― 低線量高画質を実現する技術のバランス

sou
低線量高画質というお客様のニーズは強いです。しかし、線量が下がるだけで画質が前よりも落ちてしまうと、そもそも検査にならない、と言われます。


sou
最近C T も低線量化してきていますが、X線TV装置でももっと線量を下げられるなら下げたいですね。今やっとシーズが追い付いてきて画像処理がすごく進化しました。X線撮影で得られた画像をデジタル化し、その瞬間にソフトウエア処理でいろいろな画質を提供できるようになりました。ソフトウエアやアルゴリズム、スペック、ハードウエアも進歩しました。ただ、C T 、M R I 、アンギオグラフィ装置については、現在でも非常に高価な処理装置を使うから処理できる、というレベルです。X線TVのような汎用機でも、今後、先行しているCT、MRI、アンギオグラフィ装置の技術を上手に取り込むことで低線量化につなげていきたいです。


sou
X線の代わりに利用できる技術はありませんか?


sou
例えばですけれど、X 線技術が革新的にレベルアップすることで、フィルタで仮想の単色に近いX 線や、ろ過値を上げて、患者さんの不要な被ばくを少なくして、画像に寄与するX線のエネルギー帯だけを拾うという仕組みが可能となり、また、そういったアプローチが、今のトレンドです。

sou
確かに低線量高画質に対するアプローチは、X線の出力を大きくし、特殊なフィルタを厚くして患者さんに吸収されるX線量を下げています。でもそうなると、大きい出力の発生器を利用することになります。
sou

sou
各社が目指しているのは低線量高画質であり、患者さんの被ばくをいかに下げて同等以上の画質にするか、ということ。線質を調整して被ばくを下げるという技術は応用できるかもしれません。一方で、ソフトウエア的にそれを模擬するということは今後もちろんあります。うまいバランスを取りながら進歩していくという時代が今、来ています。

― 画像処理とパラメータとの関係

sou
これまでの画像処理は、飛行機のコックピットのように、いろいろなパラメータを調整することで画質を処理しています。エンジニアはそこの幅を持たせて準備はできますが、ユーザーにとっての最適解は、現場で培われたノウハウで画質が決まります。当社ではユーザーの好みに合わせて現場で調整を行います。画質は見る人によって印象が変わります。基本となる軸はありますが、最終的には見る人の好みです。施設によっても読影される先生によっても、好みは違います。コントラストは立った方がいい、寝たのがいい、明るめがいい、暗めがいいとか。


sou
当社の装置はユーザーに開放されている画像処理のパラメーターが、ほかのメーカーに比べて多いですよね。


sou
「ユーザー側で好みに合わせて調整できるパラメータが、こんなにあるんだ」ということに驚きました。X線TV装置として、使う人、お客さまの好みに合わせて自由に調整できるということはすごく大きな強みだと思います。


sou
パラメーターの中でもどれを動かせる、動かせないって、会社としての考え方があるんですか?


sou
基本的には、パラメーターは自由度の高いアルゴリズムで、オープンにしています。メーカーの中にはパラメーター群をセットで何個かしか持たない、ということもありますが、当社のアルゴリズムは全てパラメーターで調整できます。


sou
当社らしい、良い考え方だと思います。


sou
「うちは合わせます」という守備範囲を広げている感じです。