CTやX線撮影装置の連携性と画像ファイリング機能の利便性、
データ入力の容易性を高く評価

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かしまクリニック様
鹿島 祥隆 先生


医科・歯科施設として開設されたかしまクリニックは、ビル新築開業に際し、東芝メディカルシステムズの電子カルテ「TOSMEC Aventy 2.0」を中心としたITネットワークを構築。
その主目的は、CTやX線撮影装置など画像診断・検査機器との連携による業務効率化の徹底にあった。その一方で将来を鑑み、訪問診療や地域医療連携の基盤構築という狙いもあったという。「今後はタブレット端末など周辺システムを積極的に整備したい」と語る鹿島祥隆院長に、電子カルテの活用状況や将来計画等を語ってもらった。

電子カルテと画像診断装置のシームレスな連携を重視

──開業前にどのような形のIT化を計画されていたのでしょうか。

以前経営していたクリニックではレセコンのみ導入していたのですが、新築ビルでの開業に際して電子カルテの導入は必至と考えていました。その目的は月並みですが「業務の効率化」にあり、特に強く意識したのが検査業務です。

私は新しいクリニックでは、諸検査の実施により総合的に診断する診療体制を構築したいと思い、CTやX線撮影装置、超音波診断システムなどを導入しました。それらを2つの検査室と処置室に分散配置したのですが、放射線技師雇用の予定は当面なく、私が各室を行き来して診察と検査を同時進行的に担う必要があることは開業前から分かっていました。それゆえ、IT化による検査関連の効率化は必須であったのです。

さらにITによる診察室への診療情報の集約・活用、診察室に居ながらしての指示といった業務の効率化も当然、視野に入れていました。そのためIT化に際し、目標としてフルペーパーレスを掲げたのです。現在は、指示箋など一部に紙運用が残っていますが、それらも今後、段階的に電子化していく予定です。

それともう1つ、地域の医療施設との連携基盤として、電子カルテを中心としたITシステムの構築は不可欠という認識を以前から持っていました。まだ構想段階ですが、今回のIT化をベースに将来的に実現させたい連携の計画はいくつかあります。

図:かしまクリニック システム構成図

──当初の計画を踏まえ、当該電子カルテを選定した理由をお聞かせください。

実は、検査機器のうちCTとX線については東芝メディカルシステムズの装置導入を当初から決めていました。それゆえ装置との相性を考慮して、同社の医事会計・画像ファイリングシステム一体型電子カルテ「TOSMEC Aventy 2.0」に決めたという側面もあります。実際、その判断は正解でしたね。当クリニックでは「TOSMEC Aventy 2.0」とCT /X線装置をMWM連携させており、電子カルテから直接装置に検査オーダができます。撮影画像も簡単かつ迅速に診察室の端末に表示できるので、診療の効率化に大いに役立っています。

もちろん、理由はそれだけではありません。電子カルテとしての基本機能が総合的に優れている点を評価した上での選定であったのも確かです。

また、ビルを新築してのIT化という事情から、建築関連は難渋したのですが、IT化自体については全く苦労しませんでした。なぜなら電子カルテ導入に際し、こちらの希望を紙に書いて渡すだけで、東芝メディカルシステムズのパートナーである東名トスメックのスタッフがほとんど完璧に対応してくれたからです。そうしたベンダーの実践的なサポート体制も、「TOSMEC Aventy 2.0」選定の要因となりました。

写真:東芝メディカルシステムズの16列マルチスライスCT「Alexion」を導入。電子カルテとMWM連携させて活用

利便性の高い画像管理機能入力の容易性にも優れる

──「TOSMEC Aventy 2.0」のどの機能を評価されていますか。

評価ポイントとして最初に挙げたいのが、「画像ファイリング機能の使い勝手」ですね。当クリニックでは電子カルテと画像ファイリング用にそれぞれ端末を用意しているのですが、ファイリング画面で表示した画像の重要な部分を簡単にカルテに貼り付けられる手軽さは、特に評価しています。その他、カルテ側の画像アイコンをクリックすると画像用端末のビューアが起動する機能は便利ですし、カルテ画面と連動したファイリングリスト連携も患者情報を呼び出しやすく、大変有用と感じています。さらに、操作レスポンスにも優れており、過去画像の検索なども容易にできるため、まさにストレスフリーで診察できています。

また、「TOSMEC Aventy 2.0」の画像ファイリング一体型モデルに画像ビューア「RapideyeCore」が搭載可能となった点も評価したいですね。現在は未導入ですが、同ビューアにより病院システムのような3D表示等が可能になれば、診断支援はもとよりインフォームドコンセントにも役立つはずです。将来的に、是非、検討したいですね。

──電子カルテ機能に関する評価ポイントをお聞かせください。

いろいろあるのですが、まず「ショートカット」機能が挙げられるでしょう。これは、カルテ画面の左端に配列される枠の中の項目をクリックするとその内容がポップアップ表示され、診療や処方、オーダ内容を簡単に登録・編集できる機能です。ショートカットの有用性は当初から評価しているのですが、ルーチン的な診療行為をほぼ全て記録・管理・活用できるようにすることを目標に、ベンダーの協力を得ながら理想形を追って作り込んでいるところです。

次に、「文書や画像の一括管理」機能が挙げられます。同機能により画像はもちろんのこと、他施設の紹介状や診断書、サマリーなどをスキャンして患者毎にリスト管理できるため、目標に掲げるフルペーパーレスの観点からとても重宝しています。画像ファイリングもそうなのですが、一度電子的に収納した情報を容易に引き出せることは、「TOSMEC Aventy 2.0」の強みの1つと認識しています。

図:ショートカット
電子カルテ画面左側の枠内項目をクリックすると、ポップアップ方式でショートカットの内容が表示されるため、診療や処方、オーダ内容等を簡単に登録・編集できる

──医事会計機能についての所感をお聞かせください。

医事会計一体型ゆえ、レセコンのみの運用だった旧クリニック時代よりもはるかに医事業務が効率化されたのは確かです。また、オプションのレセプトチェックソフトを選択した効果もあり、レセプト請求は現在、私が行っています。

それらは間接的に経営に貢献すると考えます。レセプト請求を医師が担当すれば事務職員の残業は減りますし、レセプト業務に長けた職員を雇用する必要もなくなるからです。「TOSMEC Aventy 2.0」の場合、それが可能と思えるほど医事会計システムが機能的ということです。

写真:「TOSMEC Aventy 2.0」による医事会計業務の効率化に対する事務職員の評価は高い

タブレットの訪問診療活用と施設間連携の強化を計画中

──電子カルテ周辺システムに関する今後の導入計画について伺います。

保険証リーダー、予約システム、タブレット端末の活用を考えています。この内、予約システムは、診察時間中に内科・予防接種など専門の時間帯を設けることで、医師1名体制の作業効率を向上させるためです。

タブレット端末に関しては、将来的に本格化させる予定の訪問診療の入力ツールとしての活用を想定しています。現在は往診時に手書きで診療情報を記録し、クリニックに戻ってから電子カルテに入力し直しています。その二度手間をなくし、患者宅でリアルタイムに診療記録を行いたいのです。「TOSMEC Aventy 2.0」には往診先で使えるタブレット端末のオプションが設定されているので、今後の訪問診療のニーズや動向を鑑みながら導入するつもりです。

──ITシステムを将来的にどのような活用に生かしていきたいとお考えですか。

将来構想について述べると、1つは「遠隔医療」の充実です。計画は主に2つあり、まず「読影の外部依頼による診断精度の向上」が挙げられます。画像の二重チェックは、現在、すでに読影機関と連携して実施していますが、その精度をより上げるための方策を模索中です。

もう1つは「専門診療科とのオンライン連携」です。例えば糖尿病患者の内科的診断・治療は当クリニックで行い、眼底出血がみられた場合は眼科医に診断を依頼して、結果をフィードバックしていただくといった形の連携ですね。その際、画像に加えてカルテ情報や紹介状などもネットワークを介してやり取りできたら、大変便利で効率的であると考えます。

もちろん、そうした連携体制の構築には診療録交換の互換性やコストなどの問題が立ちはだかっているのは承知しています。ただし、ITシステムがあれば、物理的には院外連携を視野に入れられるのは確かですし、例えば施設を限定した提携体制を築くようなことにも、可能性があれば挑戦してみたいと思っています。

かしまクリニック

医科・歯科の診療を1施設で提供
画像診断・検査機器の充実も特長

【正式名称】かしまクリニック
【所在地】大阪府茨木市丑寅2-1-6
【診療科目】内科、呼吸器内科、アレルギー科、リハビリテーション科、歯科

かしまクリニックは茨木市で唯一、医科と歯科の診療を行うクリニックとして、2016年7月に開業。新築ビルは1階が駐車場、2階が医科、3階が歯科のスペースとなっている。

医科は鹿島祥隆院長の専門である呼吸器内科を中心に、地域に根ざしたプライマリケアを提供する。「当クリニックでの治療か基幹病院への紹介かを的確に診断するために、必要最低限の装置を揃える」という同院長の方針により、CTやX線撮影装置、超音波診断システム、心電図、内視鏡などの画像診断・検査機器を、合計3部屋の検査室・処置室に配置。リハビリテーション室には4つのベッドとともに、最新のリハビリ機器を多数設置している。

スタッフ構成は医師1名、歯科医2名、看護師2名、歯科衛生士2名、事務員は合計4名(医科・歯科に各2名)。

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取材・制作 月刊新医療

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