大腸CTを始め病院級の検査を強力に支援するツールとして機能。
検査データの二次利用にも期待大

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しだみ高橋クリニック様
高橋 卓嗣 先生


外科の院長と内科の副院長が診療を行う医療施設として、2017年10月に開業したしだみ高橋クリニック。
院長の高橋卓嗣氏は、「大腸専門の外科医として、病院に匹敵する同疾患の検査体制を築きたかった」と語る。その診療を支援するITツールとして高橋氏が選択したのが、キヤノンメディカルシステムズの医事会計/電子カルテ一体型システム「TOSMEC Aventy 2.0」であった。同システムの診療における有用性について、高橋氏に聞いた。

院内外の連携性を重視して電子カルテシステムを選定

──開業前にどのようなIT環境の構築を計画されていたのでしょうか。

私は開業に際して、専門の大腸疾患の経過観察等を病院並みの水準で遂行できるクリニックをつくりたいと強く望んでいました。その一環として精度の高い画像診断体制を構築することが必要と考えていたため、電子カルテ選定の第一要件は「CTなどの画像を迅速かつ効率的に管理・閲覧できること」でした。

さらに、開業当初から遠隔読影サービスを介して二次読影を外部の専門医に依頼することを計画していたので、院外との画像連携を実現させる基盤としての機能も、電子カルテに求めた要件だったのです。

それゆえ必然的に「ICT=連動、連携」を重視したシステム構築となり、その観点からキヤノンメディカルシステムズの医事会計/電子カルテ一体型システム「TOSMEC Aventy 2.0」に決めました。なお、当クリニックでは新機能の経過型カルテを標準で搭載する最新バージョン(2017年7月発売)を導入しています。

図:しみだ高橋クリニック システム構成図

──電子カルテ選定の決め手はどのような点にあったのでしょうか。

過去の実績や当クリニックの看板検査として考えていた大腸CTに非常に適している点などを鑑みて、CTはキヤノンメディカルシステムズの製品と最初から決めていました。併せてFPD+一般X線撮影システムと超音波画像診断装置も、同社製を選択しました。結果、内視鏡以外の画像診断装置は同社製となったため、先のとおり、主要装置との連動性を考えて「TOSMEC Aventy 2.0」を選定したのは、ごく自然な成り行きでした。加えて「TOSMEC Aventy 2.0」は、同社製のCT/一般X線撮影システムとのMWM(Modality Worklist Management)機能を有していることで、患者情報入力の手間や入力ミスの軽減・低減への期待があったことも、選定に有利に働いたポイントとして挙げられます。

もちろん電子カルテとしての基本性能についても、数社の製品をじっくり比較検討しました。昨今、電子カルテは全般的に性能が向上しており、各社遜色のない水準となってきているのは周知の通りです。だからこそ、「TOSMEC Aventy2.0」を操作した際に「課題や弱点が見当たらず、日常的に安心して使える」と直感した点を高く評価しました。さらにキヤノンメディカルシステムズのパートナーである東名トスメックの対応が良く、院内LANの敷設などを親切にアドバイスしてくれたことも、導入を強く後押ししましたね。

写真:超音波画像診断装置はキヤノンメディカルシステムズ「Xario200 Platinum」を使用

──その他の電子カルテ機能の評価ポイントについてうかがいます。

長所としてまず挙げられるのが、ショートカット機能の使いやすさです。
特に、項目指示と同時にポップアップ方式で内容を表示するレスポンスの良さを気に入っています。また、当クリニックでは副院長である妻が専門の呼吸器内科を中心に内科診療を担当しているのですが、ショートカットは院内共通・医師個別の2タイプを設け適宜、使い分けています。そうした設定の容易性も、評価ポイントの1つとして挙げられます。

付箋機能も非常に便利です。スタッフごとに色分け設定して使える上に、カルテ画面を立ち上げると最初にポップアップ表示されるので伝達情報を見落とすことはなく、とても実用的と思います。その他、「TOSMEC Aventy 2.0」は画像以外の検査機器との連動性にも優れています。一例を挙げると、血液検査において非常に有効ですね。当クリニックでは院内外の採血検査を管理していますが、ともにオンラインオーダが簡単にできますし患者IDの記入ミスも起こり得ないので、大変助かっています。

なお、新機能の「経過型カルテ」は、検査結果やバイタルなどを時系列で確認することができるため、内科の代謝疾患をはじめ長期管理が必要な病気の情報把握において有用性を発揮するだろうと考えます。

図:ショートカット機能
「症状・所見」「シェーマ」「オーダ」等の入力項目をショートカットボタンにセット登録することで、ワンタッチでカルテに一括入力することができる(特許第4434536号)

──「TOSMEC Aventy 2.0」に対するスタッフの評判はいかがでしょうか。

実は開業当初、電子カルテ経験のある看護師は1名しかいなかったのですが、それが原因で診療が滞るようなことは、今までありませんでした。「TOSMEC Aventy 2.0」はカルテ画面が見やすく分かりやすいため、操作方法を比較的容易にマスターできるので、おそらく電子カルテ未経験者でもすぐに使いこなせるようになっているのだと思います。当クリニックでは所見テンプレートの検査説明の項目を看護師が入力しているのですが、電子カルテ未経験者から戸惑いや不満の声は上がったことはなく、換言すれば彼女たちに評価されているということなのだと感じています。

写真:受付に電子カルテ端末を2台設置。
機器の操作性や使い勝手などに対する事務職員の評判は良好

タブレット端末での往診と検査情報の二次利用を計画

──電子カルテ導入に際して工夫されたことがありましたら、お聞かせください。

CT検査件数増による負荷増大および遠隔外部読影依頼増への対応を当初から想定し、ベンダに画像サーバを構築してもらいました。

読影依頼に関しては、現在、サーバから直接オンラインで画像を送信する形と、CD-RやDVDなどの可搬型媒体で依頼する形をとっています。外部依頼の件数は開業から1ヵ月で十数件程度と、まだそれほど多くはありませんが、件数が一定水準まで増えた暁には全てオンライン化したいと考えています。その方が当然、読影依頼の効率が上がるからです。

このような柔軟な対応からも、ベンダのサポート体制に安心感を抱きます。

──今後、導入を計画されている電子カルテ周辺システムはありますか。

将来的に往診を始めたいと考えているので、その際には「TOSMEC Aventy 2.0」にオプション設定されている「タブレット端末往診」を導入します。

当クリニックでは診察日の13時から15時に予約制のCT/内視鏡検査、小手術を行っていますが、それらは基本的に私が担当します。この間、副院長が往診を担ったり、予約が入っていない日は私が往診に出向いたり、適宜交代して訪問診療を行うことで、より地域への貢献度を高めていきたいのです。

「TOSMEC Aventy 2.0」の「タブレット端末往診」は、カルテ情報の閲覧・入力だけではなく往診先の地図検索等も可能など機能が充実しているので、おそらく我々の期待に応えてくれるだろうと思っています。

──今後、電子カルテ情報を二次利用的に活用していく計画はございますか。

現在、大腸CTと大腸内視鏡、胃カメラの検査データを院内共有フォルダの形で「TOSMEC Aventy 2.0」に蓄積しており、将来的にこれらの情報を整理整頓された形でデータベース化するつもりです。

データが必要十分な水準にまで集積された暁には、検診で便潜血陽性と診断され内視鏡検査を受けた患者さんの有病率であるとか、胃カメラを行った患者さんのピロリ菌保有率などの分析が可能となります。その分析結果を私自身の研究ではなく、当クリニックにおける大腸がんや胃がんの診療の質向上に生かしていきたいと考えています。

しだみ高橋クリニック

外科と内科専門の医師2名が診療
大腸CTを看板の検査に掲げる

【正式名称】しだみ高橋クリニック
【所在地】愛知県名古屋市守山区中志段味洞畑2150
【診療科目】内科、外科、消化器科、呼吸器科、肛門科

2017年に開業、外科で消化器系(胃や大腸など)の疾患を中心に診療してきた高橋卓嗣氏が院長、院長の妻であり、内科で呼吸器系(肺や気管支など)が専門の高橋裕子氏が副院長を務める。高橋院長は、「それぞれの専門を生かしながら、地域に身近なかかりつけ医となること。私の専門領域に関しては、病院の代わりに術後の経過観察等を待ち時間なく行えるクリニックとなること」と開業の目標を語る。

午前と午後の診療の合間に、内視鏡検査、CT検査、痔の日帰り手術ほか小手術などを予約制で行う点が診療の特徴の1つである。検査装置は最新型の16列CTや一般X線撮影システムを始め、超音波画像診断装置や電子内視鏡などを揃えている。

スタッフは医師2名、看護師4名(うち常勤2名)、事務職員3名(全て常勤)。

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取材・制作 月刊新医療

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