ISO15189の序文には、” 臨床検査のサービスは患者診療にとって不可欠 ” と謳われています。ISO15189認定取得の意義は、国際的に臨床検査室としての力量を有していることの証明になります。2016年診療報酬改定において国際標準検体検査加算が新設されたことは、その意義や効果が国からも認知されたことになります。

臨床検査室の関心は、これまでの認定取得の意義や効果などを認識する段階から、認定取得のための具体的実務さらには、取得後の運営管理方法を工夫する段階にシフトしてきています。
ISO15189の本質は、継続的な品質マネジメントシステム(計画し、承認し、実行し、監視し、評価し、改善し、周知するプロセスの循環)により、組織の成熟を生み出すことです。誤報告などの不適合発生時も、根本原因をすばやく見つけるのに役立ちます。
しかしながら、ISO15189の要求事項、特に「文書管理や記録の管理」は膨大な作業で、日常業務との両立が大きな課題となっています。
そのような課題を解決すべく、TBA-FX8は装置内に保持している必要な情報をリアルタイムにオンラインで出力できるようにしました。

多項目を測定する自動分析装置に関わる”記録の管理”の業務は、膨大で繁雑です。またその様式は、施設ごとに要求が異なります。オンライン出力することで、ISO15189で要求されている文書管理・記録の管理の一部をシステム*で担い、臨床検査室における情報の一元管理と省力化・効率化を図ります。
具体的には、作業量の負担軽減・手書きによる転記ミスのリスク低減・ペーパーレス化推進などの[省力化]と、施設に応じて規格に沿った使いやすいテンプレートの文書作成・文書/記録の管理・SOP(Standard operating procedure;標準作業手順書)閲覧などの[効率化]です。

TBA-FX8は、情報オンライン出力機能によって、システム*側でISO15189管理支援が可能となり、業務の負荷を軽減します。延いては、ISO15189認定取得の本来の目的である、進捗管理の一元化、技師教育など技能向上、教育の標準化によるスキル意識の向上、ヒューマンエラー/インシデント・アクシデントの機会低減、改善意識の広がりなど、検査室組織全体の品質の担保が期待できます。
(*ISO15189管理支援システム)


【TBA-FX8からの出力情報例】

■使用検量線の情報
◎使用試薬のロット番号、ボトル番号
◎キャリブレータのロット番号
◎新規作成日時、更新日時
◎実施者、承認者

■測定結果の情報
◎属性情報(ラックID・検体ID・エラーetc.)
◎モジュール、A/Bライン、反応管番号
◎吸光度結果
◎測定完了予定時刻
◎試薬情報(ロット番号・ボトル番号)
◎検量線情報

【システム側のISO15189管理例】

■文書管理
◎SOP(標準作業手順書)

■記録の管理
◎各種データ管理
◎キャリブレーション管理
◎精度管理
◎反応タイムコースの確認
◎不確かさの計算 

【改正医療法における管理例】

■作業日誌
◎検査機器保守管理作業日誌
◎測定作業日誌

■台帳
◎試薬管理台帳
◎統計学的精度管理台帳






 【接続イメージ】

 パターン1:既存のシステム環境を生かす

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 パターン2:既存のシステム環境を入れ替える

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