近くあります。そこには、動作の確認だけではなく、ファントムで画質の確認をするなどもあります。最後に責任者としての自分の名前の横に、お客さまのサインをいただきます。サービスマンはサインすることで責任をより明確に感じることもでき、不備のないようしっかりと据え付けをやらないと、という強い想いで任務についています。


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据え付けに行って作業を終えたら、結構な時間をかけて最後にチェックしていきますよね。やはり現地のサービスマンの方がベテランであればあるほど、われわれでも知らないような装置の特性とか、機能とか、裏技のようなところをすごく知っています。こちらが逆に教えられるほど詳しかったりします。そこに開発のヒントがあったりすることがありました。


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サービス部としてはそういった装置の、もう少しこうしたほうがいい、という意見を上げる場が「技術意見書」というかたちであり、「現場の声は開発の方にお伝えしましょう」と常に考えています。