~新画像処理パラメータCharmer(シャルメ)の使用経験~

進化しつづけるPe・ru・ruの画質

マンモグラフィ装置Pe・ru・ruは、乳がん検診の受診率向上を目指し、女性の健康に貢献するために、常に最新のトレンドを意識した製品の改良に取り組んできました。
販売当初はフィルムライクな画質を基本としていましたが、時代とともに変化する読影環境に合わせて画質も進化させた結果、この度新画像処理パラメータCharmer(シャルメ)が誕生しました。
Charmerは、ソフトコピー診断で求められる乳腺内・乳腺外コントラストの向上や鮮鋭性の向上によりソフトコピー診断により適した画像をご提供します。

* Charmerの由来:フランス語で「魅了する」との意味。新しい画像処理パラメータで、長年愛され続けているPe・ru・ruをさらに輝かせたいという思いを込めています。

新画像処理パラメータでさらに見やすく、読影のストレスも軽減

竹田乳腺クリニック 診療放射線技師
東 純子 様

Pe・ru・ruのポジショニングのしやすさ

CRからFPDへの切り替えを機にPe・ru・ruを使用し始めました。
Pe・ru・ruの支持台のサイズはアナログ装置の時とほぼ変わらず、ポジショニングに大きな変更を要さないので使い勝手の良い装置です。装置の胸壁欠損が少なく胸壁側が深くまで撮影でき、MLOのポジショニングでは特に大きく変更することもなく撮影者としては嬉しい点です。
Pe・ru・ruの外観はパールホワイトの色合いで清潔感があり、さらにコンパクトで圧迫感がありません。当院では、装置にラッピングを施していますが、数種類のデザインから可愛らしい柄を選ぶことができ、受診者からも好評です。

コントラストが高く読影しやすい画像

マンモグラフィで重要なのはやはり画質です。Pe・ru・ru の画像は、CRに類似した画質で、CRからFPDに切り替えた当初は違和感なく読影に取り組みやすく感じられました。導入時の画像は、全体的にややコントラストが低く(少しぼんやりした印象)、また乳房の厚みによってもコントラストに差が生じ、極端に薄い乳房では乳腺内が均一に白くなる傾向がありました。丁度その時期に、新画像処理パラメータCharmerの紹介があり、Charmerでは乳腺内・乳腺外のコントラストと鮮鋭性が向上していたことと医師が「ストレスなく読影できそうな画質である」とのことから導入を決めました。

高濃度乳房でもコントラストが際立つ

日本人の乳房は、欧米人に比べて小ぶりで若い人に限らず乳腺組織が多く、硬めでマンモグラフィ撮影時に圧迫する時、引き伸ばしにくく、薄くならず、結果的にコントラストが低くなり全体的に乳腺内が見えにくいです。だからこそ乳腺内のコントラストが重要だと考えられます。
Charmerを使用し始めた時の第一印象は、乳腺内のコントラストが改善され、以前の画像とは明らかに異なっていました。極めて高濃度の乳腺でもコントラストが改善されました。また、以前は1〜2cmの特に薄い乳房で乳腺内のコントラストが低い傾向がありましたが、Charmerでは以前よりも高コントラストとなり読影しやすい画像になりました。一方厚い乳房で、脂肪性さらに乳腺散在の画像では粒状性が目立っていましたが、Charmerでは若干改善されたと感じます。Charmerによって乳腺内の腫瘤も認識しやすくなり、石灰化は特に淡く不明瞭な石灰化が鮮明になったと思います。また、黒くなりがちな乳腺外コントラストは、以前と比較して、皮膚と乳腺の間にある脂肪内の血管・クーパー靭帯が明瞭に視認できるようになりました。
マンモグラフィの画質はコントラスト、鮮鋭性が改善すると、粒状性が悪化する傾向にありますが、Charmerは双方のバランスが比較的良くなったのではないでしょうか。

Charmerの画質評価~初期表示画像の大切さ~

竹田乳腺クリニック 院長 竹田 靖 先生
Charmerを初めて見たとき、初期表示がとても明瞭になったと感じました。コントラストの改善により内部構造がよく見えるようになりました。
石灰化に関しては、特にアモルファスな石灰化の1つ1つの形状が鮮明に見えるようになりました。コントラストが向上したことで背景濃度を伴う石灰化でも以前と比較してより診断しやすくなりました。
マンモグラフィの画像において初期表示の画像は、読影の観点からとても大切です。初期表示の画像を見てwindowingの操作に入りますが、さらにそこから先の読影がどのように進むかが決まるので、初期表示のレベルはとても大事だと考えています。

(2022年5月18日 竹田乳腺クリニックにて取材)

竹田乳腺クリニック 院長 竹田 靖 先生
竹田乳腺クリニック
大阪府守口市大久保町3-34-8ネイチャー21ビル
検診、診断、精密検査。検診は近隣の市の市民健診を行っている。
Pe・ru・ru導入年月:2016年12月
マンモグラフィの検査数:約5,000件/年 約400件/月

検診車FPD化に合わせて新画像処理パラメータを採用

公益財団法人 栃木県保健衛生事業団 診療放射線技師
神尾 恵子 様

集団検診に求められる操作性とスピード

当事業団は、検診車にて出張型集団検診を行っており、技師1人が半日で50件の撮影をするほど多くの検査を行っています。
キヤノンメディカルシステムズ(以下、キヤノン)のマンモグラフィは立ち上がりが早く、レスポンスに優れるため、アナログの頃から使用し続けてきました。1度単位で細やかに動くアームや、圧迫板のフットスイッチの反応も迅速で、忙しい検診の場で非常に助かっています。
最新のPe・ru・ruでは、照射野にセンターラインが入ったことでポジショニングがしやすくなったほか、Cアーム操作スイッチボックスが新設され、撮影台のスイッチを押し続けることなく、ワンタッチでアームの角度と撮影方向を同時に変更できるようになりました。操作の手間が少なくなったことにより、受診者にさらに丁寧に声がけをしたり、気付いたことがあれば直ぐにメモを取ることなどもできるようになりました。一呼吸おける時間ができたことで、精神的にも余裕が生まれました。ばく射時間も短縮され、乳房の圧迫時間が短くなり、柔らかなフォルムの撮影台と相まって、長年継続して受診されている方々からは「以前より痛くない」と喜んでいただいています。
▲ピンクリボンに栃木名産の苺をデザインし、女性らしさを意識した検診車

FPD化に合わせてトレンド画質へアップデート

長らくCRを使用していたため、一部装置をFPDへ更新後もCRに近い画質に調整して使用していました。しかし、学会で様々なメーカーの画質を見て、当事業団で使用している画質よりもさらにコントラストを立てた画質がトレンドであると感じました。ちょうどそのころにキヤノンから新画像処理パラメータであるCharmerの提案があり、また、今年から全検診車にFPDが搭載されることと、当事業団読影医の「トレンドの良質な画質を取り入れましょう」という言葉をきっかけに、よりコントラストを向上させた画像を提供できるようCharmerの導入を決めました。
Charmerはコントラストが向上し、初期表示から乳腺内の視認性が向上しただけでなく、脂肪の部分も見やすくなりました。当事業団では複数の読影医が在籍しているため、画像処理が変わって不都合があれば、読影医から直ぐにクレームが上がって来るのですが、Charmerではそうしたこともなくスムーズに導入できました。CRに見慣れている技師の間ではコントラストが立ちすぎているのでは、との意見もありましたが、これは慣れの問題が大きいと思います。改めて今までの画質を見るとフィルムライクなコントラストを抑えた画質だったと思います。比較するとCharmerの画質は本当に一皮むけた印象です。
また、Charmerにより乳腺内コントラストは向上しましたが、乳腺をしっかり伸ばして撮影しなければ良い画像処理も活きてきません。検診は、その方にとって2年に1度きり、命を担う画像を撮るわけですから、Charmerの良さを活かし切れるよう、技師もますます手技を磨いていかなくてはと気持ちを新たにしています。

検診車作りから相談できるキヤノンのサービス体制

▲車内でも圧迫感のないPe・ru・ru足踏みレバーは幅広タイプで統一
検診車にマンモグラフィを導入するにはさまざまな制約があります。小ぶりで取り回しの良いPe・ru・ruは検診車の広いとはいえない空間にもおさまりがよく、夏は暑く冬は冷える車内でも恒温器を使用することで安定した稼働が得られます。
新しい検診車を導入する際は、断熱材や遮熱塗装についてなど、キヤノンの営業担当から装置まわりの環境作りについてもアドバイスをもらいました。
また、サービス体制も万全で、その点でも安心して使用しています。
Pe・ru・ruは装置が新しくなるたびに、日頃の技師の意見が反映されており、心強いかぎりです。
装置の改善は、私たち技師だけではなく、ひいては受診者の方々の利益につながります。これからも、Pe・ru・ruのさらなる進化に期待したいと思います。

(2022年5月23日 栃木県保健衛生事業団にて取材)

▲車内でも圧迫感のないPe・ru・ru足踏みレバーは幅広タイプで統一
公益財団法人 栃木県保健衛生事業団
栃木県宇都宮市駒生町3337-1
検診車による住民検診、企業検診。栃木県のほぼ全域をカバー。
Pe・ru・ru導入年月:2014年6月 (現在7台使用中)
マンモグラフィの検査数:約46,000件/年

高品質な初期表示画像の新画像処理パラメータと受診者にも愛され続けるPe・ru・ru

聖マリアンナ医科大学 東横病院 健康診断センター/女性検診センター 診療放射線技師
坂尾 智美 様

患者さんが安心できる丸みを帯びたフォルム

Pe・ru・ruは丸みを帯びた可愛らしい形のため、患者さんにとって触りやすいようで、迷うことなく装置に手を置いてくれます。
技師としても楽にポジショニングできますし、何より患者さんにとって安心感があることが良いと思います。ポジショニングが楽になるといえば、小乳房用圧迫板もとても便利です。当院では患者さんの胸の大きさに合わせて、通常の圧迫板と小乳房用の圧迫板を使い分けています。乳房を伸ばしていく途中で手を放してしまうと、せっかく伸ばした乳房が戻ってしまうので、ぎりぎりまで手で押さえられる小乳房用圧迫板はよく使っています。また、圧迫板も柔らかく、検査後に患者さんから「痛くなかった」とよく言われます。当センターは検診が主体ですが、検査数は年々増えており、リピート受診に加え、「痛くない」という口コミを聞いていらっしゃる方が多いです。
▲患者さんが自然に触れてくれるラウンドフォルムのPe・ru・ru

便利なCアーム操作スイッチボックスとわかりやすい日本語コンソール

▲マウスからすぐに手を伸ばせるところに設置したスイッチボックス
Cアーム操作スイッチボックスが、検査効率を上げるのに非常に貢献しています。当センターでは、操作卓にスイッチボックスを置いています。導入当初はあまり使わないのではと思っていましたが、使ってみると便利です。以前は検査後毎回装置まで移動し、装置の側面にあるスイッチを長押しすることでアーム位置を戻していました。今は患者さんの退出後、画像確認を行っている間に、このスイッチを一押しするだけで、アームを元の位置に戻すことができます。短い距離ではありますが、操作卓と装置を往復する手間がなくなりスループットが向上しました。
また、Cアームの角度については、撮影時の角度を装置が記憶していて、反対側の乳房を撮る時には同じ角度で自動的に止まります。これもスループット向上につながっています。
コンソールが日本語表示なのもわかりやすいです。画面に出てくるアイコンも、「ここを触ればこう動くだろう」と感覚的にわかるデザインになっています。
▲マウスからすぐに手を伸ばせるところに設置したスイッチボックス

石灰化や腫瘤の視認性が高いCharmer

Charmerでは乳腺内コントラストが向上し、乳腺に隠れていた石灰化や腫瘤を拾いやすくなりました。以前の画質では、乳腺内のコントラストを高めるためにウィンドウ幅を絞るとノイズが目立ってざらつき、石灰化がかえって見えづらくなることがありました。しかしCharmerは、粒状性が低下せず、初期表示の段階で乳腺内コントラストが高い画像となっているので、石灰化も拾いやすいです。
また、Charmerの画質だからこそ見つけることができた腫瘤もありました。高濃度乳房の方で、マンモグラフィ上で腫瘤と疑わしい所見があり、超音波検査を行ったところ腫瘤と特定できました。
過去の画質でも、よく見たら気がつきますが、Charmerでなければ気づくことができないような所見でした。石灰化も同じようにCharmerで見つけることができた例があり、医師もCharmerになって、病変の視認性が向上したことを実感されているようです。乳腺内だけでなく、乳腺外の情報もよく見えるようになりました。これまで高濃度乳房を撮影すると、乳腺外の脂肪が黒飛びしてしまうことがありましたが、Charmerでは、脂肪の中もしっかりコントラストがつくようになりました。
また、撮影後のオートウィンドウ処理が変わったため、左右乳房での濃度のバラつきがほぼ無くなり、技師が調整しなくても読影に回せるようになりました。医師も左右で濃度がそろうようになったので、読影しやすくなったとおっしゃっていました。
画像を医師が見やすい状態にして出すところまでが我々の仕事になるので、調整することなく読影に回すことができるのがCharmerの良さだと思っています。

(2022年5月27日聖マリアンナ医科大学東横病院にて取材)

聖マリアンナ医科大学 東横病院
神奈川県川崎市中原区小杉町3-435
近隣エリアからの検診(公費・自費)を行う。
Pe・ru・ru導入年月:2020年9月
マンモグラフィの検査数:約3000件/年
*記事内容はご経験や知見による、ご本人のご意見や感想が含まれる場合があります。

一般的名称 販売名 認証番号
据置型デジタル式乳房用X線診断装置 乳房X線撮影装置 MGU-1000D MAMMOREX Pe・ru・ru DIGITAL 224ADBZX00109000