─最新式高機能16列CTの有用性を探る─

高度な検査と汎用性、そして作業負担軽減
─ 選んだ最新型16列CTは見事に要求に応えた

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医療法人桃花会 一宮温泉病院様
斉藤 義昭 院長

許可病床数こそ123床ながら、地元に密着した地域医療を展開しつつ、大学病院レベルの高度な整形外科診療を行うことで知られている一宮温泉病院。同院では、最先端の医療を提供し続けるため、2019年3月に最新型16列MDCT「Aquilion Start」を導入し、診療の質の向上及び業務の効率化を実現している。同CT導入の経緯やその有用性について、同院 院長の斉藤義昭氏ら、キーパーソンの方々に話を聞いた。

──大学病院レベル高度な医療の展開と地域医療を両立させる高性能CTとは

一宮温泉病院は、内科、外科、整形外科などの一般診療及び救急医療に加え、院内に湧出する温泉を利用したリハビリテーション医療を展開している。同院 院長の斉藤義昭氏は話す。

「当院は一般的な医療法人ですが、公立病院的な役割も担い、地域医療に貢献し続けています。当院は、様々な合併症を抱えている高齢の患者さんに対して、温泉リハビリも含めた複数の診療科による重層的な診療が提供できる点が個性であり、また強みであると言えましょう。外来患者数は1日約200人を数えます。加えて、健診事業や人間ドックにも力を入れているところです」

同院は、院長の母校である東邦大学と提携し、最先端の整形外科診療を実施していることで知られている。

「整形外科には、東邦大学からスペシャリストである医師を非常勤医として日替わりで派遣してもらっています。当院が特に力を入れているのは膝の領域です。中でも膝の人工関節手術には最新型のロボット・ナビゲーションシステムを導入しており、大学病院レベルの高度な医療を展開しています。その努力の甲斐もあり、整形外科の患者数は日増しに増えています」

一宮温泉病院では2019年3月にCTを更新。キヤノンメディカルシステムズが2019年に販売を開始したばかりの最新型16 列MDCT「Aquilion Start」を導入した。なお、同院の装置が稼働第1号機となる。同CT導入の経緯と選定の理由について、斉藤氏はつぎのように話す。

「CTのような高額医療機器は長期間にわたり使用するので、できる限り最新の装置を導入したいという希望がありました。ちょうどタイミングよく、キヤノンメ ディカルシステムズが最新のCTを販売したと聞き、検討の上、導入に至ったのです。
CTは現代の医療において必要不可欠な装置であり、特に高齢の患者さんが多い当院では短時間で検査できる性能を有する装置が必要です。また、食事の欧米化の影響もあって、近年大腸がんの患者さんも増えてきていることから、大腸の検査が簡単にできる点も選択要件にしました。
なお、大腸の検査では内視鏡や注腸検査が主流ですが、これらは特に女性が敬遠しがちで、検査を受けずに病状が進み、重症化してから診療するケースもままあり ます。まずは便潜血検査で陽性となった患者さんに、CTでも検査できるという選択肢を提示することで、精検受診率向上につながると考えたのです。
他にも、健診や、脳血管疾患、当院が力を入れている整形外科領域でも、新しいCTが大いに期待しているところです」

高画質、高スループット性、そして高機能 ─ スタッフも患者も“楽”になる最新型16列CT

事務部長の大井和也氏は、CTの更新に求める要件を、つぎのように話す。

「高額医療機器の更新では、私の立場からは価格はもちろん重要ですが、様々な機種を検討し、医師、技師、事務員の三者が満足できる装置が最も望ましいと考えています。
なお、人材確保の視点も無視できません。病院全体にとって、福利厚生にかけられるリソースには限りがありますので、医療の質を高める取り組みを院内外にアピールすることで、地域住民だけでなく、山梨県下で医療に携わるスタッフにも当院の魅力を伝え、人材確保につなげたいと考えました。それらをクリアした『Aquilion Start』は、最新型、中でも1号機の導入ということもあって、院内スタッフのモチベーションアップにも貢献してくれています。さらに、検査の質やスループットが向上することで、病院の収益面でも成果を上げており、今回の更新は満足できる結果を得ています」
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CTを運用する放射線課 技師長の酒井 健氏は、装置導入に際して求めた要件をつぎのように話す。

「当院にはCTの他、一般撮影装置、マンモグラフィ、X線TV装置、ポータブル型X線撮影装置、Cアーム型X線撮影装置、骨塩定量測定装置があり、これらの装置を2名の診療放射線技師で運用しています。検査件数は全モダリティで合計800件にも及び、業務は繁忙を極めています。そのことから、新しいCTには、16列以上の多列CTであること、検査時間が速く、画像処理も短時間で済み、スループット性が高い装置を希望しました」
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新CT稼働後の評価について、酒井氏はつぎのように話す。

「この『Aquilion Start』は、設定済のプロトコルで撮影する際は、ワンボタン、ワンクリックで検査を実施でき、MPR等の画像処理も素早いことから、旧装置に比してスループット性が格段に向上しました。新しい装置ということもあってオーダも増え、CTの検査件数は1 ヵ月100件ほどから120件に増加していますが、作業そのものは楽になりました」

同院では、整形外科領域の患者や高齢の患者が多いこともあり、腕を上げることができなかったり、ボルト等の金属を身体に埋め込んでいるケースが多く、画像にアーチファクトが出やすい環境であった。しかし、「Aquilion Start」には、金属アーチファクトを低減するSEMAR(Single EnergyMetal Artifact Reduction)、モーションアーチファクトを低減する体動補正技術 APMC(Advanced Patient Motion Correction)、アームアーチファクトを低減する遂次近似応用再構成 AIDR 3D Enhanced を搭載して克服。さらに、0.75秒高速ヘリカルスキャンにより、息止めが難しい高齢な患者でも質の高い画像を取得することができる。酒井氏は「Aquilion Start」について、つぎのように高く評価している。

「検査時間も短縮され、MPR等の画像処理も迅速で、操作性、画質、スループットのいずれについても期待した以上の性能が出ており、満足しています。次年度には、CTの被ばく線量の管理等も行う必要が出てくるでしょうが、この装置は線量管理にも対応可能ですし、当院の診療に実に適合した、優れた装置であると実感しています」

医療法人桃花会 一宮温泉病院

【正式名称】医療法人桃花会 一宮温泉病院
【所在地】山梨県笛吹市一宮町坪井1745
【診療科目】総合診療科、内科、外科、神経内科、整形外科、小児科、歯科

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取材・制作 月刊新医療

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