理想の小児医療・糖尿病診療実現のため
多職種連携によるチーム医療を実践。
電子カルテで迅速かつ安全な医療を展開

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丸岡内科小児科クリニック様
丸岡 文雄 先生

8年以上、福岡市郊外で小児医療と糖尿病患者の診療に取り組んできた丸岡内科小児科クリニックでは、2006年1月の開業当初から電子カルテを導入している。医師、看護師をはじめ、さまざまな職種のスタッフが情報を共有し、チーム医療の推進に大きく貢献してきた。同院では、2014年5月に新築移転を果たし、同年9月には高い操作性と多機能を持つ医事会計/電子カルテ一体型電子カルテシステム「TOSMEC Aventy」に更新して、さらなる医療の効率化を図っている。同クリニック院長の丸岡文雄氏に、新システムの有用性について聞いた。

電子カルテの導入により迅速で効率的な医療を展開

──クリニック開業の経緯からお聞かせください。

勤務医時代に感じたのは、病院での診療、特に外来診療での限界でした。診療の質や医療環境を向上させるためのアイデアはたくさん思い浮かぶのですが、勤務医の立場では、病院に提案してみてもなかなかアイデアを具体化することは難しいことでした。例えば、病院の扉の多くは開き戸ですが、これは車椅子の人には非常に扱いづらい扉です。それを引き戸に変えるだけで、大きなバリアーを無くすことができますが、病院に提案しても予算の都合等もあることから、現実化できませんでした。加えて、診療についても病院では専門家同士の間の壁が厚く、同じ病院内でもなかなか連携することが難しかったのです。

そこで、私はアップル社を飛び出してNeXT社を立ち上げたかつてのスティーブ・ジョブズのように、病院を飛び出して、私の理想とする医療ができるクリニック開業を決意したのです。

──クリニックの概要と診療の特徴についてお聞かせください。

当院では、主に糖尿病患者の診療、アレルギー疾患を含む小児医療を行っています。

スタッフは、医師は非常勤を含め12名、看護師は常勤8名、非常勤が2名の計10名おり、そのほか検査技師や薬剤師などのメディカルスタッフに事務員を合わせると約40名のスタッフが勤務しています。

外来患者数は1日約120~160名です。そのうち小児は80~100名ほどで、季節等で若干変動します。

診療の特徴としては、まず小児科医と皮膚科医が連携したアレルギー医療が挙げられます。例えばアトピー性皮膚炎の治療では、小児科だけですと塗り薬の使用法を満足に説明できず、皮膚科のみだと小児に対する十分な説明ができませんが、当クリニックでは2つの診療科の医師が連携することで質の高い医療を提供することができています。

また、糖尿病の診療については、当クリニックには医師、看護師だけでなく、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、理学療養士がチームを組んで糖尿病教育入院を外来で実施するなど、高度で質の高い医療を展開しています。

──開業当初より、電子カルテを導入した理由についてお聞かせください。

今述べたように、多職種のスタッフが1人の患者さんに携わるチーム医療が当クリニックの特徴です。そのためにはスタッフ間の情報の共有化が欠かせません。電子カルテはそのためのツールとして重要と考え、開業当初より導入しています。

電子カルテの選定では、数社にシステムのデモを行ってもらいました。中でも東芝メディカルシステムズ社の電子カルテが最も操作性が良く、使いやすそうだと感じましたね。選定に至った理由としては、他にも保守・点検等に関するサポート体制がしっかりしており、電子カルテを停めることなく運用できるだろうと判断したからです。

図:丸岡内科小児科クリニック システム構成図
院内には、4つある診察室に各2台、受付に3台、処置室に2台、問診室、管理栄養室、検査室、薬局、経理に各1台の計18台を設置。スタッフが医療現場ですぐ入力できる環境と診療時間をできる限り長く確保するため、端末はできる限り多く設置したという

──新規導入された「TOSMEC Aventy」についてお聞かせください。

医事会計/電子カルテ一体型の電子カルテシステム「TOSMEC Aventy」に更新したのは2014年9月です。現在、端末は4つある診察室に各2台、受付に3台、処置室に2台、問診室、管理栄養室、検査室、薬局、経理に各1台の計18台を設置しています。

診察室に2台設置している理由は、医師以外に診察室での業務がある看護師や検査技師、栄養士らのスタッフが診療中にすぐ、電子カルテを使用できるようにするためです。また、当クリニックでは、日によっては1時間に30人もの患者さんを診療することもあり、患者さんのコメントや処置等についてスタッフが医療現場ですぐ入力できる環境と診療時間をできる限り長く確保するため、端末は多く設置しました。

機能面での評価ですが、操作性も良く、使いやすいシステムですね。電子カルテ画面の色使いやデザイン性もよく、前のシステムと比べて目に優しいと感じています。また、システムが新しくなったことから、システムのレスポンスも速くなった点も評価しました。

中でも、評価しているのがショートカット機能です。これは、頻繁に使用する入力項目のセットや所見などを登録しておくことで、簡単にカルテ入力が行えるというものです。ルーチン的な診療や処方、オーダ内容を簡単に登録できますし、ショートカットの内容もポップアップ表示されることで、確認や編集作業が簡単に行えます。

また、電子カルテ導入のポイントの1つであった保守・サービス業務も、東芝メディカルシステムズのパートナーである㈱システムビィー・アルファの担当者が非常に真摯に対応してくれるので、満足しています。

当クリニックには非常勤医が大勢いますが、最近の若い医師はPC操作になれているので、電子カルテへの対応は問題ありません。

3つのアシスト機能

  1. Aventyの最大の特長の一つである、ショートカット機能
    小さなボタンに様々な基本診療パターンを登録、入力時はポップアップ表示で内容が確認可能であり、医師によるスムーズなカルテ入力をアシスト。

  2. 院内調剤システムとの処方オーダー連携
    処方データ通信による正確で迅速な調剤業務をアシスト。

  3. コンパクトでスピーディー
    更にエコなサーマルラベリングプリンターによる指示書発行で看護師業務をアシスト。
※ショートカットは、カルテ入力時、登録内容の編集や入力したカルテの即時登録も可能である。

──同システムは、調剤支援システムと連携していますが、この点についてはいかがでしょうか。

当クリニックでは、患者さんの利便性を考慮して院内処方も取り入れています。

そこで、薬局には調剤支援システムを導入し、処方の管理と自動分包機との接続を行っています。以前は紙の処方箋に印字された2次元コードを調剤支援システムで読み取っていましたが、更なる効率化を目指し今回のシステムでは、オーダ確定時に処方データを送信しています。一方、同時に紙の処方箋も受付へ出力し、患者さんの薬局への誘導及びお薬との引き換えに使用しています。

写真(左):受付には電子カルテ端末3台を設置。予約システムとの連携により、スムーズかつミスのない受付業務を実現している。
写真(右):薬局では、電子カルテと調剤支援システムが連携、効率的な薬剤管理・運用を実現するとともに、ミスのない安全な医療を実現している

指示箋プリンタを活用
安全かつ迅速な診療を実現

──クリニックで使用されている指示箋プリンタについてお聞かせください。

当クリニックでは、PC用の一般的なプリンタ以外に、より簡便に指示書をプリントアウトすることが可能な「指示箋プリンタ」を採用して、各診察室に設置しています。

電子カルテを採用している医療機関の多くは、一般的なプリンタで指示書などを出力していますが、意外にプリンタの出力は時間がかかります。例えば、ぜんそく発作の患者さんに対してすぐ処置を施さなければいけない時など、一般的な紙の伝票を出力するには2〜3分程度時間がかかるところを、指示箋プリンタでは1分とかからずに出力することが可能です。

このプリンタでの出力内容を、ユーザー設定によって予め入力しておくことにより、迅速かつ安全な指示内容をプリントアウトすることができます。あわてて薬の内容や量を間違えてしまうようなこともないので、医療安全の観点からも電子カルテと指示箋プリンタを組み合わせたシステムは有用性が高いと感じています。

──電子カルテ以外に、医療ITで活用しているシステム等はありますか。

電子カルテと連動した予約システムを採用しています。患者予約は、紙で予約票を作成すると事務担当者の作業が膨大になりますし、ミスによるトラブルも起きています。ITを活用した予約システムを導入し、患者さんに直接予約を取ってもらうようにして以降、予約に関するトラブルは激減しましたね。

現在、予約システムは予防接種と皮膚科の診療予約にのみの対応となっています。予約システム用にiPadを3台導入し、活用しています。

──電子カルテの今後の拡張についてお聞かせください。

今後、診療室をさらに2室増やし、さらに運動療法室を設置する予定ですので、スタッフの希望にもよりますが、端末台数を増設する計画です。また、電子カルテと接続している予約システムですが、現在は前述のとおり予防接種関係と皮膚科の診療予約にのみ対応していますが、今後はすべての診療科の予約に対応できるよう、バージョンアップをしていきたいと考えています。

丸岡内科小児科クリニック

小児医療・糖尿病の患者に対して
多職種連携によるチーム医療を実施

【正式名称】丸岡内科小児科クリニック
【所在地】福岡県福岡市東区千早4丁目13-2
【診療科目】内科・小児科・皮膚科・小児皮膚科・
アトピー性皮膚炎皮膚科・小児肥満症内科・循環器内科
・糖尿病内科・アレルギー科・アレルギー疾患皮膚科
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2006年1月、自分の理想とする医療を実現するために、丸岡文雄氏が福岡市東区に開業した丸岡内科小児科クリニック。2014年5月にはクリニックを新築。同クリニックは、どのような患者でも気軽に来院でき、気持ちよく診療を受けられるようホテル等を参考に、病院の冷たい、近寄りがたい雰囲気を極力なくした工夫が多数盛り込まれている。診療面でも、確かな技術と最新の知識に基づく治療を行うべく、日本糖尿病学会、循環器学会、小児科学会、皮膚科学会などの最新治療ガイドラインを採り入れ、結果、質の高い医療の提供を実現している。

糖尿病については、教育入院と同じレベルの療養指導が外来通院で可能なように、糖尿病療養指導士の資格を持つ看護師4名が療養指導、フットケア、インスリン注射の指導を行っている。また、常勤する栄養食事指導専任の熟練管理栄養士による充実した食事指導や、理学療法士および運動療法士による運動療法の指導、薬剤師による薬剤指導も行い、半年~1年の通院で教育入院を受けた時と同等の診療が可能となっており、患者からも高い評価を得ている。

小児医療では、小児科医と皮膚科医の連携によるアトピー性皮膚炎に対する細やかなケアが行われており、重症なアトピー性皮膚炎の患者にも対応している。加えて、小児気管支ぜんそくなどにも高度な医療を提供している。

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取材・制作 月刊新医療

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